カーボンニュートラル推進に係る人材育成の一環として、「カーボンニュートラル推進リーダー育成講座(入門)」を開講しています。
本授業ではカーボンニュートラルを推進している企業等の取り組みをフィールドワークで学び、最終回ではその集大成として、大学に対し取り組みの提案を行います。
開設2年目となった2025年度も、12月に理事や学外企業の方々も出席された最終発表会を行い、無事幕を閉じました。
今後のさらなる発展のため、2026年3月10日、市ヶ谷キャンパスに2024年度・2025年度の受講者が集い、インタビューと授業の振り返りワークショップを実施しましたので、ここではそのインタビューの内容をお伝えします。
左から 石田さんと舩橋さん(2024年度受講)、三田地先生、大川さんと楜澤さん(2025年度受講)
三田地:皆さん、本日はよろしくお願いします!早速ですが、皆さんがこの授業を履修した理由と、履修前に“カーボンニュートラル”(以下、CN)についてどのくらい知っていたか教えてください!
大川:私は“リーダー育成”の部分に惹かれて履修しました。元々昆布の研究を通して漁業が温暖化の影響を受けていることは知っていたのですが、CNという言葉は知らず、授業に向けて調べるうちに興味を持つようになりました。
舩橋:私はこの授業が大教室で実施される他の授業と異なり、少人数で意見交換やディスカッションをすることができて自分にピッタリだと思い履修を決めました。高校時代にSDGsについて学んでいたためCNという言葉は元々知っていたのですが、元々は理系分野のものというイメージがありました。この授業を通して文理が融合しているものだと知り、とても魅力的に感じました。

大川さん(経営学部1年)
三田地:CNという言葉だけ聞いたことがあるという方が多かったようですね。実際に授業を受けてCNについて感じたことや、授業への感想を教えていただけますか?
楜澤:CNは政府主導のトップダウンで義務的に各企業・団体が取り組んでいるものと思っていましたが、実際にお話を聞くとむしろ自主的に取り組んでおられるように感じました。「暮らしをより良く、快適に」という考えの先にCNがあり、人々が楽しく自然体で取り組みを重ねていくことが大切だという気づきを得ることができました。積水ハウスさんの見学では、電気を使わなくても快適に過ごせる設計上の工夫や、賃貸住宅に太陽光パネルを導入することで環境への配慮と売電による利益を両立させた取り組みが印象的でした。
石田:現場で得た知見を踏まえ、CN の取り組みを法政大学に提言するという実践的な授業形式が非常に新鮮で、意欲的に取り組むことができました。この授業を通して、主体的に必要な一次情報を収集する姿勢と、自ら問いを立て学びを深める力を養うことができたと思います。この経験が、マーケティングのゼミにおいて、企業の方々からいただく課題に対し企画立案を行う活動にも活かされていると感じています。
舩橋:私は各回のディスカッションやプレゼンテーションが印象に残っています。初めは大変だと感じていたのですが、回を重ねるごとに形になり、最終回では完成度の高いものを作ることができて本当に良かったです!直接企業の話を聞くことができたのもとても印象的でした。普段入ることのできない裏側を見学して本音を聞くことができたのは、貴重な経験でした。2年目も連続で受けようとしたのですが制度上受けられず…また別の形で学びを続けたいです。

楜澤さん(人間環境学部2年)
三田地:授業を受けたことで、普段の意識や生活に変化はありましたか?
楜澤:この授業を履修してから、環境に関するニュース・情報に目が行くようになり、理解していけるようにもなりました。ゼミで再生可能エネルギーについて研究していて、CNに活かすことができそうだと感じています。
舩橋:私は、SDGs達成のための活動をしている法政大学の学生組織「SASH」をこの授業で知り、現在所属しています。活動の中で企業の方々から所属のきっかけを聞かれることがあるのですが、いつもこの授業のことを話しています!そのくらい、私の大学生活の中で転機となった授業です。当時一緒に履修していた人たちと今でも連絡を取ることがあり、他学部の先輩など普段接点の無い人たちと関わることができたことも良かったです。

舩橋さん(法学部2年)
三田地:楜澤さんと石田さんは北海道で行われた「カーボンニュートラル夏季短期学習プログラム」にも参加されたそうですね!
楜澤:2025年度に参加しました。講義に加え、実際の現場を間近で見ることができました。訪問した熱供給施設は化石燃料ではなく木質バイオマスや廃材を使用して地域のエネルギーを支えていて、印象に残っています。
石田:私は2024 年度に参加しました。木質チップの製造現場が印象に残っています。木材を炭にしてから土に埋めて農業利用する炭素固定の取り組みを見学したのですが、その製造工場が人手不足で事業継続が困難だと伺いました。どれほど意義のある取り組みであっても、採算が伴わなければ継続は難しいという現実を実感し、環境対応と経営の両輪を回すことの重要性を認識しました。こういった問題に対して、現在学んでいるマーケティングなどの知識を活かすことはできないかと考えています。
大川:お二人の話を聞いて気づきましたが、授業の最終発表を組み立てる上でも、メリットが無いと人は動かないし、資金が無いと回らないという点は課題になりました。どんなに社会に良いものであっても「協業者双方にどのようなメリットがあるのか」「活動資金をどこから集めてくるか」といった点を踏まえて上手く回る仕組み作りをすることが大切だと感じました。

石田さん(経営学部2年)
三田地:技術と仕組みの両方が揃ってはじめて、CNを推進していけるということですね。それでは最後に、本授業をこれから履修しようか悩んでいる方に向けて一言メッセージをお願いします!
石田:CNというテーマに対して、文系・理系の垣根を超えて交流することのできる数少ない機会だと思います。理系の先生ならではの視点や考え方に触れることができ、多くの示唆を得ることができました。三田地先生はじめ、企業・自治体の方々、大学職員の方々が学生一人ひとりに親身に向き合ってくださる大変貴重な機会だと思います!
大川:良いアイデアを出しても普通は授業の発表だけで終わってしまうことが多いですが、この授業ではアイデアを理事や教職員が直接聞いてくれて、積極的に実現について考えてくれます。そんな新しいチャンスをもらえる授業は滅多に無いので、ぜひ挑戦してみてください!
インタビューに続けて振り返りワークショップを行った後は、「カーボンニュートラル文理融合研究フォーラム」で本授業の受講者3名が発表を行いました。
今後ますます学びを深めていかれることを期待しています!
ワークショップの様子
カーボンニュートラル文理融合研究フォーラムの様子
本科目は「カーボンニュートラル推進リーダー育成プログラム」における唯一の必修科目です。
①本科目の修得
②解説動画の視聴(授業内で視聴します)
③カーボンニュートラル科目群から8単位以上修得(本科目を含めて)
この3点を満たすことで、サティフィケート(オープンバッジ)を取得できます。
知識・スキル・経験を証明する、国際標準規格のデジタル証明書。近年外部の資格団体でも検定の合格者に授与するケースが増えてきています。授与されたオープンバッジは視覚的にわかりやすいバッジ型のアイコンで一元管理ができ、就職活動やSNSにおいて「学んできたこと」や「自身のスキル」を客観的に示すことができます。
本学でオープンバッジを取得できる各サティフィケートプログラムや対象科目については下のリンクからご確認ください。
サティフィケートプログラム