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【2023年度(第7回)自由を生き抜く実践知大賞】大賞「防災ゲーム『ツナグ』の取り組み」紹介

  • 2024年03月15日
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受賞名

大賞

受賞取組

防災ゲーム『ツナグ』の取り組み

実践主体

法政大学 チーム・オレンジ

取り組み内容

私たちチーム・オレンジは、東北ボランティアツアーや防災キャンプといった企画を通して、防災の大切さを広める活動をしてきた。一方で、防災に一切関心の無い人たちに向けた活動ができていないという課題を抱えていた。そこで無関心層に向けた企画として、『ツナグ』の制作が行われた。『ツナグ』は防災に興味がない人でも楽しめることをコンセプトにしたカードゲームで、従来の防災ゲームが抱える窮屈なゲーム性、専門的で難しいといった課題を、自由度の高いゲーム性、そして誰でも楽しめるルールにすることで解決している。 
ここからは『ツナグ』を使った活動を2つ紹介する。一つ目は、「防災クイズ&ゲームday」での活動である。本イベントは来場者に防災ゲームを体験してもらうイベントで、私たちは『ツナグ』のプレイ会を行った。当日はさまざまな年代の方が参加して、ゲーム性と防災学習の点から『ツナグ』は大変好評だった。二つ目は京都先端科学大学様との共同企画の『ツナグ』英語版の作成及びイベント企画である。この企画は留学生の方に日本の防災を知ってもらうことを目的としており、今後は法政大学の留学生へ向けた企画へ展開していく予定である。

実施しての感想

この取り組みによって、チームオレンジは今まで防災に無関心な層の人たちに向けて活動することが可能になった。
そしてこの取り組みは、人々の防災意識の向上に貢献するとともに従来の一方向的な学びではない、双方向的な学びの重要性を示すことができたと自負している。加えて「遊びながら防災を学ぶ」というアプローチの成功例となることで、防災を広める活動に対して、新たな選択肢を与えることができたと考えている。
これからも私たちは『ツナグ』を活用した企画を行い、防災の大切さを伝えていきたいと考えており、今回の「自由を生き抜く実践知大賞」をきっかけに『ツナグ』をより多くの人に広めたいと思っている。
最後に、私たちは制作にあたりチームオレンジのメンバーはもちろん、市ヶ谷ボランティアセンターの職員の方々、印刷会社の方々、京都先端科学大学の方々、『ツナグ』を取り上げてくださったNHKと共同通信社の方々など多くの人と関わり合い、自分たちが恵まれた環境にいることを認識することができた。今後もこの環境に対して感謝の心を忘れずに活動していきたいと思う。

総長からの選定理由コメント

防災の取り組みは平常時から繰り返し定着させていくことが大事だが、繰り返されればされるほど、取り組むことを形の上で繰り返すだけという状況に陥りやすい。さらに、関心を示さない人に対して浸透させることが期待されるが、その実現は容易ではない。これらの課題に応えるために、誰もが楽しめるように設計された防災ゲーム『ツナグ』を制作し、それを活用した企画を実施することによって浸透を図った取り組みである。楽しみながら、結果的にみんなの大きな課題に対する認識を深め、災害に対応する準備の向上につなげている。ゲーム化するというアイディアと、それを活用した企画によってその実効性を高める実践性が、大賞に相応しいものと評価された。

受賞の感想

表情式当日に総長からのお話にもあった通り、活動がテンプレート化している人たちに向けて活動をはじめた防災ゲーム『ツナグ』ですが、こうして名誉ある賞をいただけてほっとしましたし、大変ありがたく思います。『ツナグ』という名称は「人と防災を繋ぐ」という願いを込めて付けました。そうした『ツナグ』の取り組みがこうして皆さんに受け入れられた、それだけでありがたいのですが、それに加えてこのような名誉ある賞をいただけたということがこの賞がゲームの認知度を高めるきっかけとなり、さらに全国の方に『ツナグ』を通して防災に触れていただけたら嬉しいです。このたびはありがとうございました。