「循環経済」という概念をご存じでしょうか。従来の製造業は、原料から製品を作り、使い終わったら廃棄する一方通行の「直線型経済=リニアエコノミー」が主流でした。一方、「循環経済=サーキュラーエコノミー」は、資源の分別・回収を効率化したり、部品の一部を再利用したり、自分で修理することを可能にしたりと、リサイクルのプロセスを高度化し、資源の消費や廃棄物の発生を抑えることを目標にしています。北田准教授は、そのような循環経済を日本で実現するための方法を模索し、研究を進めています。
北田准教授は「現在、環境省が研究を支援するサーキュラーエコノミー推進のためのプロジェクトに、東京大学などのチームと共同で取り組んでいます。実現に向けて具体的なプロセスを描き出し、環境省が今後、政策を立てていくための基盤を作ることが本事業の主な目的です。こうした国や自治体のプロジェクトに携わり、研究で得られた知見を社会実装につなげられる点に大きなやりがいと喜びを感じます」と語ります。Column「服1着を作る際に生じる驚きのCO2排出量とは!?」では、身近なファッションをテーマに、サステナビリティに関わる内容を紹介しています。
「サーキュラーエコノミーの普及・啓発を通し、社会で起きているさまざまな問題に関心を持って自分で考える人がもっと増えてほしいと思います。企業におけるサステナビリティ意識の社内浸透もそうですが、解決を他人に委ねるのではなく、誰もが問題を自分事として捉えられるようになれば、未来はより良く変わっていくでしょう。その実現に向けて、研究内容をより深化させていきたいです」と研究で実現したい未来を語ります。
循環経済の実現に向けて、資源を効率的に活用できる社会を目指す北田准教授のインタビュー、ぜひご覧ください。
(掲載先:広報誌「HOSEI」2024年10・11月号)
法政大学公式Instagramでも広報誌「HOSEI」の取材記事を中心に投稿していきます。本誌では掲載していない写真や取材のこぼれ話なども見ることができます。ぜひフォローをお願いします。