能楽研究所では1月17日に「第44回観世寿夫記念法政大学能楽賞」および「第32回催花賞」の贈呈式をおこないました。時節柄、祝宴は中止いたしました。
観世寿夫記念法政大学能楽賞は、世阿弥の花の思想を体現し、常に"能とは何か"を問いつづけ、1978年12月7日、53歳で急逝した観世流の能役者、観世寿夫氏の能界劇界における業績を記念して、遺族からの寄金に基づき法政大学が1979年6月に設定しました。
顕著な業績や舞台成果を示した研究者・評論家・能役者、能楽の普及に貢献した個人・団体に贈られ、毎年命日の清雪忌に発表しています。
催花賞は、「観世新九郎家文庫」寄贈を記念して設定された「服部記念法政大学能楽振興寄金」に基づき、1988年4月に設定された賞で、多年にわたって能楽の発展並びに後継者の育成に顕著な功績を果たされた演者、能楽三役(囃子方、ワキ方、狂言方)等の研究及び能楽の振興と普及発展に貢献された個人又は団体を顕彰しています。
両賞ともに歴史と権威ある賞として評価が高く、これらの選考実務も能楽研究所の事業の一つです。
2022年度の受賞者は以下のとおり決定しました。
・第44回能楽賞 ... 稲田 秀雄氏(能楽研究者)、味方 玄氏(シテ方観世流)
・第32回催花賞 ... 武蔵野大学能楽資料センター
受賞者の記念撮影(左から,稲田 秀雄氏、味方 玄氏、武蔵野大学能楽資料センター(三浦 裕子氏))