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【Research Highlight】グローバル格差の実情と向き合い、現場から国際協力の常識を問い直す(経済学部経済学科 友松 夕香 教授)

  • 2026年04月07日
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西アフリカをフィールドに「国際協力」の常識を問い直す。経済人類学の視点から、私たちが向き合うべき「根本的な問い」とは?経済学部経済学科友松教授にインタビューしました。

経済人類学を専門とし、20年以上にわたり主に西アフリカをフィールドに「人々の暮らしと国際協力」を研究してきた友松教授。2025年には、新書『グローバル格差を生きる人びと ──「国際協力」のディストピア』(岩波書店)を刊行しました。「欧米や日本では、国際協力は『豊かな国/先進国』が『貧しい国/途上国』を助けるものであり、『現地の人々から感謝されている』というイメージが当然のように語られています」と指摘します。しかし、長年の「善意」による支援の裏側で、現地では国際協力に対する欺瞞感や違和感が少しずつ蓄積されてきた現実に光を当てています。

SNSの普及により変化した西アフリカの社会状況にも注目しています。現地の若者たちの大半は、高校や大学を卒業しても就職先がありません。これら若い世代の間で広がる「国際ロマンス詐欺」について、「SNS上で白人になりすまし、愛情関係を装って金銭を得ることが『生き抜く手段』になっているのです」と、その複雑な背景を「グローバル格差の感情」という視点から分析します。さらに、Columnでは、フィールドワークで出会った、ガーナの日常を捉えた写真とともに、現地を訪れて初めて見えてくる国際協力やグローバル経済の構造的課題を紹介しています。

「協力や共感だけでなく、対立や不信も人間社会の現実を構成しています。だからこそネガティブな感情を否定するのではなく、それがなぜ生まれ、どのような影響を世界に及ぼしていくのかを、丁寧に捉える姿勢を大切にしています」と、研究にかける信念を語る友松教授。「今後はグローバル格差を背景に生じる違和感や不信が、社会の分断や特定の人々の排除に向かわないよう、格差の構造そのものに目を向けながら、相互理解や対話を促す手がかりを模索していきたいです」と展望を掲げています。

グローバル格差の実情と向き合い、現場から国際協力の常識を問い直す友松教授のインタビュー、ぜひご覧ください。
 

(掲載先:広報誌「HOSEI」2026年2・3月号)

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