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ゼミ・研究室紹介:理工学部電気電子工学科 ナノ・マイクロシステム工学研究室(笠原崇史准教授研究室)

  • 2022年07月05日
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最先端の発光技術でエレクトロニクス分野のモノづくりに貢献

「笠原研究室では、ナノ(10億分の1)やマイクロ(100万分の1)メートルスケールの微細加工や精密分析技術を基盤とした最先端のモノづくりを追究しています。現在は主に『電気化学発光デバイス』の高性能化に向けた研究をしています」と紹介してくれたのは三井さん。

スマートフォンやテレビに使われる「有機EL※」は有機物の薄い膜から構成されます。デバイスの形状を柔軟に変えられるように、発光させる材料に溶液を用いるのが電気化学発光の特徴です。しかし、有機ELと比べて発する光が弱いことが課題。そこで、さまざまなアプローチで発光特性の向上に取り組んでいます。

「溶液に電流を流すことで化学反応を起こし、光を生成する現象が電気化学発光です」と解説してくれたのは小林さん。「材料の光化学特性を調べたり、酸化還元反応を測定しながら輝度を強化しようと探究しています」と実験の重要性を語ります。

「実験機材は取り扱いに注意を要する精密機械なので、3年次の春学期は主に座学で実験に必要な知識や技術を集中して学びました。秋学期からは、先輩に教わりながら実践的なトレーニングを進めています」と語るのは倉浪さん。「先輩とともに実験することで、より深い学びを得られます」と感謝を語ります。「自分の手を動かしながらモノづくりに携われるので、刺激的です」と話すのは大塚さん。「発光デバイスに関して知らないことも多いので、みんなで先行研究論文を読み込み、テーマに基づいて議論する勉強会なども開いています」と語ります。

3年次の終わりから、本格的な個別研究に取り組み始めます。学生の資質や興味に応じて笠原准教授が課題を提案し、相談しながら研究テーマを決めますが、途中で方向性を変えることも。まだ先行研究の少ない分野だけに、さまざまな可能性を考えながら柔軟に研究を進めています。コロナ禍の影響により行動が制約される前は、他大学の学生と共に実験する機会も設けられていました。

「笠原研究室で手掛けているのは、次世代のディスプレイには欠かせない、やりがいのある研究だと感じています。先輩方は次々と研究成果を上げて、学術論文を書き上げたり、国際学会で発表したりしています。自分も論文としてまとめられるような成果を出したい」と意欲をみなぎらせるのは波形さん。笠原准教授も「自らの感覚をフルに働かせ、失敗を恐れずに、学生ならではの斬新なアイデアを提案してほしい」と、研究室の学生を温かく見守ります。

※有機EL
正式名称はorganic electro-luminescence(オーガニック・エレクトロ・ルミネッセンス)。炭素を含む化合物である有機化合物に、電圧をかけると発光する現象を利
用した技術のこと

(初出:広報誌『法政』2022年4月号)

  • 上段左から、笠原崇史准教授、三井俊希さん、小林愛佳さん、 下段左から、倉浪大輝さん、大塚凌平さん、波形奏汰さん※全員、理工学部電気電子工学科4年

  • 3年生が主体となって開催する勉強会での様子。このときは「有機物質の発光過程」をテーマに、ディスカッションが重ねられた

  • 電気化学発光の実験により、試作部品(素子)が光を放つ様子

  • 研究室では、さまざまな精密機器を用いて、物質の特性や性質を評価する実験を行っている。ここでの実験データは卒業研究にも反映される

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