東日本大震災と人間環境学部

2012年度

東日本大震災と人間環境学部

とにかく考えてみよう

人間環境学部では、教職員と学生の共同企画として「とにかく考えてみよう」という企画を始めることにしました。エネルギー問題について、地域社会のあり方について、持続可能な社会の可能性について、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論しようという催しです。
2012年度の「とにかく考えてみよう」企画(人間環境特別セミナー)は、放射線の問題、原発避難者の問題について、ドキュメンタリー映画を見ながら考えるという企画を行いました。
前期に3回連続シリーズを行い、後期に第6回のセミナーを行いました。それぞれ実施した内容を以下に掲載いたします。

ドキュメンタリー映画を見て、震災後の日本社会を考える。

東日本大震災から2年がたちました。法政大学人間環境学部は震災後の日本社会の姿について考える取り組みを続けています。

教職員と学生の共同企画である人間環境学特別セミナー「とにかく考えてみよう」は、ドキュメンタリー映画を見て、ともに議論する催しです。これまで『ミツバチの羽音と地球の回転』、『内部被ばくを生き抜く』(ともに鎌仲ひとみ監督)、『100,000年後の安全』、『Nuclear Nation』『第4の革命』といった作品を上映したほか、監督や関係者を招いてパネルディスカッションを開催しました。第7回目の今回は、2005年にイギリスで始まった地域社会活性化の取り組みであるトランジション・タウン運動を扱った「In Transition 2.0」を通じて、新しいコミュニティのあり方や人びとのつながり方について考えます。

『In Transition 2.0』  上映会とディスカッション
*** プログラム ***  
15:10 開会
15:15 映画上映開始
16:30 休憩
16:45 講演――加藤俊嗣氏(NPO法人トランジション・ジャパン)
17:15 コメント――安岡宏和(法政大学人間環境学部)
17:30 ディスカッション――司会:辻英史(法政大学人間環境学部)
18:15 閉会 

日 時:2013年7月20日(土) 15:10~
場 所: 法政大学市ヶ谷キャンパス・外濠校舎S505教室
入場料: 人間環境学部学生は無料、一般の方は300円(ただし、震災復興支援のため全額寄付します)
お問い合わせ:法政大学人間環境学部(担当:辻、西城戸、武貞)
E-mail: tonikan@inter7.jp
03-3264-4909

宮城県石巻市北上町への支援活動

法政大学人間環境学部では、昨年度は宮城県石巻市において、NPO法人PARCICと提携し、フィールドスタディとして震災ボランティア活動を実施しました。
2012年度も「生業を中心とした地域社会のレジリエンス形成」というフィールドスタディを開催し、石巻市十三浜地区の農業・漁業支援を中心としたボランティアを通じて、地域社会のレジリエンス(回復力)に関する学習を行います。
石巻でのフィールドスタディは、8月4日から10日、8月19日から25日の2回実施いたしました。その様子については、参加学生によるレポートを公開しておりますので、関心がある方は、是非、ご覧ください。(ページの下部にございます)

法政大学人間環境学部では、昨年度は宮城県石巻市において、NPO法人PARCICと提携し、フィールドスタディとして震災ボランティア活動を実施しました。

2012年度も「生業を中心とした地域社会のレジリエンス形成」というフィールドスタディを開催し、石巻市十三浜地区の農業・漁業支援を中心としたボランティアを通じて、地域社会のレジリエンス(回復力)に関する学習を行います。

石巻でのフィールドスタディは、8月4日から10日、8月19日から25日の2回実施いたしました。その様子については、参加学生によるレポートを公開しておりますので、関心がある方は、是非、ご覧ください。

参加学生による活動報告書

人間環境学部では、宮城県石巻市において、NPO法人PARCICと提携し、特別フィールドスタディとして震災ボランティア活動を実施しました。今回は参加した学生による報告書を紹介いたします。

東日本大震災復興支援事業報告会-北上町の今とこれから-

東日本大震災復興支援事業報告会を開催します。

2011年3月11日の東日本大震災から、2年が経とうとしています。震災直後、がれきの山だった当時からは街の風景が変わり、復興が進んでいることを感じますが、その一方で、長引く仮設住宅での暮らしや、地域での就業機会の不足など、これからの課題もまだ多くあります。パルシックは、宮城県石巻市北上町で、ワカメ養殖支援、仮設住宅近くでの共同農地の運営、かわら版発行によるコミュニティ復興支援などを行ってきました。地域の皆さまと一緒に、北上町の農漁業の復活を目指して日々活動しています。2年館の報告を、現地で活動に加わってくださっているお母さんたちの声とともに、お伝えします。新鮮なワカメしゃぶしゃぶの試食や、海産物の販売も行います。

日時  :2013年3月2日(土)13:30会場 14:00開始
会場  :築地本願寺 本堂講堂
参加費:1,000円(資料代、試食代含む)
共催  :特定非営利活動法人パルシック
      特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
      法政大学人間環境学部

  • なお、法政大学人間環境学部生は参加無料です。

  参加を希望する場合は、下記までご連絡をお願いします。

mail: jkankyo@hosei.ac.jp

3/2のイベントの報告

法政大学人間環境学部が、震災後からボランティア、フィールドスタディーの受け入れ組織として活動されている、NPO法人パルシックの事業報告会がありました。ボランティアスタッフも含めて、50名ほどの参加者がありました。

 法政大学人間環境学部教員の西城戸が、「北上町の復興のいま」というテーマで、北上町の概況と、復興の状況(防潮堤の建設計画、高台移転など)と課題について、また、農業と漁業を結びつける漁農連携の重要性と、そのために交流人口を増やす着地型観光の可能性について講演しました。なお、パルシックも、法政大学人間環境学部も 2013年度から、それぞれ北上町でのスタディーツアー/フィールドスタディを企画しています。

その後、復興応援隊の日方さんからパルシックの漁業支援の概要が話され、北上町十三浜大指の「鵜の助」方から、女性の視点から見た震災の状況、今後の活動についてのトークが行われました。震災直後の話については涙無しでは聞くことができませんでしたが、皆さんのお話には今後の展望について強い意志が感じられました。

休憩時間に、新鮮なワカメのしゃぶしゃぶをいただきました。このワカメは、早朝に、講演に来られた「鵜の助」のご主人たちが取っていただいたものを、東京に運んできたものです。ワカメをしゃぶしゃぶにした時に、鮮やかな緑色になることを学生たちは驚いていました。

報告会の後半は、パルシックの西村さんと、にっこり団地(仮設住宅)に住みながら、農園で農業を続けているお二人の女性の話を伺いました。この農業支援に関しては、昨年夏に、フィールドスタディとして参加した法政大学人間環境学部の学生が関わっています。フィールドスタディに参加した学生と、パルシックの方、北上町の方との再会もあり、北上町という場所での出会いによる「絆」を再確認しました。

震災後2年が経とうとしています。復興の道のりはまだ長いと思われますが、継続的な関わりの中から、北上町らしい生業復興の道をともに歩んでいきたいと考えています。

(法政大学人間環境学部 西城戸)