本法人に関する情報

内部統制の整備状況

本法人に関する情報
  • 本学では,意思決定が定められた手続・権限に基づき適切に行われるよう,関係諸規程を整備している。
  • 教学組織と学校法人理事会との関係において,その機能分担を明確にし,連携協力を図りつつ,相互の独立性を保っている。
  • 総長の直属の事務局として監査室を設置し,監査室の内部監査により総長による事務組織の内部統制を補佐している。
  • 卒業生評議員・卒業生理事,有識者・功労者評議員,監事による学外からの視点を反映し,経営の合理性・健全性の維持向上を図っている。

1. 大学の意思決定プロセスの確立状況とその運用の適切性

法人における個々の事業の実施については,各事務部局が実施案を企画・立案し,最終意思決定機関である理事会が決定する。なお,事業の内容や費用の多寡により権限が委譲されており、寄附行為や理事会が定める職務権限規程等に基づき常務理事会や総長,担当理事,統括本部長,事務部局長以下において決裁し,業務を執行している。前述のように,法人における意思決定は,規程で明確に定められた手続・権限に基づき適切に行われている。特に,各事務部局から企画・立案された実施案については,関係事務部局(総務部等)により予め手続の適否の形式審査が行われており,適切性が確保されている。

2. 全学的審議機関の権限の内容とその行使の適切性

評議員会は学内教職員23名以上30名以内,卒業生23名以上30名以内,有識者・功労者で10名以内,卒業生理事を除く理事9名以上10名以内からなる。寄附行為において,予算と借入金,事業計画,寄附行為変更については評議員会の議決事項とし,合併,私立学校法第50条第1項第1号及び第3号に掲げる事由による解散,重要な資産の処分に関する事項については評議員会の承認事項としている。
評議員会の議決事項・承認事項については,それぞれ評議員会の議決・承認を得た後,理事会に諮っており,適正な手続きを確保している。

3. 教学組織と学校法人理事会との間の連携協力関係及び機能分担,権限委譲の適切性

理事会は法人の一切の業務執行についての権限を有する機関であり,学部長会議は教学に関する重要事項,各学部に共通する事項,入学試験に関する事項等を審議する機関である。総長(理事長)が理事会と学部長会議の両方の議長を務めており,また,教育支援本部担当理事が常時学部長会議に出席している。
全学的な教学事項の決定に際しては,教学の意向を尊重して決定している。また,理事会の決定事項であっても,学部長会議等の教学組織への報告や,意見聴取を適宜行う等,理事会と教学組織の機能の分担を明確にしつつ,連携協力を図っている。
審議内容によって教学組織と理事会の分担を行うことにより,教学組織と理事会の相互の独立性が保たれている。

4. 関連法令等及び学内規程の遵守

学内規程制定の過程においては必要に応じて学内から幅広く意見を聴取しながら制定する。教職員は学内規程を文書管理システム等で常時閲覧できるようになっている。学内の意思決定は意思決定を行う機関の事務局が,決定内容・手続きと学内規程との整合性をあらかじめチェックし,関係事務部局との調整を行い,適切性を確保している。
また,法人部門及び教学部門ともに関連法令・学内規程に基づき日常業務を行っている。関連法令の制定・改正に伴い学内規程を制定・改正したり,学内組織の改編に伴った関連諸規程の改正等の規程の見直しを随時行うなど,運営と規程の間に齟齬が生じないよう調整を図りながら,関連法令及び学内規程の遵守に努めている。

5. 経営の合理性・健全性の維持向上を図るための外部視点での評価体制

本学では,外部からの視点による経営の合理性・健全性の向上を図るため,次のとおり諸体制が設けられている。外部からの評価は,大学運営の質の向上だけでなく,外部に対する信頼性の向上にもつながるものと受け止め,今後も大学運営に活かす体制を整えていく。

(1) 寄附行為第20条第2号の規定に基づく評議員(卒業生評議員)・卒業生理事

卒業生評議員の選出は,従来,卒業生による全国型選挙により行われていたが,2005年度に就任する評議員から選考委員会による推薦方式に改めた。これは,選挙時の低い投票率等の問題を改善するための見直しであり,私立大学が有する社会的使命と自主性や公共性を認識し,卒業生評議員の責務を理解し,本法人の発展に寄与しようとする人物を確実に選出する制度の実現を図るためである。卒業生評議員候補者の資格は,「卒業生評議員推薦規則」に基づき,ア.一定の社会的評価を得られるキャリアを有する者,イ.本学の卒業生又は学生に対し,卒業生又は学生としての誇り,自負を高揚させる幅広い社会活動を行った者又は行っている者,ウ.本学又は本法人に対する支援をなし,愛校心が極めて高いと認められる者,エ.卒業生団体において,その運営に参画して法政大学又は本法人の発展向上に寄与し,その活動実績の顕著な者のいずれかに該当する者とされ,全国から幅広く有益な人材を登用することが可能となっている。主に,毎年4回程度開催される評議員会において,様々な視点から大学運営に関して意見を聴取している。
卒業生理事(4名)は,理事選考委員による選考により,卒業生評議員から選出される。これにより,理事会における業務執行の決定において,卒業生(学外者)の意見が反映される制度となっている。

(2) 寄附行為第20条第3号の規定に基づく評議員(有識者・功労者評議員)

寄附行為において,有識者や本法人に関係ある功労者10名以内を評議員に選任することとしている。これは,卒業生に限定せず,有益な人材を積極的に登用し,適切な意見を幅広く聴取することを目的としている。

(3) 監事

寄附行為に基づき,4名の監事が就任している。監事の選出は,従来,立候補者を評議員会において選挙により選出していたが,監事の機能強化を定めた2005年度からの改正私立学校法施行に伴い,理事長が設置する選考委員会方式に改めた。同時に,監事監査規程を定め監事の職務内容を明確にし,学外有識者である監事による業務のチェック体制を整備した。監事は,毎月1回開催される理事会に出席し,法人の業務を監査している。また,2021年度より常勤監事を1名置いている。

以上