東日本大震災と人間環境学部

2022年度

東日本大震災と人間環境学部

1.とにかく考えてみよう

人間環境学部では、教職員と学生の共同企画として「とにかく考えてみよう」という企画を実施しています。エネルギー問題について、地域社会のあり方について、持続可能な社会の可能性について、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論しようという催しです。

第22回「人間環境学特別セミナー:とにかく考えてみよう(トニカン)」開催報告

 法政大学人間環境学部では、2011年の東日本大震災以来、教職員と学生による共同企画として、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論をおこなう、「法政大学・人間環境学特別セミナー:ドキュメンタリー映画を見て、震災後の日本社会を考える(通称「トニカン」)」という催しを続けてきました。
 第22回目は、映画に代えて外部講師をお招きし、対面方式(学生および教員のみ、外部の方はオンライン参加)で講演会とトークショーを行いました。お招きしたのは、チェルノブイリ原発事故後のベラルーシで医療支援活動にあたった菅谷昭氏(現・松本大学学長)です。菅谷氏の活動はドキュメンタリー番組『プロジェクトX 挑戦者たち チェルノブイリの傷 奇跡のメス』などで紹介されています。
 当日(7月2日)は、まず菅谷氏に「スラブ族の人々と関わって:ベラルーシでの医療支援活動、そしてロシアのウクライナ軍事侵攻」というタイトルのご講演をいただき、その後、学部教員の金光秀和と吉永明弘とともにトークショーを行いました
 講演では、ロシアのウクライナ軍事侵攻の背景について説明があり、続けてチェルノブイリ原発事故の5年後(1991年)と、30年後(2016年)のベラルーシのようすが語られ、そこから見えてくる福島第一原発事故後の日本の課題が示されました。
 トークショーでは、菅谷氏がベラルーシでの医療支援活動を始めたきっかけや心境について、原発事故に関する情報公開のあり方について、現在のチェルノブイリの自然環境のようすについて、被ばくした子どもの保養の必要性について、原子力発電の今後について、といったさまざまなテーマについて議論が交わされました。
 会場には約40名、オンラインでは約35名の参加があり、終了後には、2時間で終わるのでは足りない、もっと話を聞きたかった、との声が寄せられました。