2016年度

1月

2016年度

1月28日(土)

校友会の​オール法政新年を祝う会が開催された。千人に近い校友が全国から集まった。校友会は桑野会長のもとでますます結束し、さまざまな面で大学を支えてくれている。

1月27日(金)

「軍事研究・デュアルユース(軍民両用)研究等に関する本学の対応について」を発表した。多種の新聞に取り上げられ、取材申し込みもあった。

校友会から今年も多額のご寄付をいただき、桑野会長に感謝状をお渡しした。

1月25日(水)

観世寿夫記念法政大学能楽賞贈呈式があった。今年の受賞者は笛方森田流の松田弘之氏と、能の本質を現代演劇に活かした演出家、岡本章氏である。私は挨拶で、お二人を「本来の能をしっかり定着させているかたと、能を他のジャンルに展開させているかた」と評した。1960-70年代では、伝統演劇の身体動作を批評的に現代演劇に使いこなした。その伝統演劇の中心が能だった。それは世界に広まっていった。本質を継承する人がいなければいずれ伝統は消え去る。しかし展開する人がいなければ、いずれ忘れ去られる。能はその両方を持ち続けてきた。それはすごいことだ。

1月24日(火)

『週刊朝日』「我が大学が求める学生と若者に読んでほしい1冊」の取材があった。まずは自著『自由という広場』である。卒業生たちが、自らの思考力、判断力をいかに力強く育てていたか、この本で書いたのである。その話の途中で出てきたのが、日本でもっともノーベル文学賞にふさわしい石牟礼道子の『苦海浄土』。さらに私から提示したのは、本学卒業生、渡辺京二の『逝きし世の面影』である。誰かが「日本を取り戻す」などと言っているが、その日本はどういう日本なのか。軍事的、経済的に「強さ」を自慢する日本とは全く異なる日本が、この本の中には描かれている。渡辺京二は『苦海浄土』を世に出した編集者でもあり、今でも石牟礼道子を支えている。

1月21日(土)

今年も、後援会主催のオール法政賀詞交換会の日がやってきた。3年前のこの日、次期総長に正式決定した私は、この壇上で初めての挨拶をしたことを思い出す。それから3年、あっという間だった。マニフェストに掲げたHOSEI2030をなんとか策定し、いよいよ実現の時に入る。支えて下さった理事、教職員、校友会、そして後援会の皆様、ありがとうございました。

前後援会会長の小林章氏が、トランプ大統領就任にちなんで素晴らしいスピーチをなさった。いわく、分断によって強いアメリカを作ろうとしているが、法政大学はその正反対で、ダイバーシティこそ重要な価値だとしている。それに賛同する、と。まさにそのとおり。「長」をはずれたからこそ述べることができる、力強い私見だった。後援会も校友会も、役割だけでなく、個人としての人の魅力が出会う場所である。

夜には公認会計士合格者祝賀会がおこなわれた。昨年の23名から10名も増えて33名の合格者を出した。公認会計士は監査など、その仕事の重要性は増している。健全な社会を作るためには無くてはならない仕事である。視野を世界に広げて、良いお仕事をしていただきたい。

1月17日(火)

国際日本学研究所主催で、第2回ヨーゼフ・クライナー博士記念法政大学国際日本学賞の授賞式と記念講演会が行われた。ヨーゼフ・クライナー博士はウィーン生まれで、ヨーロッパを代表する日本学者だ。研究所の設立にも発展にも大きな役割をして下さった。とくに沖縄研究や、日本人の生活に密着した民俗学の分野、そして仏教美術の世界的なネットワーク構築に尽力して下さった。この賞はそのクライナー博士にちなんだ、若手の海外日本研究者に与えられる賞である。

今年は、セント・アンドリュース大学のルーク・ガートラン氏への授賞が決まった。その著書A Career of Japan: BaronRaimund von Stillfried and Early Yokohama Photography (Brill, 2016)はまだ読んでいないが、とても興味深い。つまり写真というものが、どのように政治的に使われ、あるいは時代を作ってきたかを、明治時代に絞って研究している本なのである。

記念講演は、明治天皇の写真がどのような経緯で撮られ、どのように扱われたかを論じたもので、歴史というものは細部の経緯に入ってはじめてその成り立ちがわかるものだ、と改めて思った。詳細は以下のウェブサイトで見ていただきたい。

1月12日(木)

皆様、あけましておめでとうございます。今年初めての総長日誌です。

2018年度用大学案内の写真撮影がおこなわれた。今年は富士見ゲートで、外濠公園の緑を背景に撮影。富士見ゲートは気持ちの良い場所だ。