2011年度

「わくわくほうせい!」を法政大学のみどころに

2011年度
申請教員 テーマ
「わくわくほうせい!」 を法政大学のみどころに

1.目標

法政大学多摩キャンパスは東京都にありながら、従来より地域住民に里山として利用されてきた経緯もあり、広大な面積と多様な生態系を有する自然豊かなキャンパスである。この恵まれた自然環境を教材として活用した自然体験&理科実験のイベント「わくわくほうせい!」をとおして、子どもたちを主体とする地域住民が自然について楽しく学ぶこと、さらに大学生と地域住民が世代を超えて対話をする場を創出することを目標とする。

問題意識

多摩キャンパスは都心から遠いことから、市ヶ谷キャンパス設置の学部に比べると受験生離れがおきている。また、在学生にとっても通いにくいことから、多摩キャンパスのさらなる「魅力」の付加が必要とされている。

活動の目的

在学生が自ら企画を作っていくことで、地域住民たちとの年齢や身分を超えた付き合いをできるようになること、自発的に活動をコーディネートできるようになること、仲間と協調しつつ法政大学を愛する心をはぐくむこと、そしてこれからの社会に必要なリーダー格に成長してもらうことを目的とする。

活動の意義

法政大学の、しかも多摩キャンパスにしかない魅力を存分にいかせることと、大学生が、その魅力に自信を持って活動し、自らを鍛え、成長していくことに意義がある。

2.内容・計画

本活動では、近隣または多摩地区の幼稚園・保育園・小学校・中学校・大人グループに対して、「オーダーメード」で自然体験イベント、理科実験イベントを提供する。これまでに本ゼミナールではJST(独立行政法人・科学技術振興機構)の支援により、多摩地区の小学生を対象とした理科実験教室や(2008年度)、近隣幼稚園・(保育園)児対象の自然体験教室「わくわくほうせい!」(2009~2010年度)を実施した実績がある。2010年度に「わくわくほうせい!」は、リーディング・ユニバーシティ募金による「地域リーダー育成」助成金の採用を受けた。昨年一年間の活動によって、学生たちの間に「地域リーダー」としての顕著な能力向上が見られた。

広報活動

学生たちにより、ゼミホームページや地域広報誌への情報掲載、さらに近隣の学校、保育園への案内資料配布や電話による広報活動を行い、イベント提供先を決定する。今年度は、従来以上に広範囲を対象に、小学校や中学校にも広報活動を働きかけ、顧客との事前の綿密な折衝によって、より地域のニーズに対応した「わくわくほうせい!」を提供する。さらに本年度は、文部科学省と国土交通省が運営する「大学観光資源データベース」に登録することで、多摩キャンパスが法政大学の「みどころ」となり、教育と地域貢献の場として広く社会に認知されることを目指す。

事前活動

  • 勉強会
    地産地消を推進するJAのスタッフ、農家の方々を講師として招いた勉強会を実施する。
  • 実験教室用の教材開発準備
    自然を学ぶことを目的とした実験キット、教材の開発を行う。

イベント実施

  • キャンパス・ウォークラリー
    大学内にあるハイキングコースを歩きながら、子どもたちに自然を肌で感じてもらう。自然を体験することで初めて生まれてくる「空はどうして青いのか?」「葉っぱはなぜ緑色なのか?」というような疑問を抱いてもらい、これを子どもたちの理科する(科学する)心の芽生えにつなげる。
  • 落ち葉で焼き芋づくり他
    ウォークラリー中に自分たちで集めた落ち葉を使用し、焼き芋づくりを行う。JA町田の協賛により提供されたさつま芋を用いて、地域農産物・地産地消をPRする。葉っぱが火で燃える様子や、煙のにおい、外で芋を焼いて手づかみで食べるといった、五感を用いた体験を提供する。
  • 実験教室(雨天時には、上記の代わりに当企画を充実させる)
    収集した葉っぱを使ったしおり作製、ペンと水を使った実験など身近な道具を用いて、幼児にも親しみやすい実験教室を催す。身近に触れられる科学の不思議さや、実験の面白さを知ってもらうことが狙いである。

3.成果報告方法

  • 報告書作成: 実施に至るまでの準備工程や実施内容、成果、課題を報告書に記載
  • 経済学部環境系ゼミ合同発表会: 環境系ゼミグループ内における研究成果発表
  • 代表者による法政大学多摩研究報告への論文発表
  • 卒業論文の作成、懸賞論文への応募、など

4.達成指標

  1. 参加学生たちのリーダーとして求められる能力の修得度
  2. イベント参加者(子ども、親、保育士)の満足度や学習理解度

以上2つの視点から目標の達成度を測る。そのための具体的な方法を以下に記す。

  • 学生たちのリーダースキル到達度調査(担当教員による5段階評価)
  • 学生たちの意識・行動調査(他に地域の活動に参加したかどうかなど)
  • 周辺地域住民のイベント認知度や、参加者による評価を独自アンケートでチェック
  • イベントに参加した親・教員などの引率者(大人)へのヒアリング実施