お知らせ

ゼミ紹介:文学部地理学科 伊藤達也教授ゼミ

  • 2022年02月01日
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地理学の観点から多彩なテーマに取り組み地域の現状や課題を見いだす

地理学の観点から、経済をはじめとした社会科学や人文科学の領域にかけて、幅広いテーマに取り組んでいる伊藤達也教授ゼミ。SDGsに興味を持ち「自然環境の課題を解決に導くようなテーマに取り組んでみたい」と意欲的に語るのは、宮下さん。「機会があれば、水資源や環境問題を手掛けている伊藤先生のフィールドワークのお手伝いもしてみたい」と、好奇心をみなぎらせます。

3年生は初めての実地調査の準備を開始。今年は神奈川県の「鎌倉」を対象に、4〜5人のグループに分かれて調査準備に取り組んでいます。例年は、夏合宿から現地調査の手法を実践的に学んでいましたが、2021年度もコロナ禍で夏合宿が中止となったため、秋学期に日帰りの実地調査を企画。その成果は、学期末に開催する報告会でまとめて発表する予定です。

4年生は、卒業論文の完成に向けて個々に調査を進めています。2 019年から開始された「上海市でのごみ分別回収」をテーマとしたのは、中国人留学生であるSUNさん。
「ごみ分別に至るまでの背景や、上海と日本のごみの分別状況の比較なども考えています。今は中国に帰国するのは難しいので、上海に住む友人に協力してもらいながら、オンラインで聞き取り調査やアンケート調査などを進めています」と準備に余念がありません。

「ゼミでの学びから、常識をそのまま受け入れるのではなく、どのような根拠で結論が導かれたのかを調べたり、自分の言葉で自分の考えを発言したりできるようになりました」と語るのは、石川さん。選んだ卒論のテーマは「学生街としての神田駿河台の変遷」です。「まだ論点の絞り込みができていないので、文献を集めたり、調査手法を考えているところです」と慎重に進めています。そんな4年生たちの背中を押すように、伊藤教授は「1人の力だけで論文を完成させるのは難しい。学年を越えてお互いに助け合って刺激し合い、学生同士で成長していってほしいです」と語ります。

アジア圏にある新興国の経済発展に着目したのは深町さん。「もともとは農業国だったのに、外国資本の工場が建てられたことで、技術力を手に入れました。その変遷が興味深いと思っています」と語ります。将来は世界を巡りたいという夢を持ち、「ヨーロッパは環境政策が進んでいるので、最先端の知識を学び、日本に還元していきたい」と、来年度の留学の実現を目指しています。

(初出:広報誌『法政』2021年 11・12月号)

  • 前列左から、石川恵架さん(4年ゼミ長)、伊藤達也教授、後列左から、SUN HANYI(ソン カンイ)さん(4年)、深町諒大さん(3年ゼミ長)、宮下由菜さん(3年) ※全員、文学部地理学科 ※撮影時のみマスクを外しています

  • 4年生は卒論の進捗報告、3年生は現地調査をしてきた夏合宿。観光も、地理学の好奇心を育むのだという(写真は2018年撮影)

  • 通常のゼミは感染対策を行いながら、3・4年生がともに学ぶ。この日は4年生が卒論の経過を報告し、先生からのコメントをもらった

  • 2021年は、中止になったゼミ合宿の代わりに、ゼミ生が個々に研究成果を発表する中間発表会を開催。閉会後は花火大会で締めくくった