東日本大震災と人間環境学部

2016年度

東日本大震災と人間環境学部

とにかく考えてみよう

人間環境学部では、教職員と学生の共同企画として「とにかく考えてみよう」という企画を始めることにしました。エネルギー問題について、地域社会のあり方について、持続可能な社会の可能性について、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論しようという催しです。

石巻フィールドスタディ:震災と地域再生-石巻市内と北上町の震災復興の現在-

人間環境学部では、宮城県石巻市において、NPO法人PARCICと提携し、フィールドスタディとして震災ボランティア活動を続けています。

人間環境学部では、東日本大震災以降、石巻市市街地や、石巻市北上町において、NPO法人パルシックの協力のもと、震災ボランティア活動を行ってきました。2016年度は、We are one北上、みやぎ連携復興センター、NPO法人サポート石巻、北上町復興応援隊などの協力のもとに、「震災と地域再生-石巻市内と北上町の震災復興の現在-」と題したフィールドスタディを2016年8月に実施しました。

石巻市街地、北上町、女川町の復興の状況を目の当たりにして、現状の復興は決してうまくいっていない、本当の復興にはまだ時間がかかること、そのためには震災ボランティアのあり方、人間関係の重要性など、ハード面の復興だけではなく、ソフト面の復興がより重要になってくることがわかります。そして、東北の復興に対して、学生自らや外部の主体がどのような役割を果たすべきなのか、また、記憶伝承や語り部の存在をどのように位置づけるべきかといった課題を見いだすことができました。

2017年度も石巻フィールドスタディを通じて、震災復興と地域再生のあり方を、人間環境学部では考えてきます。

人間環境学部FSRフォーラム

FSRとは、CSR(企業の社会的責任)という考え方をふまえ、人間環境学部が学部のポリシーとして果たすべき社会的責任を表明するための造語です。

2016年度秋学期の人間環境セミナーでは、首都圏の生活クラブ生協協同組合による連続講座「サステイナブルな社会と協同組合」を実施しました。その中の3回の講義を第5回人間環境学部FSRフォーラム「東日本大震災と生活協同組合―生活クラブ生協の実践に学ぶ」として実施しました。

  • 第1回(11/17)「コミュニティ・防災・減災の取組みと居場所づくり」小林徹也(生活クラブ東京・たすけあい事業部長)
  • 第2回(12/1)「生活クラブ風車建設を通じた地域間連携と電気の共同購入・エネルギー政策」半澤彰浩(生活クラブ神奈川専務理事)
  • 第3回(12/22)「東日本大震災復興支援の取組みと原発事故による放射能問題への対応」土谷雅美(生活クラブ東京・理事長)

シンポジウム「震災から6年、広域避難者の生活と支援を考える」

2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原発事故によって、数多くの方が故郷を追われ、今なお、避難生活を続けています。これまでの県外避難者支援の活動を振り返り、今後の県外避難者やその支援のあり方について、さまざまな立場の方と一緒に考えす。

震災から6年を経ようとしている現在、福島県浜通りでは、浪江町や富岡町が平成29年度の避難指示解除に向けた取り組みを加速し、コンパクトシティや生活拠点が整備されつつあります。また、一昨年避難指示が解除された楢葉町、昨年解除された南相馬市小高区では「市民・町民帰還は10%を超えた程度」とも言われています。浜通りで生活を再開するには何が必要なのか、「帰還」はあきらめていないものの当面は避難先で生活する以外に選択肢がない方には何が必要なのか、考えていく必要があります。
他方で、避難指示区域外からの自主避難者への借り上げ住宅提供は2017年3月で終了し、避難指示区域の方々の住宅提供も遠くない時期に終了が予想されます。こうした方々が生活困窮に陥らず、次の生活に移行できるように、避難先の自治体・市民ができることを考えていく必要があります。原発事故による避難者の問題は、そう簡単に解決できるものではありません。
このシンポジウムでは、福島大学の今井照先生に基調講演をいただくとともに、これまでの県外避難者支援の活動を振り返って、今後の県外避難者やその支援のあり方について埼玉県内の自治体職員や一般市民の皆様と一緒に考える機会にしたいと考えています。

人間環境学部では、上記のシンポジウムの後援を行いました。