お知らせ

謹んで年始のご挨拶を申し上げます

  • 2022年01月01日
お知らせ

新年明けましておめでとうございます。

コロナ禍の中で迎える2度目の新年となりました。いまだ世界的な感染の収束は見通せない状況にありますが、その中でも「教育・研究を止めない」こと、状況に応じてその時点でできる最大限の学生生活を確保することを目指して大学の活動は継続しています。昨秋の学園祭は3キャンパスともに対面で実施し、感染者を1人も出すことなく終了することができました。3月の学位授与式、4月の入学式も、入場者を卒業生、入学生に限定しますが、昨年に続いて日本武道館で対面にて実施の予定です。

昨年1月末に、55・58年館建替工事が竣工し、完成した市ケ谷キャンパスも、密度を下げ、感染対策を取りながらですが、全面的な利用が始まっています。キャンパスのまん中にメインの校舎が建っていた配置に替わって、キャンパスの中央に広場が位置し、その周囲を校舎が取り巻く配置になりました。本来、学生や教職員、さらには多様なゲストが行き交う場所として構想されたキャンパスが、その想定通りの姿を見せるのはもう少し先になると思いますが、いまは人口密度の下がったキャンパスを眺めながら、キャンパスにおいて対面でしか実現できないことの本質は何か、ということに考えを巡らせています。

コロナ下での生活が長くなり、多くの人が、この状況への一定の「慣れ」と、出口が見えてこないことへのもどかしさの入り交じった状態にあるのではないでしょうか。しかし、苛立ってみたところで出来ることが変わるわけではなく、安易に慣れてしまえば大事なものを失い兼ねません。そろそろ「私たちはコロナ禍で何を獲得したのだろうか」ということを本格的に振り返って確認してみるべき時期に来ているように思います。新しく得たものとしてすぐに思い浮かぶのは、さまざまなオンラインの仕掛けですが、それを得たことの意味について、深く考えを巡らせることが必要になっているのではないでしょうか。それによって、今後の状況の展開に応じて、獲得したものをもっとも有効なかたちで展開して行ける準備が整っていくはずです。

昨年の「自由を生き抜く実践知大賞」には、例年以上に多く、学生の課外活動のエントリーがありました。コロナ下では、状況に流されることなく、知恵を絞って自分に出来ることを追求しなければ、充実した学生生活が送れません。コロナ前までであれば自然に得られた学生生活の自由を謳歌していた学生たちが、いまは意識的に努力して自由を生き抜こうとしていることが感じとれ、その成果からは、見事な実践知がかたちづくられていこうとしていることを心強く思いました。法政大学が、さらに力強くそれらが展開できる場となるよう、教職員一同つとめてまいります。

2022年がさらに一歩前に進んでいく年になることを期待し、それが実り多からんことを祈念して、新年のご挨拶といたします。

2022年元旦

法政大学総長 廣瀬克哉