2025年4月1日更新
研究代表者 | デザイン工学部教授 西岡 靖之 |
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主たる研究分野 | 生産システム工学と情報工学および経営工学が横断する分野 |
研究概要 | インターネットの爆発的な普及にともなうイノベーションにより、生活の仕方、仕事の仕方、ビジネスの仕方が大きく変化している。デジタル化とネットワーク化がもたらしたインパクトは、音楽や画像、方法や出版といったコンテンツに関わる産業のみならず、マーケティングや販売、物流といった従来業務の置き換え、そしてこれまでITとはあまり縁のなかった製造業の生産現場まで及んでいる。 特に、IoT(モノのインターネット)によって、生産現場にあるさまざまなモノや機械がネットワークでつながり、それらがある程度自律的にふるまうことが可能となったとき、これまで人が中心となっておこなってきた生産システムは、大きくその形態を変えることになるはずである。日本の生産現場は、カイゼン活動によって、人が自律的に生産システムそのものを改良、カイゼンしてきた文化があり、これが競争力の源泉ともなっていることを鑑みると、IoTの流れにどのようにとらえ、対応するかは多くの製造業にとって、非常に重要な課題となる。 この分野の研究は、システム制御技術やフレキシブル生産技術、あるいはこうした技術によって自働化された生産設備や機器をデジタルネットワークでつなぐ情報通信技術などを対象に行われてきた。一方、生産管理、品質管理、在庫管理、そして保全管理など、工場における管理技術は、経営工学やオペレーションズリサーチなどの分野における研究となる。さらには、こうした管理技術をデジタル化し、業務システムとして機能させるためには、ソフトウェア工学、情報システム工学からのアプローチが必要となる。 このように、ものづくりの現場をデジタル化、ネットワーク化し、つながるものづくりを実現するためには、既存のさまざまな学問分野、研究領域を横断する取り組みが必要となる。そして、こうした取り組みは、大学など学術サイドからのアプローチだけでは決して実現できるものではなく、産業界サイドからの積極的な関与が欠かせない。多くの製造業は、これまでこうした取り組みを、企業内部で独自におこなってきたが、企業の壁をこえてつながるものづくりを実現するために、この分野においても徐々にオープン化の機運が高まっている。 つながるものづくり研究所は、こうした社会のニーズを受け、産学官連携のための場を提供するとともに、モデリング技術、シミュレーション技術、スケジューリング技術、数値解析技術、最適化技術、そして人工知能関連技術などを用いて、つながるものづくりに関する新たな手法の提案と、実際の製造業やその関連企業におけるさまざまな課題を解決する。そして、こうした活動を通じてさまざまな手法の実証事例を蓄積し、日本的なつながるものづくりのプラットフォーム構築における基礎理論の構築に貢献することを目的とする。 |
研究員 |
野々部 宏司 (デザイン工学部 教授) |
設置期間 | 2025年4月1日~2030年3月31日 |
設置場所 | デザイン工学部システムデザイン学科情報マネジメントデザイン研究室内 |
HP |