2022年度第18回デジタルコンテンツ・コンテスト

静止画部門・準優秀賞 鯨雲

2022年度第18回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
久保 綾乃 デザイン工学部 システムデザイン学科 4
  • 使用ソフト
    Photoshop
  • 開発・制作・動作環境等
    Windows11

作品要旨

「鯨は雲から生まれてくる」そんな雲を鯨雲と名付けよう。
アイデアが思い浮かぶときの閃きを雲から生まれる鯨で表現した作品です。

作品解説

何かを制作するとき、問題に対処しなければならない時、私たちは日々ひらめきを求めながら生活しています。
アイデアが浮かばない時などのもやもやとした状態を分厚い雲がかかったイラストで表現し、
面白いアイデアが浮かんだときのワクワク感を雲から鯨を生むことで表現しました。
本来鯨は海で生活しているし、雲から生物が生まれるなんてことはあり得ない。
面白いひらめきはいつも自分のあり得ないから生まれてくるため、あり得ないけれど、起こったら面白い状況をイラストで描きました。
少女は面白いアイデアを思い付いた人なのか、面白いアイデアが生まれる瞬間を目撃した人なのか
見た人によって考え方が変わるように描いています。

イラストの構図はメインの鯨に焦点がいくように、雲で覆うような構図をとっています。
また、アイデアのキラキラ感、ワクワク感を表現するために日常にありそうでないカラフルな光の演出に気を配りました。

デジタル技術の使用箇所・方法

Photoshopを使用して制作しています。ブラシツールを使用して、レイヤーを変えながらペイントをしました。ブラシは自分でカスタムした線の強弱をつけやすいブラシとべた塗りのできるブラシを使用しています。また、各レイヤーの描画モードを「除算」と「通常」で使い分け、「トーンカーブ」などを使用しながら画面の色味を調整しました。雲の輝きは「ブラー」を通常のレイヤーに重ねて掛けることで光の演出をしています。

講評

デジタル技術としてはシンプルな手法を用いており、構図や色彩なども特に奇をてらったものではありませんが、登場人物や背景の停滞感のある描写と、透明感のある鯨と雲の組み合わせを対比させることで、誰もが経験する「ひらめき」の瞬間の気持ちを共感でき、「この人の他の作品をもっと見てみたい」と思わせる、未来性の作品でした。またデジタルと作り手の丁度よい関係によって成り立っている点も高く評価できると考えます。