お知らせ

人間環境学部 長谷川ゼミが「第20回日経STOCKリーグ」で全チーム入選 -2011年初挑戦以来、9年連続入選-

  • 2020年05月22日
お知らせ

 人間環境学部 長谷川直哉教授ゼミの学生4チームが「第20回日経STOCKリーグ」(主催:日本経済新聞社、特別協賛:野村グループ、後援:文部科学省、金融庁他)で、昨年に引き続き全チーム入選を果しました。今回の大学部門入選率は4.2%(入選33チーム/参加781チーム)です。長谷川ゼミはゼミ創設以来9年連続の入選です。(過去の入賞暦:2013年度最優秀賞・金融大臣賞、2014年度審査員特別賞、2015年度大学部門敢闘賞、2018年度アイデア賞)
 昨年度に引き続き、国内および外資系企業での豊富な勤務経験をお持ちであるSCOPE(Sustainability Co-creation Programme)担当の竹原正篤准教授のサポートを頂き、例年になく質の高いレポートを完成させることができました。入選した4チームを紹介します。

テーマ:ビジネスオポチュニティは〈消費者かんばん方式〉にあり
~「モノの所有」から「モノの利用」への消費者価値観の変化を掴め~

 チーム「すやまと愉快な仲間たち」(須山怜央・3年リーダー、氏平杏里紗・3年、黒澤明広・2年、高橋奏・2 年、船橋玲志・2年)は、ネット社会の浸透によって、モノはいつでも手に入るようになり、苦労してモノを手に入れる時代が過ぎ去ったことに注目しました。
 消費者ニーズは多様化し、必要なモノを必要な時に必要なだけ利用することを求めるようになった風潮を「消費者かんばん方式」と定義しています。これは、トヨタ自動車のかんばん方式になぞらえたもので、作り手である企業から消費者主体のビジネスモデルへの変化を先取りした企業が次世代をリードすると主張していま。
 リーダーを務めた須山さんは、「私たちの論文は、消費者価値 観が所有から利用へと変化している消費形態を「消費者のかんばん方式」と定義し、この潮流の中でビジネスオポチュニティを創出している企業にフォーカスしました。論文を執筆する過程で様々な困難がありましたが、どんな時も明るくポジティブなチームメートのおかげで最後までやりきることができました。ヒアリングに応じてくださった企業の皆様に深く御礼申し上げます」と語っています。

入選チーム「すやまと愉快な仲間たち」(左から高橋さん、氏平さん、須山さん、黒澤さん、船橋さん)

テーマ:ファミリービジネスから学ぶ持続的成長の秘訣-ショートターミズム克服の処方箋-
 チーム「ももたろうさん」(樋口暉・3年リーダー、川島爽花・3年、阿部佳太・2年、當波理菜・2年、野々下貴文・2年)は、ファミリービジネスが長期間にわたって優れた持続的成長力を維持していることに着目し、ファミリービジネスから持続的成長の要素を抽出し、ポートフォリオ企業を選定しました。
 リーダーを務めた樋口さんは「私たちは、ファミリービジネスが一般企業よりも長期的に企業価値を高めているという点に気づきし、ここに持続的な成長を遂げる秘訣があるのではないかと考えました。活動の一環として、テーマに関する理解を深める為に、専門家や企業に対して行ったヒアリング調査では、新しい視点や考えを得ることにつながりました。論文の完成に至るまで、様々な課題に直面しましたが、活動を支えてくださった企業の方々に心からの感謝を申し上げます」と語っています。

入選チーム「ももたろう」(左から阿部さん、樋口さん、川島さん、當波さん)

テーマ:ガバナンス力が「稼ぐ力」呼び起こす-ハイブリッド・ガバナンスが生み出す経営力-
 チーム「ねこのて」(山田湧・3年・リーダー、田上紗季・3年、中山結子・2年、西村拓朗・2年)は、経済価値の向上を支えるコーポレート・ガバナンスと、社会価値の向上に資するソーシャル・ガバナンスが相補的に機能することで、サステナビリティに裏付けられた稼ぐ力を生み出す糸口となると主張しています。
 リーダーを務めた山田さんは、「私たちが提唱したハイブリッド・ガバナンスとは、コーポレート・ガバナンスと気候変動などの社会環境の変化や企業を取り巻くステークホルダーとの対話を重視した「ソーシャル・ガバナンス」を融合させ、持続可能な社会にマッチさせたガバナンスシステムです。優れたガバナンス力を持つ企業が、日本の未来を牽引していくことを期待したいと思います」と1年間の取り組みを振り熱く語っています。

入選チーム「ねこのて」(左から中山さん、山田さん、田上さん)

テーマ:拡大均衡-Investing for the future-
 チーム「Expander」(松岡修司・3年・リーダー、相澤友香・3年、梅野夏子・3年、新橋華、戸笈大智・2年)は、「M&Aを活用した拡大均衡経営を展開し、新たなビジネスオポチュニティの創出を通じて、長期的に企業価値を向上させていく企業」の選定を行いました。「拡大均衡」というテーマには、「縮小均衡」経営の袋小路から抜け出し、「知の融合」を通じて日本企業の持つ優れたナレッジを活用してもらいたいという期待が込められています。 
 リーダーを務めた松岡さんは、「拡大均衡経営を通じて多様なナレッジを取り込み、企業価値の向上を志向している企業に着目し、研究を進めてきました。今年の税制改正では拡大均衡経営のカギとなるM&Aに対する支援策が目玉の一つとなっており、人間環境学部らしさを追求しつつ、今日的なテーマの論文であったと思います。チームメンバー全員が主体性をうまく生かし、論文をより良いものにしようという思いが今回の入選に至ったと思います」1年間の取り組みを振り返っています。

入選チーム「Expander」(左から新橋さん、松岡さん)

  • 入選チーム「Expander」相澤さん

  • 入選チーム「Expander」梅野さん

  • 入選チーム「Expander」戸笈さん

 日経STOCKリーグは、中・高・大学生を対象にしたレポートコンテストで、各チームが自主的に定めた投資テーマに沿ったポートフォリオづくりなどで「生きた経済を体験し、学び、考える」株式学習コンテスト。20回目を迎えた今年度は、大学部門で127校,781チーム,3,225人が参加しました。

参照WEB
https://manabow.com/sl/result/20/index.html

長谷川 直哉教授