設置終了した研究所

サステイナビリティ研究センター[2018年度閉鎖]

設置終了した研究所

研究員等の職は、設立当時のもの

研究代表者 社会学部教授 舩橋 晴俊
主たる研究分野 環境社会学、環境倫理学、環境法
研究概要

<本研究所の目的>
本研究所の目的は、環境サステイナビリティの達成を実践的な関心としつつ、現代社会において、それを阻害している要因とメカニズムを解明するとともに、ど のような制度、政策、運動によって、その達成に接近していくのかを、環境社会学、環境倫理学、環境法学などの学際的協働を通して、探究することである。同 時に、そのような研究を支えるプラットフォームとしての環境アーカイブズや環境問題のデータベースの整備を目指していく。

<本研究所設置の背景>
2009年8月より、文科省より大型助成金を得て、サステイナビリティ研究教育機構(略称、サス研)が設立された。サス研は、環境サステイナビリティのみ ならず、経済、福祉のサステイナビリティをも対象範囲として、大学院レベルの研究、教育水準の高度化に貢献するべく、学際的協働の理念に基づいた取り組み を通して、さまざまな成果を上げてきた。しかし、諸般の事情により、2012年度末をもって閉鎖することになった。サス研関係者としては、サス研のはたし てきた機能を、本学の中に多元的な拠点を確保することによって、引き継いでいくことが必要であると判断し、その一環として、複数の特定課題研究所を設置す ることが効果的かつ必要であると考えるに至った。そのようなサス研の諸機能の多元的継承の一環として、本研究所を設置し、サス研が取り組んできた諸課題を 順次完成させていくことが、本学にとっても意義深いと考える。
サス研の取り組んできた諸課題のうち、環境サステイナビリティに関連する諸課題を継承しつつ、さらに、それを発展させるべく、本研究所は、以下のような課題に取り組む。

  1. 環境アーカイブズの資料収集支援
    サス研は、日本各地の環境問題の一次資料の寄贈・寄託をうけて、環境アーカイブズを構築してきた。サス研閉鎖後は、環境アーカイブズを大原社研が引き継ぐ ので、その資料収集を支援し、重要な環境問題にかかわる一次資料を文書系、映像系の2系列にわたって、並行して収集する。
  2. 環境問題データベースとしての資料集と年表の作成
    環境アーカイブズを基盤にしながら、環境問題のデータベースとなるような各種の年表と、研究資料集を慣行する。
  3. 脱原発ソフトランディングの研究
    脱原発ソフトランディングのためには、さまざまな課題があるが、当プロジェクトではその中でも、放射性廃棄物問題、福島原発事故被災地での除染問題、原発に依存してきた地域での自治体財政・地域経済の自立問題の三つを取り上げ、現状の解明と提言を目指す。
  4. 再生可能エネルギーによる地域振興の研究
    再生可能エネルギーは、分散的にまた各地に広く存在しているという技術的特性ゆえに、各地における地域振興に貢献するという潜在力を持っている。その潜在 力を引き出し、結実させるための政策を検討する。各地域で、自治体、企業、市民団体が、地域に根差した再生可能エネルギー事業の構築に取り組みつつある。 その実態を調査するとともに、知見の蓄積を現場に還元して、情報支援を行う。
  5. 原発震災の被災地としての福島県の復興支援
    汚染問題を克服し、福島県の各地域の復興のために何が必要なのかを、現地の人々と協力しながら、探っていく。とくに、同様の課題に福島県現地で取り組んでいる福島大学「うつくしまふくしま未来支援センター」との学術的交流に取り組む。
  6. 研究成果の情報発信
    研究成果を、機関誌『サステイナビリティ研究』や、個別の論文、研究書、ホームページなどを通して、社会的に発信していく。『サステイナビリティ研究』は、これまで、サステイナビリティ研究教育機構が編集・刊行する雑誌であったが、その蓄積を継承していく。

<本研究所設置の活動経緯>
 2009年8月に法政大学サステイナビリティ教育研究機構が発足し,「サス研フォーラム」の連続開催,国際シンポジウムの開催,研究書の公刊,若手研究者の育成などを展開し,2013年3月に閉鎖しましたが,同年7月に法政大学サステイナビリティ教育研究機構が取り組んでいた環境問題領域の主要プロジェクトを継承する形で法政大学サステイナビリティ研究所として,再発足しました。
 法政大学サステイナビリティ研究所は文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の採択を受け5年間(2013年度~2017年度)に渡り「エネルギー戦略シフトによる地域再生―原子力依存度の漸減と地域自然エネルギーの振興」を研究プロジェクトテーマに設定し,年表・アーカイブズ事業,原発事故被災地再生研究,シンポジウム開催,再生可能エネルギーによる地域社会の構造的再生研究,学術雑誌『サステイナビリティ研究』の公刊を行うなど精力的な研究活動を行ってまいりました(2018年 4月より「サステイナビリティ研究センター」に名称変更)。
これらの研究活動により一定の研究成果が得られたことなどから2019年 3月31日を以て閉鎖することになりました。
 この間,学内外を問わず多くの方からご支援・ご協力をいただきましたことに深く感謝申し上げますと共に,当センターの成果物等が皆様の研究に広く活用いただけましたら幸甚です。

<参考>

(1)本研究所の活動年表

(2)本研究所の報告書/刊行物

(3)本研究所収蔵資料(環境アーカイブス)

研究員

壽福 眞美 社会学部教授
長谷部 俊治 社会学部教授
小林 直毅 社会学部教授
堀川 三郎 社会学部教授
西城戸 誠 人間環境学部准教授​​​​​​​
常盤 祐司 情報メディア教育研究センター教授
金 慶南 大原社会問題研究所准教授
白井 信雄 サステナビリティ研究所教授
清水 善仁 大原社会問題研究所准教授

設置期間 2013年1月1日~2019年3月31日
設置場所 法政大学 多摩キャンパス