| 氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
|---|---|---|---|
| 望月 美結 | デザイン工学部 | システムデザイン学科 | 2 |
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本を開いて、物語を読んで、どこかここではない違う世界に飛び込んでいくワクワクを表現しました。想像の世界にはどんな生き物だって存在します。
物語の中に登場する、人魚、妖精、鏡の中の住人、手足の生えたトランプ、二足歩行の動物、そして魔法使い。現実には存在しないそれらすべてを物語の魔法は見せてくれるということを表現しました。
小中学生の頃、ファンタジー小説に夢中になり学校や地域の図書館を巡っては多くの本を読み漁っていました。物語の主人公の目線を通し、違う世界を覗き見ているような感覚になるのが楽しかったことを覚えています。その夢を見ているようなふわふわとした感覚を、全体の色相を不自然なほど青に寄せてさらに虹色にぼかすことと、画面中央の女の子を同一人物にし、片方を魔女の格好にすることで表現しました。また、本がテーマなので画面内にできるだけ多くの本を入れたいと考え、背景の本棚の壁に描写範囲を広げられる魚眼レンズのような表現を用いています。
トランプの身体や魔女の帽子など、一部には油絵のようなガサガサしたタッチの筆跡を残しています。これは、表紙や挿絵に登場する二次元的な存在であることをイメージしたものです。
作品制作にはデジタルペイントツールのProcreateを使用しました。油彩筆などアナログ風のタッチができるペンが多くありますが、デジタル特有の表現も可能な便利なツールです。
本のページ素材の作成:手持ちの本のページの写真を撮り、アイビスペイントの手書き風輪郭抽出という機能を使って読めないけれど何か文字は書いてあるように見えるページ素材を作成しました。
仕上げのフィルター加工:虹色にブレたような表現ができる色収差、画面端をぼかすガウスぼかし、全体の色を調整できる色調フィルターなどを用いて利用の状態になるまで調整を重ねました。
本を開き、物語の世界に飛び込む時間の楽しさを表現した作品。「ホウカゴデイドリーム」というタイトルにもあるように、本を開くだけですぐに入り込める、日常のすぐ隣にある空想の世界を丁寧に描いている。作品全体は、図書館の大きな書架のイメージを背景に置き、その上に、本を読む少女と想像上のキャラクターたちが浮遊する構図になっており、この奥行きを持った構図が、現実と空想が入り混じる感覚をうまく伝えている。