学部独自の取り組み

社会人リフレッシュ・ステージ・プログラム(RSP)

学部独自の取り組み

2020年度入試出願期間:10月15日(火)~10月25日(金) 

持続可能な社会を共創しよう −−100年先の社会を今からみんなで創っていく−−

私たち人間環境学部が2019年度から開設した「社会人リフレッシュ・ステージ・プログラム(略称RSP)」は、学部創設(1999年)以来重ねてきた社会人教育の経験をもとに、新たに用意した学士取得プログラムです。さまざまなライフ・キャリアを歩んでこられた社会人のみなさんに、今まで以上に自由度の高い“新たな学び”の環境と、多様な入学経路の学生同士の“交流”の場を提供し、その成果が人生の「リフレッシュ・ステージ」になるように、との願いをこめてスタートしました。

社会人リフレッシュ・ステージ・プログラム

RSPの目的

「持続可能性(サステイナビリティ)」という21世紀の最重要課題について、専門的かつ多様な学びを求める社会人を対象に、高い見識をもった職業人、人生の新たなステージを踏み出す人材、発想力豊かで深い考察力を持った自立した市民などの養成を目的とします。

RSPの特色

  1. 新分野へのチャレンジ
    社会人の皆さんのこれまでのキャリアを活かしつつ、新たな領域の専門性と応用力を獲得することによって、つぎのステージへと踏み出すために必要な総合的な課題解決能力を涵養します。
  2.  新時代のニーズへの対応
    「人生100年時代」といわれる超長寿社会―「ライフ・シフト」の時代-の到来を見据えて、“マルチステージの人生”を実践するという社会的ニーズに対応したプログラムを目指しています。今までは、人生において「教育→しごと(or子育て)→引退」の順に、同世代が同じステージを一斉進行する時代だったといえますが、今後は、多くの人が自身の計画で転身を重ねることが可能で、複数のキャリアを経験できる“マルチステージの人生”の時代が到来します。これが「ライフ・シフト」であり、RSPは、自分と世界を再発見し、新たな技能や人脈、心身の健康(活力)などを充実させようとしている方々に最適です。「リフレッシュ・ステージ」という名前の意図も、ここにあります。
  3. 多様なコミュニティ間の交流/共創の場の提供
    RSPでは、社会人どうしの交流はもちろんのこと、一般の学生と同じ教室で学ぶことにより、異なる世代との交流/共創活動の機会を提供します。本学部は、一般入試のほかにも、自己推薦入試、留学生入試、SCOPE(英語授業による学位コース)入試など、多様な入試経路による入学者が集まる点に特色があります。社会人RSPの皆さんも、そのダイバーシティ(多様性)を豊かにしてくれる集団の一つです。多様なコミュニティの交流やお互いの刺激から生まれる「共創」の可能性を、私たちは大事にしたいと思っています。
    「学際的」な学びの成果を社会で実践するのに必要な資質として、専門分野を異にする人々どうし、また世代や文化が異なる人々どうしの「協働」、「共創」の能力が、今後いっそう求められます。キャンパスの同じ教室で、そして社会における現場体験実習科目で、多様な人々どうしの交流を重視するのは、このためです。
RSPの特色

RSPに好適な社会人像

RSPは、22歳以上の社会人で、昼間時間帯に通学可能なことを条件として、主に次にあげるような方々を対象としています。

  1. 一定の年数の職業キャリアを経て、キャリアアップ、キャリアチェンジなどを目指している方
  2. 改めて学びを深化させ社会に貢献しようとする意志をもった方
  3. 定年退職者や早期退職者、子育てなどを終えたアクティブ・シニアやアクティブ・ミドルの方
  4. その他プログラムの目的・趣旨に合致する方

RSPカリキュラムの概要

個々の授業は多くを一般学生用の授業と共有しますが、幅広い年齢層や多様なキャリアを持つRSP生が自らの目的・問題意識にしたがって、自由かつ領域横断的に学べるカリキュラムが編成されています。

  1. 導入教育の仕組み
    「人間環境学への招待」などを含む「リテラシー科目」により導入教育が行われます。ここでは、学部教育の全体像を理解し、学部専門教育を修得するためのリテラシー能力を高めながら、自らの目的意識、問題意識に沿った専門的な学習の方向性を模索します。学部の専門教育と並行しながら、教養科目を履修することにより、幅広く深い教養および総合的な判断力を培い、より豊かな人生を送るための基礎を習得します。
  2. 専門教育課程の編制と特色
    持続可能性とは何かをさまざまな学問領域を連関させながら考え、課題解決を模索するための専門科目が体系的に構成されています。そこでは、社会科学・人文科学・自然科学の科目群を組み合わせながら、学習することができます。
    社会連携探求科目(フィールドスタディ、人間環境セミナーなど)では、現場における課題やそれらに携わる人々、異文化に属する人々など多種多様なステークホルダー、コミュニティとともに学び、学際的なアプローチがさまざまな「現場」で必要なことを実感します。現場体験で生まれる相互交流は、新たな価値を共創し新たな社会を構想するためのきっかけとなります。
    学部を越えてより自由に学習を行えるように、他学部の公開科目などを幅広く履修できる「自由科目」枠もあります。
RSPカリキュラムの概要

RSPカリキュラムの概要

履修のための指針

人間環境学部では一般学生のカリキュラムとして「コース制」がありますが、RSPでは、自分の目的にそって自由度の高い科目選択ができるよう、コース制は採用していません。ただ、「道しるべ」として、一般学生のコース制を参考にしながら、独自の学習計画を作ります。
コース制とは、学際的な幅広いまなびの中でも、専門性を身に付けるために「軸」とする領域を定めるための履修のしくみで、一般学生は1年生の学年末に、5つ設定しているコースの中から1つを選ぶことになっています。RSPでは前述のように、このコース選択はしませんが、学際的なまなびの道標、ガイドラインとして参考になるでしょう。5つの「コース」のプロフィールは、つぎの通りです。

ローカル・サステイナビリティコース

ローカルなフィールド体験をベースに、持続可能な地域社会に貢献する実践的な知と構想力を有する人材を育成するコースです。環境問題から都市と農山村の地域づくり全般まで、現代の多様なローカル・サステイナビリティに関するテーマや、ローカルな問題とグローバルな問題の関わりについて、最新のケースとともに探究します。

[これまでの研究テーマ例]

  • 子育てしやすいまちづくり−−松戸市の政策に焦点をあてて−−
  • 「小江戸」の地域ブランド形成と観光まちづくりの展開−−「小江戸」はどのように創られたのか−−
  • スポーツツーリズムによるまちづくり−−さいたま市を事例に−−
  •  横浜市の待機児童対策
  •  人口減少問題に対する地域の移住施策の現状と今後の在り方

グローバル・サステイナビリティコース

国際社会の持続可能な発展に貢献する人材を育成するコースです。国際社会の動向について基本的な知識を身につけながら、学際的な学びと国際的な体験を通して、グローバル・サステイナビリティに関わる多様なテーマについて探究します。

[これまでの研究テーマ例]

  • プラスチックによる海洋汚染防止の国際制度と国内実施−−日本法に焦点を当てて−−
  • サイバー攻撃による安全保障概念の変化
  • カンボジアはなぜ安定的に成長することが出来ているのか?−−先進国になることは出来るのか−−
  • 途上国の労働安全衛生を考慮した労働環境
  •  Analyzing changes of news reports about China in Japanese newspapers in 1999 and in 2017

サステイナブル経済・経営コース

持続可能な市場経済に貢献する人材を育成するコースです。まず、経済理論、企業経営についての知識を身につけます。さらに、SDGs(持続可能な開発目標)の動向に触れながら、生活者の消費行動やライフスタイル、ビジネスモデルなどについて探究します。

[これまでの研究テーマ例]

  • フードバンク拡大の阻害要因とその対策に関する研究
  • 南いわて地域における観光産業クラスターの展開可能性に関する研究
  • e-Sportsの発展のために−−日本の現状と課題−−
  • ジェネリック医薬品の未来
  •  ポスト五輪−−総合建設業な向かうべき道−−

人間文化コース

「持続可能でグローカルな共創社会」に貢献する人 材を育成するコースです。人文科学をベースにして人間社会の軌跡を見つめ直し、さらに学際的な学びを通して、将来の人間や文化の行方について探究します。

[これまでの研究テーマ例]

  •  サウナの誕生の起源およびサウナ入浴における効能・最適温度
  •  沖縄の文化振興と染織物
  •  水木しげるの妖怪人生−−妖怪の魅力に取り衝憑かれた93年間−−
  • 今現在と過去に関わる時間と自我−−大森荘蔵の「原生時間」と「日常時間」−−
  •  茶道文化の歩みとその課題

環境サイエンスコース

サイエンスやテクノロジーを視野に入れながら、持続 可能な社会に貢献できる人材を育成するコースです。 社会科学や人文科学とともに、自然・人間・社会のつながりに関する思考など、自然科学の基礎教養を通してサイエンス・マインドを身につけ、科学と社会経済の関係性について探究します。

[これまでの研究テーマ例]

  • ハザードマップの現状と課題および防災活動への応用
  • グリーンインフラとしての都市緑地の今後の在り方
  • 「格差社会と健康」−−健康の社会的決定要因としてのソーシャルキャピタルの重要性−−
  •  地熱発電開発と地域の持続可能性について
  •  コンビニエンスストアにおける食品ロスについて―POSシステムの導入とその削減効果―
     
  • なお、学習や履修方法などについては、「社会人コンシェルジュ」と称する複数教員からアドバイスを受けることができます。

在学生・卒業生(社会人入学)の声

在 学 生

松本 悦子さん

夫の転勤で日本各地に住んだ経験から、年齢を重ねても柔軟な発想ができるよう色々な領域で学びたいと考えていました。理系・文系を問わず幅広い分野で学べる人間環境学部はそんな私にぴったりです。ゼミナール(研究会)では学部のキーワードとなる「持続可能性」について深掘りし、知らなかったことが「知る」に変わる喜びを感じています。また、様々な経歴の社会人学生との出会いは刺激的で、若い世代との交流も楽しく、日々エネルギーをもらっています。

山下 聡さん

人間環境学部にはフィールドスタディという特徴ある授業があります。「オランダ・ドイツ国際法の現場を知る」に参加し、若い学生たちと一緒の部屋で国際平和について意見交換をしました。社会人同士で学年を超えての結びつきもでき心強いですし、また18~23歳の学生、留学生、学部を超えた学生と交流範囲を広げることは楽しいことです。法政大学はすべての人達に開かれた大学であり、さらに人間環境学部は自由に履修科目を選ぶことができ、興味のある講義も選択できますので自分スタイルで受講してみてください。そして法政大学人間環境学部でご自身の新たなる未来、夢や希望の新しい1ページをぜひ開いてみてください。

冠 貴子さん

夫の転勤でボストン(米国)へ滞在し、そこで出会った方々の影響で学ぶ事への関心が強くなり、帰国後の大学編入を決心しました。社会人として大学に通う事に不安もありましたが、幅広い分野から自分の興味関心を追究でき、今の年齢だからこその深い学びを得られた充実感の方が大きく、ゼミやフィールドスタディ、グループワークなどで色々な学生の方との交友関係も広がり、今は自分らしく、このキャンパスでの日々を本当に楽しんで過ごしています。

田村 純子さん

人間環境学部は幅広い学術分野を総合的に探求する学部で、私は「未来創造知見学部」と称しています。未知の分野にもスイッチが入って関心が高まり、新たな視点や複眼的な視座が育まれ、物事の背景や本質、真理を問うことができます。この学びは新たな英知の探求となり、自分が蓄積した価値観、倫理観、人生観、歴史観、人間観を問い見つめ直すことができ、それは乱流の時代を生き抜く為に必要な平衡感覚を保ち、自己の座標をどこに置くかという確固たる軸作りとなっています。

社会人卒業生

池澤 正紀さん(現在、法政大学大学院在学中)

入学の動機は、「知への好奇心」でした。人間環境学部の授業内容は多岐にわたっています。自分の「軸」を持ち、知の枝を手繰り寄せることが大切です。私は自然環境政策を軸に学び、「人間と自然環境の共存」が如何に重要かということを習得しました。学びは自分の知らない世界を知り、自らの人生に幅をもたらしてくれます。
卒業後は、自然保護助成の団体に勤務する傍ら、大学院で学んでいます。教授の皆さまをはじめ諸先輩方が築き上げた幅広い知見は、必ず価値ある学びの場になるものと確信しています。

遠山 晴美さん(現在、法政大学大学院在学中)

日々の生活において環境問題は身近にあります。人間環境学部では、ローカル、グローバルな視点から多くを学ぶことができました。講義に加え、街歩きやフィールドスタディなど現場に立つことの大切さを実感し、印象深い経験となっています。
社会人学生の方々と情報交換を行ったり試験後に暑気払いを開催したりとキャンパスライフを満喫することができました。

袖本 華愛さん

卒業後は環境省所管のシンクタンクに転職し、事務系のプロジェクトアシスタントとして国内外で地球環境問題に取り組む研究員をサポートしていました。最新の研究成果をもとに政策提言をする現場を見ることができました。そして現在は、卒業と同時に得た博物館学芸員の資格が縁で、資格課程実習準備室に在籍し、おもに博物館学芸員の教科を受講する学生のサポートと、資格課程の授業を担当する教員の授業支援をしています。

岩瀬 寿夫さん(現在,法政大学大学院在学中)

私は、ゼミを通して地域社会における環境問題へのアプローチの仕方を勉強し、また、フィールドスタディでは、自分の目で「現場」を確認することで自らの問題意識を高めることができました。人間環境学部では年齢・性別に関係なく多くの人に門戸が開かれており、環境を通し理系・文系を問わず学ぶことができます。学習は、人によってその興味も深さも考え方も違いますが、この学部には、それらを受け入れる度量があると思います。

Q&A

Q.2年次、3年次の編入学は可能ですか?
A.はい、可能です。1年次のみならず、2年次または3年次へのRSP編入学者も募集しています。

Q.編入学する場合、注意することはありますか?
A.4月最初の入学時点で単位認定を行います。単位認定はそれまでに修得した科目等を本学部での単位として認定するものです。それまでの学歴と学んできた分野によって認定数が決まります。個人によって認定数には差がありますので、無理のない入学年次を選択することが重要です。

Q.平日の夜と週末の授業だけで卒業できますか
A.RSPは、昼間に通える方が対象です。平日の夜や土曜日にも一部の授業が開催されていますが、それだけで卒業単位を取得することはできません。

Q.RSP学生と、学部の一般学生とで、学位が異なりますか
A.同じ「学士(人間環境学)」です。

Q.一般学生と同じゼミナール(研究会)」に所属することは可能ですか?
A.はい、可能です。2年次から履修することができます。RSP学生は、必修ではありませんが、社会人のみを対象とした社会人ゼミを履修することもできます。

Q.研究成果を「卒業論文」としてまとめることは可能ですか?
A. はい、選択すれば、4年次に卒業論文を執筆することができます。

Q.人間環境学部が開設する授業以外に、他学部の授業もとれますか?
A.はい、「(他学部)公開科目」をとることが可能です。定められた範囲で、卒業単位になります。この他にも、英語による全学共通科目である「グローバルオープン科目」なども履修可能です。

2020年度RSP入試の概要

 募集人員   1年次入学: 7名
 2・3年次編入学: 若干名 
 出願期間  10月15日(火)〜10月25日(金)
 第1次選考  書類審査 
 第1次選考合格発表  11月21日(木)
 第2次選考(面接)  12月1日(日)
 合格発表  12月10日(火)
 入学手続締切日  12月18日(水) 
入試に関する詳細は入試要項をご確認ください。
 入試要項 

  ※「人間環境学部 社会人リフレッシュ・ステージ・プログラム入試(RSP入試)」参照

 ※入試要項→「社会人編入学試験」参照

RSP入試についての個別相談:

8月に3日間開催するオープンキャンパスにて学部について説明します。ぜひ、ご参加ください。期間中、ボアソナードタワー26階のスカイホールで個別相談も行っていますので、そちらにお越しください。
オープンキャンパスについては以下をご覧ください。

  • その他、お問い合わせにつきましては、学務部人間環境学部担当(03-3264-9327)にて随時受け付けています。
RSP入試についての個別相談

RSP関係奨学金概要

人間環境学部に入学された社会人学生に対して、奨学金の制度があります。
詳しくは以下のページをご覧いただき、参考にしてください。

RSP関係奨学金概要