フィールドスタディ

2013年度実施 フィールドスタディコース

フィールドスタディ

五感で感じる学び

フィールドスタディ(現地学習)は、キャンパスを出て現地に身を置き、私たちが置かれている社会環境や自然環境を肌で感じ、さまざまな体験を通して自らの問題意識を高めようという目的で設けられている科目です。自然保護、まちづくり、農業、地域福祉、文化、国際協力、エネルギーなど多様なコースを実施しています。五感を駆使して学ぶ経験は、将来にわたり皆さんにとって有意義なものとなるでしょう。

コースリスト(2013年度は以下のコースで行う予定です)

テーマ 実施場所 
 群馬県安中市
 長野県飯田市(市街地と山間部)及び
妻籠(長野県)・馬篭(岐阜県)  
 東京都,神奈川県
 埼玉県三郷市
 山梨県富士河口湖町、山梨県小菅村、神奈川県横浜市
 東京23区内  
 国立科学博物館(東京)他, 各自の関心に応じて決定 
 北海道:利尻礼文サロベツ国立公園
(サロベツ湿原、利尻島など)
 新潟県上越市吉川区 (旧 吉川町)
 宮城県石巻市北上町十三浜地区・橋浦地区ほか
 青森県鰺ヶ沢町、五所川原市、つがる市
 石巻市北上町
 静岡県浜松市・磐田市・掛川市 
 北九州市
 青森県五所川原市、中泊町、つがる市ほか
 ART CAFE百舌:アトリエ(小劇場)
 南インド(バンガロール、マイソール、バンディプールなど)
 カンボジア王国(プノンペン、シェムリアップ)
 オーストラリアクィーンズランド州ゴールドコースト
ボンド大学付属語学学校
 ドイツ(ベルリンほか1都市)

No.1 陸・海・空の交通運輸を支える(北川 徹哉)

人の生活と命、社会、経済の基盤であり、高度に発達した陸・海・空の交通運輸は常に正常で安全に運行することを強いられています。さらに、近年は環境問題への対応も求められるようになりました。これらの交通運輸システムを支えるため、製造、維持管理、施設保守の役割は極めて重要です。現場を訪れ、業務の重責を肌で感じましょう。

ボーイング787のジェットエンジンの前で

No.2 ブナの森から農業と農村を考える(田中 勉)

新潟県上越市吉川区を訪ね、農業と農村に関するさまざまな問題を考えます。ブナの森から流れ出る水が田んぼを潤す吉川区は、過疎化と高齢化の中で米づくりに熱い思いを持った人々が暮らす美しい農村風景が残る農業地域です。自然を利用する農の営みとそこに作られるコミュニティとしての農村について、農家の方など多くの人と出会い直接話をうかがうことで多くのことが学びます。あなたの視野が大きく広がる体験をしてみませんか?

No.3 環境と文化の都市・飯田のまちづくり、地域の伝統芸能と社会(安藤 俊次)

飯田市は、人形劇とリンゴ並木を愛し、エコツーリズムを推進する南信州の環境文化都市として有名です。「人形劇フェスタ」、「りんごん祭り」に参加、地域の々が伝承する人形浄瑠璃を鑑賞、また環境重視のまちづくりをめざす飯田市の活動を多方面から学習する事により、新しい地域のあり方を考えます。さらに周辺の妻籠および馬籠地域の伝統的街並みを視察するなど、文化の伝承とまちおこしを体験的に学習します。

伝統的町並み保存の見学

No.4 津軽鉄道が結ぶまちづくり〔青森県五所川原市、中泊町、つがる市〕(西城戸 誠)

赤字が続くローカル路線の中でもファンが多いとされる津軽鉄道とその沿線におけるさまざまな地域活動を見学、体験しながら、奥津軽地方の「着地型観光」について考えていきます。着地型観光とは、着地側が受け入れやすい観光を通じて観光地の人々と観光客の間によいコミュニケーションが生まれるような地域密着の観光のことを指します。コミュニティカフェを経営する、でる・そーれの皆さんと一緒に、現実を見据えながら、奥津軽の「着地型観光」のモデルの一つを作り上げていきます。「机の上だけじゃ学ぶことのできない ここでなければ巡りあうことができない そんな時間と出会いが“ここには”ある」という津軽の皆さんのメッセージの意味を考えていきましょう。

津軽鉄道のストーブ列車に乗車

No.5 演劇ワークショップ「インプロビゼイションを学ぶ」(平野井 ちえ子)

FS演劇ワークショップの第1弾は、「インプロビゼイションを学ぶ」と題し、プロの俳優さんを講師に招いて、身近な日常的コミュニケーションに生かせる演劇メソッドを体験しました。「インプロ」とは、シアターゲームまたはシアタースポーツとも呼ばれるメソッドです。場所は、プロの公演にも使われる素敵なアトリエで、舞台照明、音響設備、壁面ミラーなどを完備した、ちょっとワクワクする空間でした。都内で通いのFSでしたが、みんなあっという間に仲良くなれ、楽しく学べた4日間でした。

No.6 浜松企業のDNAから企業経営の持続可能性とCSRを探る(長谷川 直哉)

日本経済の発展に貢献したトヨタ、ホンダ、スズキなど多くの企業の発祥地である浜松市。今も多くの企業が本社や拠点を置いています。浜松市に本社・拠点がある企業を訪問・見学し、この地に根付く企業の持続可能性に関する秘訣を探り、地方に拠点を置く企業の経営実態を知ることを目指します。事前に企業のCSR報告書を読みCSRに対する理解も深めます

No.7 「開発途上国の人々の暮らしと国際協力の現場を五感で知る ―内戦の遺産と現代カンボジア社会―」 (武貞 稔彦)

カンボジアFSでは、経済協力や援助の対象となっている開発途上国とよばれる国や地域の暮らしと人々について、五感を使って知ることです。今年度は典型的な途上国として想起されることの多いカンボジアを訪問し、現地の現実とイメージの異同について考えます。とりわけ、内戦の遺産である多数の「地雷」が人々の生活を未だに脅かしている現状と、いわゆる「貧困」や「幸福」との関係について、異国人である日本人が理解/想像できる範囲という限界も意識しつつ考えることを目的とします。

カンボジア地雷活動センター(CMAC)博物館を見学

No.8 「開発途上国における生物多様性保全の現場にふれる」(高田 雅之)

南インド西部は世界的な生物多様性の重要地域(ホットスポット)のひとつです。そこで国立公園や自然保護区を訪ね、①生き物の観察を通して豊かな自然環境を理解する力を養う、②観光や森林利用といった開発途上国における人間と自然の関係について考える、③インドゾウを取り巻く環境と文化について理解を深める、ことを目的とし、途上国の視点に立って生物多様性保全のあり方を考える機会としました。さらに歴史・都市・暮らしなど様々な切り口でインドそのものを体感し、自然と社会の両面から、途上国に対する豊かな感性を養うことも大切な狙いのひとつとしました

マハラジャ親族の幼稚園にて南インドの家庭料理を体験

No.9 ドイツ―環境と健康のまちづくり(辻 英史)

ドイツは環境と健康に配慮したまちづくりで知られます。今回は1週間にわたり大都市や旧工業地帯の再開発・自然再生を中心に見学しました。とくにドイツでも有数の工業地帯であったルール地方において、炭鉱や鉱工業の生産施設が操業停止後も産業遺産として観光や地域住民の余暇・文化活動のために再利用されている様子や、かつては工業廃水で汚染されていたエムシャー川流域の300キロにわたる再自然化・再生事業について見学しました。
さらに、ドイツの再生可能エネルギーと電力ネットワーク構築、また大災害発生時の危機管理についてそれぞれ担当する官庁を訪問したほか、サッカー・ブンデスリーガの強豪バイヤー・レーバークーゼンの本拠地スタジアムを訪問し、トレーニングやリハビリのための施設を見学しました。

No.10 オーストラリアン・フィールド・スタディ(AFS):英語と自然環境保護を学ぶ(長峰 登記夫)

オーストラリア北部のクイーンズランド州に2週間滞在し、①オーストラリアの大学で英語を習い、②世界的に貴重で珍しい自然を学び、③オーストラリア人の家庭で過ごします。オーストラリアは環境保護の分野では世界的に知られた国であり、限られた時間の中でも多くの貴重な体験ができるものと期待しています。

Lamington国立公園に生息している野生生物についての講義