東日本大震災と人間環境学部

2021年度

東日本大震災と人間環境学部

1.とにかく考えてみよう

人間環境学部では、教職員と学生の共同企画として「とにかく考えてみよう」という企画を実施しています。エネルギー問題について、地域社会のあり方について、持続可能な社会の可能性について、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論しようという催しです。

第20回「人間環境学特別セミナー:とにかく考えてみよう(トニカン)」開催報告

 法政大学人間環境学部では、2011年の東日本大震災以来、教職員と学生による共同企画として、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論をおこなう、「法政大学・人間環境学特別セミナー:ドキュメンタリー映画を見て、震災後の日本社会を考える(通称「トニカン」)」という催しを続けています。
 さる2021年8月7日(土)に第20回がオンライン方式で開催されました。今回は、「環境にやさしい」商品を生産している裏側で起こっている姿を描いた、ヴェルナー・ボーテ監督『グリーン・ライ〜エコの嘘〜』(2018年オーストリア、カラー、97分)を取り上げました。日本社会で SDGs やサステイナビリティという言葉が人口に膾炙しつつある昨今、海外の事例をもとに、人間環境学部の理念でもあるこれらの概念について改めて議論をおこないました。
 参加者が事前にオンラインで映画を視聴し、8月7日当日は、吉永明弘先生が、この映画の内容や構造、メッセージについてレクチャーしたあと、発展的問いを提起しました。吉永先生のお話を基にして、参加学生の皆さんと教員たちが、「責任は誰/どこにあるのか」、貧困や格差、先進国と途上国などのテーマや吉永先生から提起された問いを中心にして、活発に議論が交わされました。


以上

第21回「人間環境学特別セミナー:とにかく考えてみよう(トニカン)」開催報告

 法政大学人間環境学部では、2011年の東日本大震災以来、教職員と学生による共同企画として、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論をおこなう、「法政大学・人間環境学特別セミナー:ドキュメンタリー映画を見て、震災後の日本社会を考える(通称「トニカン」)」という催しを続けてきました。
 さる2022年1月8日に第21回がオンライン方式によりおこなわれました。今回は、チェルノブイリ原発事故後、シェーナウ市の市民たちが自ら自然エネルギーの電力会社を誕生させようとする姿を描いた、フランク・ディーチェ/ヴェルナー・キーファー監督『シェーナウの想い』(2008年ドイツ、カラー、60分)を取り上げ、事前に各自がオンライン視聴したのち、当日はゲストとして、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)研究員の古屋将太先生をお迎えして、ディスカッションが行われました。今回は、ゲスト、在学生、教員のほか、卒業生の参加がありました。
 司会からは、イントロダクションとして映画を理解するためのドイツに関する背景説明がなされたあと、古屋先生からは、「コミュニティパワーのこれまでとこれから」と題して、まずコミュニティパワーの起源として1980年代に始まったデンマークの風力協同組合が紹介され、ついで世界のコミュニティエネルギーとしてドイツ各地で展開されたドイツのエネルギー協同組合やオーストラリアのコミュニティエネルギーなどについて説明がなされました。一方で、日本のコミュニティパワーについても論じられ、日本各地の地域新電力への期待とその課題について語られました。最後に、古谷先生からはコミュニティパワーについていくつもの問いかけがなされ、これに基づいて地域のエネルギー政策に関する合意形成の問題やコミュニティなど多くのテーマについて、古屋先生、在学生・卒業生、教員との間で質疑応答が交わされました。その熱気はそのまま、学生主催のアフターミーティングにも引き継がれ、活発な議論が続けられました。


以上