東日本大震災と人間環境学部

2020年度

東日本大震災と人間環境学部

1.とにかく考えてみよう

人間環境学部では、教職員と学生の共同企画として「とにかく考えてみよう」という企画を実施しています。エネルギー問題について、地域社会のあり方について、持続可能な社会の可能性について、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論しようという催しです。

第18回「人間環境学特別セミナー:とにかく考えてみよう(トニカン)」開催報告

 法政大学人間環境学部では、2011年の東日本大震災以来、教職員と学生による共同企画として、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論をおこなう、「法政大学・人間環境学特別セミナー:ドキュメンタリー映画を見て、震災後の日本社会を考える(通称「トニカン」)」という催しを続けてきました。
 第18回を迎える今回、2020年のコロナ禍により、私たちは、働き方、学び方、生活の仕方が大きな変革を迫られ、新たにまた考える必要があります。その材料として今回、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジら監督『幸せの経済学』(2010年、68分)を取り上げました。この映画は、グローバル化した現代社会の負の側面を明らかにし、「ローカリゼーション」の価値を再考したものです。また、大学での授業もオンライン方式で行っていることもあり、「トニカン」の開催方法についても、装いも新たにオンライン形式で事前に参加者各自が映画作品を視聴し、それを前提として2020年8月1日(土)にオンラインで議論をおこないました。なお、今回は実験的な試みとして、従来とは異なり、参加者を法政大学人間環境学部関係者のみに限定し開催しました。
 8月1日当日の議論は、それぞれ異なる専門を持つ教員たちと職員、学生の皆さんと、「グローバリゼーションは悪いことなのか?」「グローバリゼーションとローカリゼーションは果たして両立不可能なのか?」、「ローカリゼーションそのものが孕む問題性」、「世界各地でのローカリゼーション」、「グローバリゼーション vs ローカリゼーションの歴史的系譜」、「SDGs との関係は?」、「with コロナとの関係は?」、「望ましい社会と個人の選択の関係は?」などをテーマにして、活発に議論が交わされました。
 学生からも、オンラインならではの利点も含めて、今回の「トニカン」の試みについて好意的な意見が数多く寄せられました。教職員からも、教職員、学生と密度の濃い議論ができて非常に有意義だったと高い自己評価がある一方、もっと活発な催しにするための提言もなされました。
 今後も、多くの学生に積極的に参加してもらえるように、より良い方法を模索していきながら、「トニカン」を続けていきたいと思います。

以上

第19回「人間環境学特別セミナー:とにかく考えてみよう(トニカン)」開催報告

 法政大学人間環境学部では、2011年の東日本大震災以来、教職員と学生による共同企画として、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論をおこなう、「法政大学・人間環境学特別セミナー:ドキュメンタリー映画を見て、震災後の日本社会を考える(通称「トニカン」)」という催しを続けています。

 さる2021年1月9日(土)に第19回が開催され、シュボシシュ・ロイ監督『アリ地獄のような街』(2009年バングラデシュ、カラー、79分)を取り上げました。この映画は、経済成長が続くバングラデシュで生きるストリートチルドレンの現実をリアルストーリーというかたちで描いた作品です。当初、今回のセミナーでは、対面および zoom によるハイフレックス方式による開催を予定していましたが、緊急事態宣言の発出を受けて、残念ながら全面オンラインによる開催となりました。

 1月9日当日は、武貞稔彦先生、西城戸誠先生によるレクチャーのあと、日本国内の事例も併せて取り上げながら、それぞれ異なる専門を持つ教員たちと職員、学生の皆さんと「援助と自立の問題」、「都市と地方」、「絶対的貧困と相対的貧困」、「ジェンダー」などのテーマに加えて、「知ることと行動すること」などの話題をめぐって、活発に議論が交わされました。