| 氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
|---|---|---|---|
| 溝部 亜州輝 |
国際文化学部 |
国際文化学科 | 4 |
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他人に抱く嫉妬心や執着心をテーマにストップモーションでホラー風の映像を制作した。一人の女性と、ある夫婦の人間関係のもつれを様々は立場の視点から、表現されている。尚、家のセットや登場人物などは全て自作した。
この作品は人間の他人に対する嫉妬心や執着心をテーマに制作した。2分弱という短い時間の中で完結させるため、恋愛関係のもつれを「三角関係」というシンプルな構図に落とし込んでいる。
タイトルの「覗き」には二重の意味を込めた。ひとつは、女性が毎朝カーテン越しに他人の家の生活を覗き見るという行為が物語の発端となること。もうひとつは、彼女が夫婦に対して抱いた嫉妬や憧れが、やがて心の奥に潜む欲望を覗かせるという意味である。物語が進むにつれ、ただの好奇心は歪んだ執着へと変化し、視線の積み重ねが夫婦間の人間関係さえも蝕んでいく様子を暗示的に表現した。「カーテン」「影」「視線」といった日常的で視覚的な要素を強調し、観客に身近な不安や違和感を想起させるように工夫した。わずかな時間の中で、誰しもが抱えうる心の闇を提示することで、「覗く」という行為そのものが持つ危うさを映像として体感してもらいたい。
撮影に際して、iphoneカメラの広角レンズを使用し、部屋の内部の映像まで撮影した。Canveのアプリを活用し、撮影したデータを元にカット、ループ、速度調整などの編集を一貫して行なった。セリフや効果音に関しては、カット後ことに編集し、撮影内容とずれがないように編集した。
粘土で作った人形と細部まで作り込まれたセットを組み合わせた、コマ撮りによるクレイアニメ作品だが、静かな日常から不穏さが少しずつ立ち上がり、誰もが戸惑うラストが強い余韻を残す。この1分半の短い作品には、見る者に驚きとざわつきを同時に感じさせるストーリーの力がある。この結末の受け取り方には、主人公の行為や妻の視点への共感のあり方をめぐって異論もあるだろう。単純明快なハッピーエンドではないからこそよいのかもしれない。