な行

根崎ゼミ

な行
ゼミテーマ
  • 地域環境の歴史学的アプローチ
担当教員
  • 根崎 光男

ゼミ概要

根崎ゼミは、地域の歴史をベースに地域の環境を考える研究会です。その内容は、地域環境の歴史探求と歴史遺産(史跡・祭り・伝統的建造物・歴史的環境)の維持保全の考察に大別されます。具体的には、地域環境史の掘り起こしや、祭りや里山・棚田、歴史的な町並みの維持保全、さらには歴史や文化を生かしたまちづくりを考えることを対象にしています。自然や地域の環境は人社会の営みと密接に関連し、人社会を律する仕組みや思考が色濃く反映されています。その関係は、それぞれの時代・地域によって異なり、それが時代性や地域性を形作ることにもなりました。そうした歴史認識のもとで、新しい地域環境像を考えていくのが本研究会の目指すべき目標です。

 

ゼミ風景

ゼミ風景

ゼミの詳細

根崎ゼミでは、学期ごとに古地図などを携えながら大学周辺の歴史散策を行っています。歴史の研究は地域を歩くこと、地域の歴史資料(活字史料・古地図・聞き取りなど)を集めることからはじまります。そして、資料を読み・分析し、論理的な組み立てを考えたうえで、学期ごとに報告するという形で進んでいきます。その最終形が「研究会修了論文」「研究会レポート」として結実します。さらに、授業外の活動として、懇親会とゼミ合宿があり、これらはゼミ生の場所選定などにより実施されています。

  • ゼミ合宿(2019年度Aゼミ、鬼怒川駅前) 

  • ゼミ合宿(2019年度Bゼミ、富岡製糸場)

  • 大学周辺歴史散策

根崎ゼミの個人研究テーマは幅広く多彩

根崎ゼミでの個人研究テーマには、さまざまなものがあります。ゼミ生各自の興味・関心に沿って、何でも取り組めます。そこで、これまでのゼミ生が取り組んでいたテーマをいくつか紹介します。

1.地域の歴史を掘り起こし、その歴史や伝統文化の地域的特色を考えます

①「人と動物との関係史」をテーマとした学生は、犬を事例に、犬が単にペットとしてだけでなく、神の使い、食料、犬の腹帯などの民俗学的利用、また歴史的に狩猟犬・警察犬・盲導犬などとしても用いられていたことをまとめました。
②「人と川との歴史的かかわり」をテーマとした学生は、目黒川を事例に、多くの水車が稼働していたことを調査し、精米・製粉、また田んぼへの揚水が行われ、明治時代になるとガラス磨き、墨汁製造などが行われていたことを追求しました。
③「近世の庶民生活と正月行事」をテーマとした学生は、横浜市域の庶民生活のありようとともに、門松・左義長・正月飾り・鏡餅・正月料理などの正月行事を調べ、都市部や農村部によって大きな違いがあることを明らかにしました。
④「江戸の行動文化」をテーマとした学生は、江戸の町の名主日記を紐解き、江戸の人々は自らや主君の菩提寺への墓参り、浅草寺などへの参詣、四季折々の花見、夕涼み・紅葉狩りなどのために、各地の名所巡りをしていたことをまとめました。

2.祭り・文化財などの維持保全、歴史文化を生かしたまちづくりを考えます

①「伝統的祭礼の維持保全」をテーマとした学生は、その歴史を調べたあと、祭りの運営者に聞き取り調査をおこない、祭りへの協力者が減少していることを聞き、今後、維持保全していくための対策と課題をまとめました。
②「千葉市域の歴史的建造物の保全」をテーマとした学生は、大正・昭和前期に建築された歴史的建造物をどのように維持保全していったらよいのかを、エコミュージアムの手法を用いて行政と住民が一体となった協働型の維持保全策を提言しました。
③「川越市の伝統的建造物群の保全と対策」をテーマとした学生は、交通渋滞で観光客がのんびり観光できない状況に鑑みて、行政・NPO活動・住民の協働による交通渋滞の緩和に関するいくつかのアイデアを構想しました。