設置終了した研究所

サステイナビリティ研究所

設置終了した研究所

2018年6月27日更新

研究代表者 社会学部教授 舩橋 晴俊
主たる研究分野 環境社会学、環境倫理学、環境法
研究概要

<本研究所の目的>
本研究所の目的は、環境サステイナビリティの達成を実践的な関心としつつ、現代社会において、それを阻害している要因とメカニズムを解明するとともに、ど のような制度、政策、運動によって、その達成に接近していくのかを、環境社会学、環境倫理学、環境法学などの学際的協働を通して、探究することである。同 時に、そのような研究を支えるプラットフォームとしての環境アーカイブズや環境問題のデータベースの整備を目指していく。


<本研究所設置の背景>
2009年8月より、文科省より大型助成金を得て、サステイナビリティ研究教育機構(略称、サス研)が設立された。サス研は、環境サステイナビリティのみ ならず、経済、福祉のサステイナビリティをも対象範囲として、大学院レベルの研究、教育水準の高度化に貢献するべく、学際的協働の理念に基づいた取り組み を通して、さまざまな成果を上げてきた。しかし、諸般の事情により、2012年度末をもって閉鎖することになった。サス研関係者としては、サス研のはたし てきた機能を、本学の中に多元的な拠点を確保することによって、引き継いでいくことが必要であると判断し、その一環として、複数の特定課題研究所を設置す ることが効果的かつ必要であると考えるに至った。そのようなサス研の諸機能の多元的継承の一環として、本研究所を設置し、サス研が取り組んできた諸課題を 順次完成させていくことが、本学にとっても意義深いと考える。
サス研の取り組んできた諸課題のうち、環境サステイナビリティに関連する諸課題を継承しつつ、さらに、それを発展させるべく、本研究所は、以下のような課題に取り組む。


1.環境アーカイブズの資料収集支援
サス研は、日本各地の環境問題の一次資料の寄贈・寄託をうけて、環境アーカイブズを構築してきた。サス研閉鎖後は、環境アーカイブズを大原社研が引き継ぐ ので、その資料収集を支援し、重要な環境問題にかかわる一次資料を文書系、映像系の2系列にわたって、並行して収集する。
2.環境問題データベースとしての資料集と年表の作成
環境アーカイブズを基盤にしながら、環境問題のデータベースとなるような各種の年表と、研究資料集を慣行する。
3.脱原発ソフトランディングの研究
脱原発ソフトランディングのためには、さまざまな課題があるが、当プロジェクトではその中でも、放射性廃棄物問題、福島原発事故被災地での除染問題、原発に依存してきた地域での自治体財政・地域経済の自立問題の三つを取り上げ、現状の解明と提言を目指す。
4.再生可能エネルギーによる地域振興の研究
再生可能エネルギーは、分散的にまた各地に広く存在しているという技術的特性ゆえに、各地における地域振興に貢献するという潜在力を持っている。その潜在 力を引き出し、結実させるための政策を検討する。各地域で、自治体、企業、市民団体が、地域に根差した再生可能エネルギー事業の構築に取り組みつつある。 その実態を調査するとともに、知見の蓄積を現場に還元して、情報支援を行う。
5.原発震災の被災地としての福島県の復興支援
汚染問題を克服し、福島県の各地域の復興のために何が必要なのかを、現地の人々と協力しながら、探っていく。とくに、同様の課題に福島県現地で取り組んでいる福島大学「うつくしまふくしま未来支援センター」との学術的交流に取り組む。
6.研究成果の情報発信
研究成果を、機関誌『サステイナビリティ研究』や、個別の論文、研究書、ホームページなどを通して、社会的に発信していく。『サステイナビリティ研究』は、これまで、サステイナビリティ研究教育機構が編集・刊行する雑誌であったが、その蓄積を継承していく。

研究員

壽福 眞美 社会学部教授
長谷部 俊治 社会学部教授
小林 直毅 社会学部教授
堀川 三郎 社会学部教授
西城戸 誠 人間環境学部准教授

大学院
特任研究員

湯浅 陽一    関東学院大学文学部准教授
茅野 恒秀    岩手県立大学総合政策学部講師
大門 信也    関西大学社会学部助教
眞田 康弘    京都光華女子大学非常勤講師
吉野 馨子    和洋女子大学非常勤講師
設置期間 2013年1月1日~2014年1月29日
設置場所 社会学部 舩橋晴俊研究室