氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
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吉田 英紀 | 国際文化学部 | 国際文化学科 | 4 |
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幼小中高大、学生(子供)の自分が「覚えてきた感情」と「吐き出したかった衝動」を25枚のイラストで表現した。これは、社会人(大人)になったいつかの私に、その全てが『空虚』に映らないよう、自身を戒める作品である。
高校2年~大学3年の約5年間で描いた原画(アナログ)を撮影し、その後の1年の休学を挟んで大学5年目となった今の自分が乗せたい感情を色彩と文字を用いて表現するという、過去の自分のイラストにデジタルの力で新たな命を吹き込んだ、自身の学生時代を象徴するイラスト。
「病み」を感じるイラストだからこそ、あえて鮮烈なカラーリングを目指し、暗さと明るさのギャップを生み出すことで、美しさや画面の印象、尖りを強くした。また、似たような絵面にならないよう使用する色の種類と配置にもこだわった。色合いや色付きは撮影時の光の入り方によって大きく変化するため、撮影環境や調整には特に注力した。文字も1~2文字に統一し、スタイリッシュな印象の明朝体を使用。日本語の美しさや格好良さを出すために、漢字に合わせる文字は英単語ではなく「ローマ字の読み」を採用し、「言霊」の力を与えてイラストの持つ雰囲気をより強烈なものにした。
全てのイラストに「学生の私」の感情や経験、「子供の時にしか見えない色」が表現されている。各イラストにどのような「意味」が込められ、そこにはどのような「物語」があるのか、考察しながら見ていただければと願う。
彩色:「写真」アプリの「編集」機能の「調整」のみを使用し、露出・彩度・コントラスト・ブリリアンス…等を調整した後にスクリーンショットして、更に同様の調整を行い、またその写真をスクリーンショットして重ねて同様の調整を行う、という工程を何度も繰り返し、理想の色味になるまで調整し続けた。
文字:「Instagram」の文字入れ機能で、漢字は「Meme」、ローマ字は「Literature」を使用した。
配置:「FrameMagic」のグリッドで25分割の比率5:4を使用した。
様々な感情や心情などに対して、漢字と絵を対提示しつつ、漢字の部首の構成と絵での表現が必ずしも一致していない点は、独特のタッチで描かれていることも合わさってそれらの複雑さや奥深さの表現としてとても興味深い。加えて、混乱した内面を5x5=25と整然とした形に並べて皮肉的な表現をしているところも非凡なセンスを感じさせ、単なる情報量以上に飽きる事なく鑑賞可能な作品となっている。