2021年度第17回デジタルコンテンツ・コンテスト

インタラクティブ部門・準優秀賞 ー シキ ー

2021年度第17回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
宮坂 亮吾  デザイン工学研究科 システムデザイン専攻 M1
  • 使用ソフト
    TouchDesigner、ZIG SIM
  • 開発・制作・動作環境等
    Mac OS
  • 使用素材
    音楽:Wondershare Filmora X

作品要旨

この作品は、スマホに息を吹きかけたり、画面を温めることで四季の変化をインタラクティブに操作し、表現したもので夏に息を吹きかけると、秋冬に変化し、冬に画面を温めると、春夏へ変化していきます。各季節をイメージし、静と動、上と下、生と死が繰り返されていくことを作品に落とし込みました。

作品解説

この作品は、スマートフォンに息を吹きかけたり、画面を温めることで四季の変化をインタラクティブに操作し、表現したもので夏に息を吹きかけると、秋冬に変化し、冬に画面を温めてあげると、春夏へ変化していきます。各季節をイメージし、静と動、上と下、生と死が繰り返されていくことを作品に落とし込みました。初めに生命が芽吹く「春」では、残雪が残る中でも新たな芽が地面から徐々に力強く生まれてきます。ここでは夏に向けての助走のように表現しています。次に生命が生い茂る「夏」では、下から激しく生命が入れ替わりながら、広がっていきます。夏の「動」や「激しさ」を表現するためウェーブのような表現を採用しました。そして生命が朽ちる「秋」では、息を吹きかけると、突如緑色は枯れ色に変わり、ちりじりに散っていきます。ここの儚さを私はこの作品で一番表現したかったことになります。よって、タイトルが「死期」と掛かっています。最後に朽ちた後の「冬」では、静かに上から雪が舞い、雪の結晶の形に積もっていきます。ここでは、「静」や「死後の物悲しさ」を表現し、夏との対比になっています。ここで温めてあげると雪が止み、春へと繋がっていきます。

デジタル技術の使用箇所・方法

wifiのIPアドレスでZIG SIM(スマホ)とTouchDesigner(パソコン)を繋ぎ、連携します。ZIG SIMでタッチセンサとマイクセンサの入力を、wifi経由でTouchDesignerに送信し、作品に反映しています。タッチセンサが感知されると、雪のパーティクル生成が停止し、夏のパーティクルアニメーションに切り替わり、生成を開始します。マイクセンサの一定の音量を超えると、夏のパーティクルの色が変化し、パーティクルが散らかるアニメーションをし、徐々に消します。そしてシーンを切り替え、雪のパーティクルの生成が開始するという流れです。

講評

作品「−シキ−」の春、夏、秋、冬、各季節感を具象的表現ではなく全て抽象形態による抽象表現としたこと、またそれぞれの季節が持つであろう象徴的色彩で表現している点が非常に面白く感じられた。秋にうつろときに息を吹きかけるというNUIのインタラクションによって画面全体に秋の紅葉が舞った後に一気に雪ふる冬のうつくしい表現へと変化する過程、雪化粧の深深とした感じを醸し出すスピード感が良くできている点を高く評価した。