2013年度

明るさの回復のために

2013年10月21日

2013年度

今回のフィールドスタディーを通じて、被災地の人々の明るさに驚いた。現地に来る前は彼らとどのように接したらいいか不安が多かったけれども、実際に話をしてみると明るく気さくな方々ばかりで心配は吹き飛んでしまった。震災から二年経過したが現地の傷跡はいまだ生々しく残っている。そんな中でも前向きな考えを持ちつつ、今後の生活や将来を見据えている。彼らは二年という時間を思い思いに過ごし、心の整理を進めてきた。かつては生きてゆくだけで精いっぱいだった時期もあったが、今となってようやく現実を直視できるようになれたという。失ってしまったものを改めて実感し不意に寂しく感じることもあるが、それでも毎日を精一杯頑張って生きている。想像を絶するような辛い経験をしたけれども、それを乗り越えた彼らは本当の意味で回復に向かっているように感じた。
だが会うことができた人々だけが被災地に住むすべての人ではない。もちろん人前に出たくないないほどの精神的苦悩を負っている人もいるだろう。今回訪れた仮設住宅「にっこりサンパーク」は仮設住宅の中でも例外的な明るさを持った場所だといわれている。その他の仮設住宅は訪れることができなかったので詳細はわからないが、今でも心の傷が癒えない人たちもたくさんいるだろう。そのような人たちが「にっこり」の方々のように少しでも回復に向かうにはどうしたらよいのか。
今回のフィールドスタディーは生業の再創出と学習支援が目的であった。けれども終始疑問に思ったことは被災地に住む人たちの心の回復についてだった。仮設住宅に住み、ストレスの多い生活の中でどのようにして「にっこり」の人たちは回復していったのか。なにが他の仮設住宅と異なっていたのか。そのことを突き詰めていけばでも、心の回復に必要なことが少しでもわかってくるかもしれない。今後もボランテイアを通じてこの問題を解決するためにすべきことを模索していきたい。

プレーパークのあそぼッカー

プレーパークのあそぼッカー