2012年度

ボランティアは何ができるか?

2012年11月08日

2012年度

石巻のフィールドスタディの経験をもとに、簡単であるが被災地ボランティアについて私の考えたことを述べてみたい。
震災から一年半ほどが経過したが、現地に来るボランティアの人数は確実に減ってきてしまっているそうだ。自分もそのように感じた。去年参加したときは、震災ボランティアが供給過多ですらあったというのに……。
人々の記憶から、あの震災が良い意味でも悪い意味でも薄れてきているのかもしれない。被災地の人々ですら、少しずつあの日のことを語れるようになってきているのだから、おそらくそれは確かなことだ。
関東や関西の人々が震災を忘れるということは、今までボランティアという形で東北と繋がっていた人々が減るということに直結する。 
ボランティアがやるべき仕事は一見たしかに減ってきているように見える。震災直後は被災した建物の掃除や解体、倒れた墓石を起こすなど、たくさんの作業があったのだが、様々な人々の協力の結果、復興は着実におこなわれてきている。だから、震災当初のボランティアという意味でのボランティアの仕事は、最早ほとんどなくなっている。 
しかし、いま被災地で求められているボランティアの形とはそういったものだけではない。 
例えば、今回私がフィールドスタディでおこなった活動には、現地の子供たちと一緒の学習支援、十三浜の音楽フェスタの手伝いなどが含まれている。 
昨年私が石巻を訪れたときと比べて、求められていることは大幅に変わっているのだ。 
単純な話、いま私達が被災地に対して出来る一番有効なことは、実際にその場に赴くことだ。ボランティアでなくてもいい。観光でもいいし、被災地の友人を訪ねるのでもいい。仮設住宅や、限界集落のように人が少なく変化があまりない所に、その土地の物産を買うでもいし、世間話に興じるでもいし、とにかく外部から人が行くことで空気の流れを変えていくことが大事だと思う。また、音楽であれ絵であれ、個人の得意なことを通じて現地の人びとと楽しく交流するのもいいだろう。 
もし、あなたに時間があるのならば、ボランティアとしてはもちろん、観光客として東北を訪れてみては如何だろう? 

  • 十三浜の音楽フェスタにて ヨーヨーすくいの出店を出しました。楽しませることもボランティアの仕事♪

  • こちらも音楽フェスタ 歌でみんなを喜ばせていました。他にも日本フィルハーモーニーの方達がボランティアコンサートをしていました。

  • 金沢大学の先生が進めていらっしゃる園芸セラピー 庭いじりすることで心の充足をはかるそうです。