2025年度実施フィールドスタディコース

揚州・蘇州・南潯・杭州・紹興・天台山・寧波・上海 ―中国大陸で地球環境問題、歴史文化を学ぶ―

2025年度実施フィールドスタディコース

コース名

揚州・蘇州・南潯・杭州・紹興・天台山・寧波・上海
―中国大陸で地球環境問題、歴史文化を学ぶ―

担当教員

日原 傳、朝比奈 茂

日程

8月31日(日)~9月9日(火)

場所

中華人民共和国(揚州・蘇州・南潯・杭州・紹興・天台山・寧波・上海)

コースのねらい

中国の多様な地域や都市を訪れ、その歴史・文化・社会などを体験的に学習し、地球規模での環境問題について考えます。今回は「水」を大きなテーマとして中国の江南地方を巡りました。

コースの内容

大運河(揚州・蘇州・杭州)
隋の煬帝が開鑿した大運河の現在の姿を揚州、蘇州、杭州でそれぞれ見学しました。揚州は東西に横切る長江と南北に連なる大運河が交差するところに位置するため、唐代以降に経済都市として急速に発展しました。その繁華な様子は数多くの詩歌に詠まれています。揚州では近年開館した「揚州大運河博物館」に行きました。揚州市の西北郊外にある名勝「痩西湖」、名刹「大明寺」にも足を運びました。蘇州では寒山寺を見学したのち、その西側に南北に伸びる大運河で遊船を体験しました。

水郷古鎮(南潯)(なんじん)
南潯は太湖の南に位置する水郷古鎮です。十六世紀中ごろから生糸の市が立ち、十字形のの運河と堤防が整備され、人の往来が盛んになりました。やがて海外にも名を知られた南潯のシルクを求めて全国から商人が集まるようになり、彼らの拠点となる会舘も数多く建設されました。生糸の売買で成功した富豪や退官した官僚が建造した邸宅や庭園が昔の姿を留め、今もなお保存されています。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

良渚(りょうしょ)文化遺跡(杭州)
杭州では、西湖、蘇堤、六和塔を見学したのち、西の郊外にある良渚文化遺跡を訪れました。良渚文化は紀元前三千五百年ごろから稲作経済が一段と成熟し、農業と手工業の分業化が進むなかで生まれた文化です。その遺跡群は巨大な祭壇遺構を中心に、周囲には墳丘墓が配置され、さらにその周辺には玉器制作址などの集落遺跡が広がっています。各墳丘墓には多量の玉器が副葬されていました。発掘されたその墳丘墓を見ることができます。

運河・蘭亭・魯迅紀念館(紹興)
紹興市内には運河がはりめぐらされており、そこをたくさんの足漕ぎ舟が行き来しています。紹興市南西の郊外にある蘭亭に行きました。蘭亭は東晋の永和九年(353)三月に王羲之が当時の名士孫綽・謝安ら四十一名と禊の祭事を行なったのち曲水流觴の遊びをした地に立つ亭(あずまや)です。その時に作られた詩をまとめ、その序として王羲之は「蘭亭集序」を書きました。また、紹興は魯迅の故郷であり、魯迅の故居や少年時代に通った塾なども見学しました。

国清寺(天台山) 
国清寺は天台宗の総本山です。隋の開皇十八年(598)に創建された歴史のある名刹です。唐代の詩僧寒山はこの地で拾得・豊干と交友したとされ、この三人は「三隠」と呼ばれています。日本の天台宗を開いた最澄をはじめ、円珍・栄西などがこの地を訪れて学んでいます。古塔があり、おびただしい数の蝙蝠(コウモリ)が棲んでいるのに驚かされました。それを以下の七絶に詠みました。

   訪天台山((てん)(だい)(さん)(たづ)ぬ)  
  稲花香裡水潺湲  (とう)()(こう)() (みづ)潺湲(せんかん)
  三隠当年愛此山  (さん)(いん) (とう)(ねん) ()(やま)(あい)
  蝙蝠至今棲古塔  (へん)(ぷく) (いま)(いた)るまで ()(とう)()み 
  暮鐘飛去暁鐘還  ()(しょう)()()りて(ぎょう)(しょう)(かへ)る 

天一閣(寧波)
寧波は隋・唐以来、中国の重要な海港の一つとして繁栄しました。日本からも遣隋使、遣唐使以来、鎖国に至るまで多くの船が寧波港経由で中国入りしています。宋・元の時代には数多くの日本の禅僧がこの地に遊学しました。寧波では寧波港、天一閣を見学しました。天一閣は明代の創建で、現存する中国最古の蔵書館です。

上海大学・自由行動(上海)
9月8日(火)の午前に上海大学を訪れ、学生同士の国際交流をおこないました。まず、あらかじめ用意していた日本側の学生の発表、中国側の学生の発表があり、次に数人ずつの班に分かれ、大学での学び、普段の生活、それぞれの国で今流行っていることなどをテーマに語りあいました。その後、学生食堂で昼食を共にし、合同写真を撮って大学を後にしました。午後はグループごとに分かれての自由行動の時間を設けました。豫園、そのまわりの商場、上海博物館、旧フランス租界、浦東地区の高層ビル街など行き先は様々です。夕方に再集合。FSの打ち上げの夕食会を催したのち、外灘(バンド)の夜景を見てホテルに戻りました。

参加者の声

現地では日本との違いに圧倒されました。最大の収穫は、言語の壁を越えた対話です。英語も日本語も通じず苦労しましたが、翻訳機能や身振りで試行錯誤し、想いが伝わった瞬間の感動は一生の思い出です。総じて楽しく、行って損なしと言い切れる極めて貴重な経験となりました(3年生)。

  • 京杭大運河(北京と杭州とをむすぶ大運河)

  • 揚州大運河博物館

  • 南潯(水郷古鎮)

  • 良渚文化遺跡〔全体模型〕

  • 紹興の運河と橋

  • 天台山国清寺の古塔(中にはたくさんのコウモリが棲んでいます)

  • 寧波の天一閣(現存する中国最古の蔵書館)

  • 上海大学との学生交流のひとこま

  • 法政大学 ・上海大学の学生交流〔合同記念写真〕