若手が語る、法政大学の今とこれから
4名の若手職員が、日々の働き方、法政大学の未来について、語り合いました。学部事務、法人運営、付属校連携等、それぞれの立場から見える法政大学の魅力とは。

松田 私はキャリアデザイン学部出身ということもあって、仕事では他者のキャリア支援に携わりたいと考えていました。特に、大学の多様な設備・サービスを用いて、大学生のキャリア設計に携わることのできる大学職員に魅力を感じたことがきっかけです。
北野 私は学校教育に興味があったので、教育業界を軸に就活をしていました。様々な仕事がある中で、大学職員の業務の幅の広さに魅力を感じたのがきっかけです。いざ入職してみると想像以上に部署が多く、衝撃を受けました。
寺田 私も北野さんと似ていて、教育業界に興味がありました。大学職員という仕事を見ていくなかで、多角的に人の成長のサポートができることに魅力を感じ目指しました。総務部は、大学職員と聞いて想像しやすい部署ではないと思いますが、ありがたいことに人にも恵まれて、楽しく仕事ができているなと感じます。
相田 私は皆さんの志望理由に加えて、説明会に参加した時の職員間の雰囲気で最終的には決めましたね。大学スポーツの応援も好きなので、職員の立場で応援したいという気持ちもありました。
松田 私が思いつくのは、学位記交付式と卒業祝賀会の準備、つまり、社会学部の4年生を送り出す業務でしょうか。社会学部には、毎年約800名の卒業生がいるのですが、それだけの人数を送り出す準備は、私一人ではまかないきれないので、学位記の確認や、当日の流れの検討等、職員総出で準備します。卒業祝賀会についても、食事の手配、学生の表彰の準備、応援団への演舞依頼等、職員だけではなく、学生や先生方の力を借りて進めています。
卒業要件の確認で何度も相談に来ていた学生が、学位記交付式当日に「卒業できました!」とわざわざ声をかけてくれたことがありました。その時の学生の笑顔は忘れられません。
北野 800名!多いですね。理工学部は600名ぐらいですが、やはり一人で準備することはできません。例えば定期試験の対応もそうですよね。試験自体の運営、試験問題の印刷、試験監督の割り振り等、職員総出で対応します。学生の進級や卒業に深く関わる仕事なので緊張感はありますが、様々な職種の方々と協力して進めています。
それから、職員だけではなく、学生、先生方と関わることももちろん多いですよね。学生と協力し何度も話し合った結果、前向きに事が動いた時はすごく嬉しいですし、先生方の目指したい方向を汲み取って実現できた時には、ありがとうって言ってもらえて。やりがいに繋がっているなと思います。
相田 前部署の入学センターでは、主に秋学期入学者(英語学位)向けの出願システムのリプレイス(システムの更新)を任されていました。出願システムは個人情報の入力や出願する学部を選択するためのシステムですが、英語話者向けということで、全て英語で作らなければいけませんでした。私自身、英語がそこまで得意ではなく、留学経験もなかったのですが、他大学の出願システムを参考に自分なりに進めていました。ただ、さすがに一人では限界があって、チームのメンバーと一緒に協働しました。
例えば、システム上で合格発表を行う際に、業者から「アクセプト」と表示された合格発表画面のイメージが提供されました。「合格する」という単語があった時に、「パス」や「アクセプト」を使うと思いますが、第一次選考の合格と最終合格では少し意味合いが異なります。第一次選考の合格だと「パス」という通過する意味合いが自然ですが、最終合格の場合、入学を許可する意味合いがある「アクセプト」の方がより適切で、同じ「合格」という言葉でも結構意味合いが違ってくるんです。他のメンバーの意見を聞くことで、こういった細かいニュアンスやよりナチュラルな表現を知ることができました。実際システム稼働後、システムに関する問い合わせは全くなかったので、チームメンバーで意見を出し合ってシステムを構築できたことがとても印象に残っています。
松田 すごいですね!ご自身で英語の勉強もされていたんですか?
相田 英語は、少なくとも入学センターに在籍している4年半の間は、ほぼ毎日勉強していました。最初からできるに越したことはないとは思うんですけど、大学職員として入職してからも勉強を続けることができたので良い経験になったと思っています。
寺田 総務部でも、一人で仕事が完結することはなく、どのような仕事でも課内の誰かとペアを組んだり、チームを組んだりして進めていく体制になっています。1年目だし、よくわからないからといって上司に言われたことだけをやるのではなくて、「おかしいな」とか「これ気になるな」とか、規程を読んで「こうじゃないか」と思ったら、考えを上司に確認して、それに対するフィードバックをもらい、一緒に意見交換・議論をしながら業務を進めています。
総務部での業務は基本的にはできて当たり前、やって当たり前のことが多いので、「ありがとう」と言われにくいこともありますが、様々な部局との調整や関わりの中で「丁寧に対応してくれてありがとう」と言ってくれる人がいたら、私はすごく頑張れますし、モチベーションになっていると思います。
寺田 1年目で担当をした会議体について、会議資料の配付方法を変更・改善したことが、私が自ら動いて物事を進めた経験です。この会議体では、もともと2つのツールを使って資料を配付していて、資料の差し替えが起こることも少なくはなく、ミスの原因にもなりうるため、1つにまとめたいと考えていました。そんな中、学内に新しい資料共有サービスが導入されたことを知り、これを活用できないかと思い、上司に相談しました。上司の後押しもあり、提案書を作成して何度か修正を重ねた結果、運用まで結びつきました。
入職1年目でも、業務の課題に気づき、改善提案をすれば、受け入れてもらえる環境があることを実感し、自信につながりました。また、自ら提案書を作る中で、どうすれば提案が通るのか考える力もついたと思います。
相田 前部署の入学センターでは、留学生の広報活動を担当していました。法政大学に入学する留学生の多くが中国や韓国等アジア圏出身で、多国籍化が進んでいないことに課題を感じていました。そんな中、アラブ首長国連邦(UAE)出身の卒業生に相談したところ、UAE現地の留学イベントを紹介してもらいました。当初は円安や予算の関係で参加が難しいと言われていたものの、後にインドネシア出張で出会った他大学職員から同イベントの話を聞き、情報交換や調整を重ねて出展が実現しました。自分の問題意識を起点に、卒業生や他大学職員にヒアリングしながら形にできたことは、大きな達成感があり、今も形を変えながらではありますが、継続されている良い取り組みになったと思います。
また、現部署の付属校連携室では、付属校教員の勤怠システムを管理しています。付属校教員はフレックスタイム制を導入しており、システムに登録されている勤怠の不備や間違いを修正し、それを人事部に送るという流れになっています。
ただ、その仕組みがあまり整理されていないと感じたんです。今年度になって一度フローを見直そうという話が出たため、私が中心となって整理を進めました。まだ課題もありますが、見直しの中で「こんな機能があればもっと勤怠管理が楽になるのでは」という意見も出てきているので、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
北野 私が自ら動いて物事を進めた経験は2つあります。
1つ目は、理系学生が抱える課題へのアプローチです。入職1年目は、目の前の業務を覚えることに必死でしたが、2年目になると学生一人一人の背景に目を向ける余裕ができました。特に休学や留年をする学生を見て、「この学生はどんな課題を抱えているのだろう」「自分にできることはないだろうか」と考えるようになりました。そこで注目したのが、上級生が下級生を学習面で支援する「ラーニングサポーター制度」です。制度自体はあるものの、利用者が少ないことが課題だったため、学生への周知や利用を促す取り組みを進めました。学生同士がつながるきっかけを作り、孤立しがちな理系学生のサポート環境づくりに貢献できたと感じています。
2つ目は、小金井キャンパスのブランディング推進です。入職2年目から全学的なブランディング推進チームの一員として、「法政大学に誇りや愛着を持てる学生を増やす」ことを目標に活動しています。現在はオープンキャンパススタッフと協力し、「小金井キャンパスが好き」と思える学生を増やすイベントの実現に向けて準備を進めています。
松田 ラーニングサポーターへの働きかけ、素晴らしいです!社会学部では、新入生の履修サポートを先輩学生が行っています。約900件の問い合わせにも主体的に対応してくれ、事務課の負担軽減にもつながりました。これからも、学生ならではの強みを生かしながら学生自身が「自分も参加したい」と思える場を職員として作っていきたいと考えています。
寺田 現在入職2年目で、まだ日常業務や新しい業務の習得に注力しているため、大きな野望はありませんが、若手でも提案をして実現できる風土があることを実感しています。また、自身の気持ちや考えレベルのものを提案として汲み上げて、未熟な部分を補って一緒に考えてくれる先輩職員もいらっしゃって、そういった方に出会えて本当に良かったなと思っています。経験や考え方、得意不得意の違う人達が集まることで、より高い成果や効果を得られると思いますし、その過程において互いにコミュニケーションを取って成長しあえるというのが、チームで働く醍醐味かなと思っています。自身が業務を通じて気づいたことがあった時には、積極的に発信をし続けることを心がけています。チームで補い合いながら、協働していくような法政大学の文化を今後も大切に、してもらったことを還元していきたいなと思っています。
北野 私は、「教職協働」の意識を忘れず、教員と職員の距離を縮めて学部の課題解決やスピード感のある業務遂行につなげたいと考えています。そのためにはお互いを理解し信頼関係を築くことが重要で、先生方の研究内容を理解し、自分たちの業務内容を知ってもらうことから始めています。もう1つ、法政大学の広報力の向上に貢献したいなと思っています。「法政大学らしさ」を考え続けたいですね。職員しか知らないこともたくさんあると思っているので、「法政大学の良さを、もっと多くの人に知ってもらいたい」という気持ちを忘れずに働き続けたいです。
松田 私も広報力をテーマに考えています。法政大学には学生の挑戦や主体性を後押しする校風があり、その魅力をより多くのステークホルダーに伝えたいです。座学だけでなく、学生が自ら体験することが確かな知識につながる――これは、法政大学憲章に掲げられている「自由を生き抜く実践知」にも通じると考えています。学生が大学の理念を体現する学生生活を送れるよう、発信や支援の面で貢献していきたいです。
相田 皆さんが言われていること、本当に素晴らしいですね。私としても、法政大学憲章や、建学の精神に向かって業務をするということはもちろんのこと、「選ばれ続ける大学」でありたいという思いを強く持っています。
例えば、一般選抜で入学する学生だけでなく、留学生や付属校生にも視野を広げて、長期的に大学全体のブランド価値を高めていくことが大切だと感じています。
選ばれ続けるような大学であるということは、学生、先生方、私たち職員一人一人の、前向きな取り組みの結果で生まれるものだと思います。法政大学がこれからも多様な人々に選ばれ、信頼される大学であり続けるよう、職員として自分にできることを一つ一つ積み重ねていきたいと思います。
若手であっても自ら発案して行動できる。チームで支え合いながら、学生や教員、さまざまなステークホルダーと協働して大学を創っていく。それが法政大学の職員です。私たちと一緒に、法政大学の未来の担い手になりませんか?