2025年度第21回デジタルコンテンツ・コンテスト

静止画部門・入選 Think-link

2025年度第21回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
佐野 平 デザイン工学部 建築学科 4
  • 使用ソフト
    Adobe Illustrator(29.8.1)、Adobe Photoshop(26.11)、Midjourney
  • 開発・制作・動作環境等
    Mac OS
  • 使用素材
    静止画:free-paper-composition-mockup

作品要旨

創作を行う学生同士が集い、繋がるためのイベント「Think-link」のブランディングデザイン及びキービジュアルを制作した。

作品解説

創作を行う学生という少数派の学生が繋がり、創作の幅を広げるためのイベントを企画し、セルフブランディングを行った。
私は大学1年時から創作活動を行っていたが、周りに創作活動を行う学生が少なく、孤独感を抱いていた。そこで、総合大学で創作を行う学生同士が繋がれるイベントを企画したのがきっかけである。
まず、イベントのコンセプトを体現したロゴを制作した。「創作者とアイデアの先を創る」というコンセプトに沿い、「終わらない輪」であるメビウスの輪をモチーフにした。メビウスの輪を制作するときの「180度捻る」という操作から着想を得て、ロゴデザインを制作し、その操作を応用して、27種類のカスタムフォントを制作した。
次にブランドの世界観を伝えるため、3枚のキービジュアルを作成した。イベント終了後も関係が持続し、共同制作が生まれていくというコンセプトを示すため、写真やイラストなどの素材はレトロな質感を残しつつ、グリッドシステムを用いた現代的なレイアウトを採用することで、過去から未来へと続く時間の幅を表現した。
このイベントを通じ、創作活動を行う学生同士が繋がり、新たな創造の場を見出す一助となることを目指している。

デジタル技術の使用箇所・方法

①ロゴ・カスタムフォントの作成
イラストレーターを用いて制作を行った。まずはブランドコンセプトを起点に、さまざまな形状を作成しながら模索を重ねた。図形ツールやダイレクト選択ツールを活用して形状を試作・検証し、大まかな方向性を定めた(別途1参照)。その後、より細かなプロポーションの検討に移った。まず、ラウンド率の検証を行った(別途2参照)。角をダイレクト選択ツールで選択し、操作可能な「コーナー」の値をさまざまに設定して、最も視覚的に美しい値を探った。次に、縦横比の検証を行った。定規ツールで長さを測定しながら、同様に最も美しいプロポーションを模索した。
形状が定まってからは、色の検証を実施した。ロゴを複製し、複数のカラーを適用して比較し、最もイベントのイメージに近いカラーを選択した(別途3,4,5,6参照)。カラー制作の際にはカラーパネルを用い、CMYKの値を調整しながらイメージに近い色味を模索した。これにより、カラーピッカーを用いる場合よりも細やかな色調整が可能となった。
次に、カスタムフォントについては「DIN2014」をベースに制作した。まず「分割・拡張」機能を用いてフォントをパスに変換し、自由に操作できる状態にした。その後、文字の一部をパスファインダーで分離し、リフレクトツールを用いて反転させた。さらに「捻り」を再現するため、特定箇所にアンカーポイントを追加し、ダイレクト選択ツールを用いて表現した。
完成したポスターはPhotoshopを使って実写風の画像に合成し、モックアップを作成した。モックアップ制作には、無料配布されている素材データを活用した。
②ビジュアルの作成
ビジュアルに用いた画像とイラストは、Midjourneyを用いて生成した。
まず実写風の画像については、ChatGPTと相談しながらイメージを言語化した。生成された画像を出力した後、自分のイメージとの差異を言語化してChatGPTに伝え、それをプロンプトに再構築してもらい、再度Midjourneyで生成するという工程を繰り返した。この作業を100回以上重ねることで、最終的に目標とするイメージを実現することができた。
2枚目の画像を制作する際には、モチーフの人間の一貫性を保つため、完成した1枚目の画像をMidjourneyに学習させたうえで、同様の工程を繰り返し、自身の頭の中のイメージを具現化した。
生成した画像はPhotoshopを用いて加工した。まずCamera Rawフィルターでカラーグレーディングを行い、色味を整えた。その後、ノイズとブラーを加えることでレトロな雰囲気に仕上げた。さらに、画面の一部にマスク機能を用いてハイライトを追加し、奥行きを表現した。
イラストに関しては、Midjourneyの創造性を活かすため、あえてプロンプトを最小限にとどめた。また、生成画像の創造性を調整する値である「Stylization」をやや高めに設定して制作した。
1枚目のイラストの生成に使用したプロンプト:naive simple illustration of a woman in a black coat, carrying a single bouquet of pure white lilies of the valley , Yellow background, vivid color ,minimarism, flat ilustration
2枚目(横)の画像生成に使用したプロンプトPhotography, beautiful Korean woman with silky bob hair, Loop Lighting, HD, soft light, clean and modest style, ethereal and modern atmosphere, wearing an elegant outfit, painting on a canvas, the artwork visible from the front, captured from the perspective in front of the canvas, showing her focused and serious gaze through the canvas as she draws, thin metallic earrings, accented with soft yellow light, creative studio background softly blurred
3枚目(縦)の画像生成に使用したプロンプト:Photography, beautiful Korean model with a short wavy bob, Loop Lighting, HD, soft light,, wearing an elegant black high-neck dress, clean and modest style, hair in motion, wearing thin metallic earrings, accented with soft yellow light, Daylight street fashion event atmosphere,Blurred party venue background, ethereal and modern atmosphere