この研究会では、日本の歴史を「人と自然の関わり」から読み解きます。参加者が自ら「問い」を立て、歴史学などの方法を用いて各自の「答え」を導き出し、共に議論する時間を大切にしたいと思います。皆さんも、過去の人びとが記した古文書を紐解き、「人と自然の関わり」を軸に日本史を描いてみませんか。
―「問い」の例―
・これまで人は、どのように「自然資源」を活用し、暮らしてきたのだろうか?
・これまで人は、どのように「自然災害」に向き合ってきたのだろうか?
・「人と自然の関わり」のなかで、どのような「文化」が創り出されてきたのだろうか?
①春学期前半:文献の輪読と発表
②春学期後半:グループワークによる調査と発表1
③夏休み :フィールドワーク
④秋学期前半:個人による調査と発表
⑤秋学期後半:グループワークによる調査と発表2
2024年度の春学期には、ゼミメンバーの関心に基づき、都市江戸の暮らしと富士山信仰の歴史をテーマとしてとりあげました。文献の調査だけでなく、関連する史跡などでフィールドワークを実施しました。これらの成果をレジュメにまとめて発表し、それぞれの関心に即して議論しました。
夏休みには、各メンバーが自由に「問い」を立て、フィールドワークに出掛けました。秋学期にはその成果を共有し、互いの意見を尊重しながら質疑討論することを通じて、豊かな歴史像の構築を目指します。
・中西聡編『近代吉野林業と地域社会―廣瀬屋永田家の事業展開―』日本経済評論社、2024年(第3章)
・高橋美由紀編『現代社会を考えるための経済史』創成社、2023年(第10章)
・芳賀和樹『御山守の仕事と森林コントロール』徳川林政史研究所、2020年
・地方史研究協議会編『日本の歴史を解きほぐす―地域資料からの探求―』文学通信、2020年(第6章)
・徳川林政史研究所編『徳川の歴史再発見 森林の江戸学』Ⅱ、東京堂出版 2015年(総説など)