フィールドスタディ

2007年度実施 フィールドスタディコース

フィールドスタディ

五感で感じる学び

フィールドスタディ(現地学習)は、キャンパスを飛び出し、私たちがおかれている社会環境や自然環境を肌で感じ、さまざまな実体験を通して自らの問題意識を高めようという目的で設けられているプログラムです。フィールドスタディの舞台には、自然保護、まちづくり、農業、地域福祉、文化、国際協力、植林などの分野が用意されています。五感を駆使して学ぶさまざまな経験は、将来にわたり皆さんの大きな糧となるでしょう。

コースリスト(2007年度は以下のコースで行いました)

テーマ 実施場所 
  •  エコタウン飯田のまちづくり・地域の伝統芸能と社会
 長野県飯田市 
  •  黄河流域での砂漠化防止実践を通し地球環境問題を学ぶ
 中国  
  •  東北地方における自然環境(陸水、植生等)の実態
 秋田県北秋田市
  •  リサイクルおよびエネルギー利用の現場をたずねて
 関東近郊の4~5ヶ所 
  •  四万十川で、清流とは何かを考える
 高知県四万十川流域
  •  地域において知的障害者とともに過ごす
 埼玉県三郷市  
  •  首都圏の都市環境と政策を考える
 川崎市、新宿御苑 
  •  Youth Encounter Sustainability(YES)
 スイス
  •  東北タイの国際協力の現場で学習する
 タイ  
  •  ブナの森と用水そして農業を考える
 新潟県上越市吉川区
  •  科学博物館で学ぶ
 国立科学博物館(東京)ほか 
  •  富士・伊豆の自然と陸水環境
 富士山周辺、伊豆半島 
  •  酸性河川の水質改善と浅間火山活動の歴史
 草津温泉、嬬恋村キャベツ畑、浅間火山 
  •  自然エネルギー・自然保護と地域社会
 青森県鰺ヶ沢町
  •  箱根町の文化行政と文化遺産の保全
 神奈川県箱根町
  •  日本の自然と吟行句会
 東京都文京区、山梨県身延町
  • ビジターズ・インダストリー
 福岡県北九州市
  •  障害者福祉の体験
  群馬県碓水郡
  •  北東北の縄文遺跡と失われた中世港湾都市の学習
 青森市、五所川原市

№1 中国黄土高原での緑化作業から地球環境問題を考える

現在、世界各地で砂漠化が急速に進行しています。このコースでは、砂漠化が進む中国の黄河流域・黄土高原において緑化活動をしながら、砂漠化の問題や、水資源、将来の食糧問題など、幅広い地球環境問題を学びます。緑化は、現地の大学生と交流しながらの共同作業で、共に地球のために汗を流します。同時に、中国の大学教授など専門家から地域の砂漠化問題や政策に関する講義を受け、現場も見学します。さらに、北京など大都市の歴史遺産や都市環境なども立体的に学習します。2007年度には、8泊9日間の日程で実施し、44名の学生が参加しました。

№2 自然環境(陸水・植生)の実態把握

森吉山(秋田県)、富士五湖(山梨県)、白糸の滝(静岡県)、草津温泉(群馬県)を中心に、自然環境の実態把握を行います。森吉山では、ブナ原生林での地下水の保水状態や、標高によって植生が変化する様子を現地で学習します。富士五湖では、湖の成因と水温・水質の変化を調べます。白糸の滝では、地下水の湧き出すしくみを学習します。また、草津温泉では、酸性河川の水質改善を学びます。これらの実習を通じて、自然環境保護のありかたを考えます。

№3 学生の手作りプログラム、目的地は東北タイの“草の根”

学生の手作りフィールドスタディの目的地は、東北タイのウボンラチャタニ県の農村でした。あらかじめ学生たちが手分けして、タイの政府機関、日本の援助機関、NGOなどと話し合い、プログラムを作成し、草の根の人々と交流しました。タイ型「一村一品運動」の村々では、竹篭や花瓶を一緒に作って大汗をかきました。中学校では、12歳の子供たちの流暢な英語と、性教育のレベルの高さに圧倒されました。訪問の前に持っていた貧困のイメージとの落差も驚きでした。そして、雨季のメコンの流れは雄大でした。

№4 エコタウン吉川で環境保全と農業を考える

農業の町、新潟県吉川で今日の日本農業と自然環境について考えます。農業は自然の恵みを受けて、我々の食糧を生産していますが、農薬や化学肥料による自然破壊を起こすこともあります。このコースでは、高齢化と過疎化という現代の農業地域の問題について、行政や農業団体、農家の方から直接に話を聞くことを通して、吉川で取り組まれている環境保全型農業の実際を学びます。また、ブナの森から水田地帯にかけての吉川の美しい自然にふれながら、ブナ林の保全と水の利用や、棚田の多面的機能などについて学びます。手作り山羊乳アイスを食べながら、楽しく見聞を広げませんか。

№5 自然エネルギー・自然保護と地域社会

青森県鰺ヶ沢町で、自然エネルギー・自然保護と地域社会の関係について考えます。自然エネルギーについては、市民の出資による風力発電所(市民風車)や、リンゴの剪定枝による木質バイオマスの現場を見学します。また、市民風車事業を手がけるNPO、出資をした市民、行政の三者によるまちづくり基金を用いた地域活動に参加し、自然エネルギーと地域社会の活動の関係について学びます。さらに、世界遺産として知られる白神山地を訪れ、人々の生業と白神山地との関係を学びます。そこには世界遺産としての白神山地とは違った側面の、本来の白神山地の姿と人々の生活が見えてくるはずです。

№6 産業観光

北九州市は従来型の名所旧跡を訪れる観光に加え、日頃触れる機会の少ない工場の製造現場や環境産業の現場を見学・体験することで、実践的に学習できる「産業観光」の振興に取り組んでいます。ここでは、北九州市のご協力を得て、新日本製鐵八幡製鐵所や、リサイクルに関連する各種工場や研究所、風力発電所などを集積したエコタウンを見学し、産業観光のあり方について考えます。