1986(昭和61)年4月、本学は、多摩キャンパス城山地区(グラウンド・馬場)の開発に際し、埋蔵文化財の調査を神奈川県に依頼しました。市では、文化財保護審議会委員の浅川利一氏を団長とする調査団を編成、同年8月4日から9月20日にかけて試掘調査を行いました。
その結果、敷地内の4つの地区のうち、境川に面する低位段丘面(第1地区)で、先土器時代の文化層、縄文時代の土器片数点と土こう群が、南東向きの谷戸部(第4地区)からは、縄文時代および平安時代のものと思われる土器片と遺構状の落ち込みが検出されました。
この結果を受けて、神奈川県教育庁、城山町教育委員会の指導のもとに、第1・第4地区の本調査が開始されることになり、遺跡名は同地域の地名をとって「風間遺跡群」としました。調査は翌87年1月から行われました。このうち第1地区では、ローム層上面から縄文時代と中世以降の遺構が検出され、その下の立川ローム層中に、2層の先土器時代の文化層が確認されました。
先土器時代の文化層からは、石器573点、礫209点が出土しました。石器の内訳は次のとおりです。
左の写真は、これら石器の一部で、上の3点が尖頭器です。長さはおよそ16センチで、定形石器としては最も出土点数が多く、本文化層を特徴づける石器となっています。
中段はさまざまな種類の石器で、色が濃いのは黒曜石を素材にした石器。下段も同様で、下列に見られる胴部中央が大きくえぐれた、ヒョウタンのような特異な形状をしたスクレイパーは、他に例が見られないといいます。
これらの出土石器は、他の出土品とともに、本学多摩キャンパスに保管されていましたが、2008年より、相模原市教育委員会に管理を移管しています。
(参考資料:「風間遺跡群発掘調査報告書」法政大学多摩校地城山地区遺跡調査委員会)
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