| 氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
|---|---|---|---|
| 桑名 文葉 | 文学部 | 日本文学科 | 1 |
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遠い時の果て、そのひそやかな世界には「人間によく似た」生き物達が住んでいた。かの地に、失われた太古の文明が蘇る日は来るのか。……「私」は、来ると信じている。でも——一体どうやって?
商業アニメのオープニングのような構成に仕上げた手描き2Dアニメーション。冒頭(0秒~15秒)と58秒~1分19秒で映像が若干対比する(あるいは繋がる)ようにしている。ストーリーを明確に表すというよりは、モノローグや寓意的な表現を多く用いて、キャラクターを丁寧に描くことに重きを置いた。ただしストーリーがないというわけではないので、建造物の変遷や、過去と今を繋ぐ「とある人物」など、細部まで考察しながら見て頂けたら嬉しい。
特に色の表現にこだわった。過去の世界をカラーで、一方「今」の世界はラストシーン以外は極力色数を抑えて描いている。6人の主要人物にはそれぞれテーマカラーを与え、すれ違っていた者同士が徐々に関わり合っていく様子を色の交わりで表現した。
また、ファンタジー設定なので衣装デザインも工夫した。琉装や漢服を参考にした独自の衣装となっている。
タイトルは「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」の響きから連想したもの。「ユートピアなんて結局は紛い物である」という皮肉と共に、「楽園を保つには誰かが発条を巻き続けなければいけない」という意味も込めた。
FlipaClipで1コマずつイラストを手描きして作った全編デジタルアニメーション。計12本の動画に分けて作画したものを、VLLOを使って1本の動画に編集しBGMを加えた。また、1分7~8秒、1分21~22秒のポーズはeasyposeにて3Dモデルを作り作画の参考にした。タイトルロゴはibisPaint Xでデザインしトレス、その他クレジットも同アプリで作ったテキストを用いた。
登場人物の流れるような動きと変化が次々と移り変わるシーンに意味を持たせており、視聴者の想像力が刺激されて面白い。1コマずつ作成したシーンを繋ぎ合わせ、コマ送りアニメの手法で作成した点はかなりの労力を要しており、全体を通して高いクオリティの作品になっていると感じた。気になった点としては、作品解説によると登場人物が6人いるとのことだが、絵柄のせいか、あるいは背格好や服装が似ているからか、それぞれの区別がつきにくいように思う。空想上の現在の人物を、過去(?)の別の人物に投影した姿を描いていると思われるが、現在と過去で登場人物の背景や服装を大きく変えるなどして(例えば、同じ人物が、現代の高層ビルが立ち並ぶ背景でスーツ姿から江戸時代の長屋で着物姿に変わるなど)、同じ人物が別の時代にいることがはっきり分かるようにすると、さらにストーリー性が出てくるように思う。