2025年度第21回デジタルコンテンツ・コンテスト

インタラクティブ部門・グランプリ おねえちゃんは濡れたくない!

2025年度第21回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
三島 爽真
渡邊 慎吾
間篠 琢海
宮崎 蒼空
小田原 悠太
津原 由衣
今泉 遥稀
野澤 亮磨
田口 和輝
横山 翔一
小島 綾華
理工学研究科
理工学研究科
情報科学研究科
情報科学研究科
情報科学部
生命科学部
情報科学部
情報科学部
理工学部
情報科学部
理工学部
電気電子工学専攻
応用情報工学専攻
情報科学専攻
情報科学専攻
コンピュータ科学科
環境応用化学科
コンピュータ科学科
ディジタルメディア学科
機械工学科
コンピュータ科学科
電気電子工学科 
M2
M2
M1
M1
4
4
3
3
2
1
1
  • 使用ソフト
    UnrealEngine5.4、VisualStudio2022、Blender4.4.1、ibisPaint X、Arduino IDE2.3.2、SolidWorks2023、KiCad9.0、Canva、AffinityDesigner2、Github
  • 開発・制作・動作環境等
    Windows11
  • 使用素材
    音楽:DOVA-SYNDROME、効果音ラボ
    動画:Unity Asset Store

作品要旨

少女を雨から守り、家まで送り届けるアクションゲーム。自作した傘型コントローラーとゲーム内の傘が連動。現実の動きが反映されることで、高い没入感と直感的でユニークな操作体験を実現した。

作品解説

本作は、プレイヤーが一本の傘で女の子を雨から守り、無事に家まで送り届けることを目指すアクションゲームです。通り過ぎる自転車の水しぶきやマンホールから噴き出す水など、帰り道には様々な困難が待ち受けています。プレイヤーは巧みに傘を操り、女の子を狙う雨粒や水しぶきの脅威から守り抜かなければなりません。
最大の特徴は、このゲームのために独自開発した「傘型コントローラー」です。内部の加速度センサーがプレイヤーの動きを検知し、リアルタイムでゲーム内の傘に反映されます。従来の操作では得られない直感的でユニークな操作感と高い没入感を実現し、腕や体を大きく動かして遊ぶことで、本当に傘を差して雨を凌いでいるかのような感覚を体験できます。体全身を使って夢中になれる点こそ、本作ならではの最大の魅力です。
さらに、カジュアル層からやり込み派まで楽しめるよう、3段階の難易度を用意しました。初心者から上級者まで挑戦できる設計で、誰もが独自の操作と達成感を味わえます。
機械・電気・情報を専門とする学生が知識と技術を結集して完成させた本作品には、体を動かす楽しさと制作への情熱が込められています。ぜひご体験ください。

デジタル技術の使用箇所・方法

ハードウェア設計
筐体設計にはSolidWorks、回路設計にはKiCadを用いました。これにより、3Dプリンタ出力や基板製作業者への発注が可能となりました。
センサ処理・組み込み開発
現実空間のアナログ情報を利用するため、加速度センサで加速度を電圧に変換し、I2C通信によってマイコンに入力しました。マイコン開発にはArduino IDEを使用し、センサ処理やPCとの通信機能をC言語で実装しました。
通信技術
PCとマイコン間の無線通信にはBluetooth Classicを採用しました。これにより低遅延で安定した接続を実現しています。
ゲーム制作
ゲーム開発にはUnreal Engineを用い、コードエディタとしてVisual Studio 2022を使用しました。バージョン管理はGit、ホスティングはGitHubを利用し、複数人での効率的な共同開発を可能にしました。
3Dモデル・アニメーション
ゲーム内に登場する建物や道路は、Unity用に配布されている無料アセットをfbx形式に変換し、Unreal Engineで利用しました。メインキャラクターやNPC、自転車などはBlenderでモデリング・アニメーションを行い、世界観に合った独自モデルを実現しました。
エフェクト制作
雨や水飛沫などの演出は、Unreal EngineのNiagaraを用いて独自に制作しました。視認性やゲーム体験を損なわないよう調整を重ねています。 

講評

本作品は、現実の傘に9軸センサを装着し、入力デバイスとして活用した体感型インタラクティブゲームである。センサ情報の処理や通信設計に優れ、画面上の傘が現実の動きに遅延なく追従する高い完成度を実現している。子供から高齢者まで直感的に楽しめ、技術・表現の両面で卓越したコンテンツである。数年に一度現れる傑作であり、本コンテストにおけるインタラクティブコンテンツの水準をさらに引き上げた作品である。