東日本大震災と人間環境学部

2011年度

東日本大震災と人間環境学部

とにかく考えてみよう

ドキュメンタリー映画をみて、これからの社会を考える

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大学にいる私たちには、いま何ができるのでしょうか。募金や節電への協力、あるいは被災地の復興支援のためにボランティア活動をする、そうした活動がひとつ考えられます。

上映会場の様子

しかし同時に、変わりゆくこれからの社会の姿について、一人一人が自分の意見を持ち、将来像を作り出していくことも大事でしょう。さまざまな問題について、できるだけ情報を集め、過去を反省し、他の事例に学び、知恵を絞って新しい社会のグランドデザインを描いていく作業が必要になるでしょう。

学生・一般、大勢の参加者がありました

人間環境学部では、このような考えから、教職員と学生の共同企画として「とにかく考えてみよう」という企画を始めることにしました。エネルギー問題について、地域社会のあり方について、持続可能な社会の可能性について、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論しようという催しです。

上映会後のディスカッション

第1回(2011年6月18日)では、『ミツバチの羽音と地球の回転』(鎌仲ひとみ監督、2010年)を上映しました。学生スタッフ20名のほか、学外・学内あわせて150名以上の参加者があり、上映会後は長時間にわたって熱いディスカッションが繰り広げられました。

被災したコーヒー工場からコーヒー豆が届きました

なお、上映会の入場料その他の収入は、映画の舞台となった「祝島千年の島づくり基金」の「祝島自然エネルギー100%プロジェクト」および東日本大震災の被災地義援金として、全額寄付しました。

会場でコーヒーを無料提供

第2回は10月22日(土)に開催予定です。第1回に引き続き、鎌仲ひとみ監督の『六ヶ所村ラプソディー』(2006年)と、映画関係者による講演を予定しています。

第2回(2011年10月22日)は、フィンランドの高レベル放射性廃棄物永久処分場をあつかったドキュメンタリー映画「100,000年後の安全」を上映しました。日本でも、福島第一原発の事故処理に伴う中間貯蔵施設の立地が問題となっている他、青森県六カ所村や北海道幌延町など高レベル放射性廃棄物処理を巡った問題が長い間、議論されてきました。映画上映会後、人間環境学部教員(辻、西城戸)からドイツ、北海道幌延町に関する情報提供もなされ、高レベル放射性廃棄物に関する議論が活発に行われました。なお、参加者は第1回目よりは減ってしまいましたが、学内外から100名以上の参加がありました。

第2回人間環境特別セミナー

被災地の復興支援のボランティア活動

3月11日の東日本大震災では、法政大学の多くの教職員・学生が直接・間接に影響を受けました。その後もテレビなどで伝えられる被災地の有様を見て、何とかしなればいけない、何か助けになることをしたい、という声が高まっています。

人間環境学部では、宮城県石巻市において、NPO法人PARCICと提携し、特別フィールドスタディとして震災ボランティア活動を実施しました。2011年夏は、14名の学生が参加しています。参加者は、2度の事前学習会に参加し、震災の全体像や、活動場所についての知識を深めます。ロールプレイングゲームなどを通じてボランティア活動の難しさや、支援をおこなうことの意味について考えるなどの経験を積んだ後、第1次(2011年8月6日~13日)・第2次(同8月15日~22日)の2グループに分かれて、それぞれ1週間にわたって現地に泊まり込み、被災した家屋の片付けの手伝いの他、コミュニティカフェ・おちゃっこの開設準備などを行いました。

また、10月22日には、NPO法人PARCIC代表の井上礼子さんをお招きして、震災ボランティアについての公開事後学習会を開催しました。ボランティアの具体的な実践の中での反省、ボランティアの実践から見えてきたボランティアや地域社会に関する課題、今後の問題提起などが議論されました。ボランティアの規模が大きすぎると小回りがきかなくなる反面、人出がいればもっと細かい支援ができるはず、もっと支援が必要だという参加学生の話が印象的でした。

この報告会の参加者の中から、11月2日~6日かけて、NPO法人PARCICのコーディネートのもと、石巻へのボランティア派遣を行いました(人間環境学部学生6名が参加)。当初予定していた、ワカメの種付けボランティアは都合でできませんでしたが、おちゃっこの活動、片付け、炊き出しなどを行いました。参加学生は、東日本大震災から8ヶ月が経った時点でも、現地は震災が終わっていないということを実感する一方で、他のボランティアの方や現地の方との交流から、これからも支援を続けていく決意を持ったようです。

法政大学人間環境学部では、NPO法人PARCICと連携しながら、今後とも石巻市の復旧・復興に向けたさまざまな活動に対して、継続的に関わっていくつもりです。関心がある方の参加をお待ちしております。

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震災フィールドスタディin 石巻(2011年8月・第一次隊・二次隊)

震災ボランティア派遣(2011年11月2日~6日)

北上町十三浜漁村復興支援・トーク&ライブ

2012年2月に、PARCICと共同して、北上町十三浜漁村復興支援として、トーク&ライブのイベントを開催しました。

法政大学人間環境学部では、1で述べてきたように、宮城県石巻市において、NPO法人PARCICと提携し、震災ボランティア活動を実施してきました。2012年2月に、PARCICと共同して、北上町十三浜漁村復興支援として、トーク&ライブのイベントを開催しました。宮城県漁業協同組合北上支所委員長の佐藤清吾さんのお話(『十三浜の漁師たちの被災と立ち向かう』)と、北上町で長年、ライブ活動を続けてきた、渋谷修治とゆかいな仲間たちによるライブです。震災以降、石巻市北上町の方々が、どのような思いを抱いてきたのか、北上町の現在と未来について、歌とお話を通じて、考える機会を持ちました。当日は、天候が悪い中、100名以上の方にお越しいただきました。

北上町十三浜漁村復興支援・トーク&ライブ