2015年度

11月

2015年度

11月30日(月)

多摩キャンパス職場訪問を実施しました 。今回は4学部の事務、総合情報センター、保健体育部、射撃部などを訪問しました。多摩4学部の職員は、互いに他の学部窓口を体験するという画期的な試みをしました。その結果を伺いましたが、学んだことをすぐに自分の部署で実行してみる、という心意気に感嘆しました。相互体験は数時間でも1日でも効果があります。ぜひ他の部署でも試みて下さい。

11月29日(日)

群馬県校友会で公開講演会を企画して下さいました。そこで、「大学教育のこれから」と題して、法政大学の事例を挙げながら、今はどういう時代であるのか、教育はどう対応すべきかを、お話ししました。テーマは「おまかせします」ということだったのですが、懇親会では「江戸について聞きたかった」という声がありました。しかし公開講演会は、一般の方に法政大学について知っていただくことを第一の目的にしています。もちろん講演では、グローバリゼーションとの関係で、必ず江戸時代の話をしています。

テーマの希望は必ず伺っていますので、ぜひ独自の企画でテーマをご提案下さい。「おまかせします」の場合、後から「こうして欲しかった」は無し!です。

11月26日(木)

栃木県立小山西高校の30周年記念に行って参りました。記念講演「世界のどこでも生き抜く力」を企画して下さったからです。ちかごろ私の講演では、法政大学の卒業生を紹介しながら、組織に頼らず自ら切り拓いていく力強さをお話ししています。

独立して自ら代表者になっているかたが少なくありません。それだけでなく、すでにグローバル化してしまっているこの現実に、それぞれがどう対応しながら生きていくのが良いのか、考えてもらう内容にしています。生徒さんたちは、驚くほど真面目で熱心でした。少しでも法政大学に関心をもち、受験して下さるよう、心から望んでいます。

11月23日(月)

「戦後70年 法政大学と出陣学徒―記憶と記録」の公開シンポジウムが開催されました。すでに2013年12月16日に「学び舎から戦場へ-学徒出陣70年法政大学の取り組み-」をおこなっています。学徒出陣は、大学が二度とおこなってはならないことです。その原因を検証し、前総長の「平和への誓い」を受け継ぎます。

以下は、今回の公開シンポジウムのために書いた文章です。今回の図録にも掲載されています。

11月22日(日)

本学のキャリアデザイン学部長である金山喜昭教授の采配で、野田市郷土博物館の講演をおこなってきました。今は「押絵師・勝文斎」展を開催中です。この人物は浮世絵師の流派である勝川派の絵師で、人形町に暮らしていました。そこで、江戸における創造活動はどのような仕組みでおこなわれていたのかを、話してきました。ちなみに野田市郷土博物館には法政大学卒業生の学芸員が二人おり、金山ゼミの学生たちも様々な講座の企画をおこなっています。茂木本家美術館や上花輪歴史館の見学もおこない、江戸から明治にかけて、地方がいかに新しい産業に情熱を傾けたか、実感してきました。

11月20日(金)

関西大学の理事長と、後援会長および後援会役員の方々が本学を訪問されました。ボアソナード博士の教え子によって設立されたことや、その規模、後援会設立の経緯など、法政大学とは多くの共通点があり、長い交流の歴史をもっています。学長とは月に1、2回、私大連で顔を合わせますので、とても近しい存在です。これからもよろしくお願いいたします。

集英社の4つの賞の授賞式がおこなわれました。私は開高健ノンフィクション賞の審査員なので毎年列席します。今年の受賞作は満州建国大学を取り上げた作品で、大学のグローバル化とは何か、大学と国家の関係はどうあるべきかなど、多くのことを考えさせられました。7月25日の日誌でも、選考会のことを書いています。ところで、この授賞式パーティで本学の金原瑞人教授と奥様にばったり会ったことがあります。「どうしてここに?」と聞くと「娘が受賞したから」との答にびっくり。金原ひとみさんが芥川賞をとる前年、2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞したときのことです。

法政大学財界人倶楽部の懇親会がおこなわれ、ご挨拶に立ち寄りました。卒業生のなかの経営トップの方々の集まりです。頼りにしています。

11月19日(木)

法政中学高等学校のPTAキャンパスツアーがおこなわれ、その冒頭で講演しました。能力を伸ばすには何が大切か、お話ししました。

私が私大連の代表として委員をつとめている東京都の「男女平等参画審議会」のスタッフが報告に来られました。先進的な取り組みをしている団体と個人を顕彰する審議結果の報告です。大学も募集分野のひとつですが、応募大学がほとんどありません。本学も応募しませんでした。しかし、非常に興味深い取り組みをしている大学がありました。受賞の公開以後改めて日誌で報告します。「ダイバーシティ化委員会」を設置した本学も、来年はぜひ応募したいと思いました。

11月18日(水)

外部の識者による、大学評価に関する質疑がありました。大学は自己評価だけでなく、その大学に関わりの無い識者によって客観的な観察、考察、評価、批判がおこなわれ、質疑に応答しなければなりません。忌憚の無い意見がぶつけられますが、さまざまなことを学び、考えを深めることのできるめったにない貴重な機会です。批判を恐れないこと、真摯に受け止めるべき批判はまっすぐに受け止めることが、個人でも組織でも、より良くなるためにはとても大事なのです。学ぶためには「言い訳厳禁」です。

文学部史学科教授で、国際日本学研究所長でもある小口雅史先生の表彰式を行いました。学術振興会の科学研究費助成事業における審査委員表彰対象に、小口先生が選ばれたのです。「裏の顔で選ばれました」とは小口先生の弁。小口先生は日本の古代史および北方史の研究者ですが、私よりはるかに徹底したインターネットおたくで、古代文献文字のデジタル化に貢献しておられます。審査はそのデジタル化に関係した事柄だったとか。「裏の顔」とはインターネットおたくの顔です。ちなみに研究所組織においては、小口先生は私の誇る上司です。

今日は夜になって、総長室で上野千鶴子さん(東大名誉教授)と対談しました。テーマは春画、掲載誌は『ユリイカ』です。私がオックスフォード大学にいた1993年の8月13日にロンドンの大英博物館で春画研究が始まりました。専門家は誰もおらず、さまざまな領域の研究者が日米英蘭から集まったのです。上野さんはフェミニズムの社会学者として、私は江戸文化研究者として参加しました。その後の研究は編集者の故・白倉敬彦氏が中心となって展開し、今、日本で初めての春画展が、細川護煕氏が理事長をつとめる永青文庫(細川家の美術館)で開催されています。22年の歳月が流れました。上野千鶴子さんは現在、WAN(ウイメンズ・アクション・ネットワーク)の理事長。『おひとりさまの老後』『おひとりさまの最期』が売れていますが、本人はあまりに忙しくて「老後が来ない!」と悩んでいました。

11月17日(火)

日本私立大学連盟(私大連)の総会は年2回あり、1回は京都で開催されます。今日は京都に行ってきました。小委員会の座長としてとりまとめた声明を理事会と総会で説明し承認を得ましたので、文科省、産業界、加盟大学に対して、私立大学の姿勢を表明することになります。

11月16日(月)

イノベーション・マネージメント研究科の岡本吉晴教授と、HOSEI ONLINEの対談をしました。インターネットの普及がどのように社会を変えるか、そして大学はそのような社会にどう対応すべきかなど、共感することがとても多く、じつに楽しい対談でした。私は実はインターネットおたくで、会議の時の書類はデジタルを使い、保存はもちろんデジタルなので総長室に紙はほとんどなく、書籍はデジタル化して読み、新しい機種が発売されるとそわそわし、アップル・ウオッチを買いたい気持ちをおさえていましたが、岡本教授との対談でその抑制がはずれそうです。困った!

来年の広報に使う写真撮影をしました。着物3種の撮影です。インターネットと着物は、私の中で仲良く共存しています。

11月15日(日)

TBS「サンデーモーニング」に出演しました。最初から最後まで、パリの同時多発テロについての報道でした。ドイツ、デンマーク、ベルギーなどの海外出張予定を終えてパリ経由で帰国して10日ほど後に起こった事件です。私は後藤健二さんのことを思い出し、その話をしました。多くの在学生、卒業生が世界に出て行く時代です。日本人も標的になっています。在外日本人ばかりでなく、日本の国土も標的になっている可能性があります。学生、卒業生たちの無事を祈りばかりです。皆さんは、外国は危険で日本は安全、とは思わないで下さい。そういう理由で国内に閉じこもるのではなく、今こそ世界を知り、本当の解決とは何か、考え続けて下さい。

11月14日(土)

総長日誌は1週間ぶりです。予算編成の時期で会議つづきでしたから、皆さんに報告できるトピックが少ないのです。今日は卒業生のなかで高校教師になった方々に集まっていただきました。毎年おこなっている催しものです。

私からは法政大学の現在とこれからをお話しし、教職課程センター長の尾木直樹教授は今の学生たちことと、どのように能力を伸ばしたら良いかを話して下さいました。その後、教育学を専門にしている社会学部の平塚眞樹教授も参加して、3人で皆さんからの質問に答えました。皆さんはその後、お互いの懇親を深めました。

教師志望の学生は、卒業後にぜひこの催しに参加して下さい。他の学校のさまざまな試みや多様な教師たちと出会いますし、大学の教育学に携わる教員たちが、サポートできることもあります。ご案内が十分行き渡っていないと思いますが、まだ参加なさっていない全国の卒業生教師の皆さん、ぜひ来年は参加して下さい。

11月7日(土)

今年も、全国卒業生の集いの日がやってきました。今年は愛知大会です。名古屋で開催され、800名を超える校友が一堂に会しました。
尾張徳川家第22代当主で徳川美術館館長の徳川義崇さんと対談しました。明治以降、大名がどのように生きてきたか、興味深いお話しを伺いました。尾張徳川家の上屋敷は市ヶ谷の防衛省のところにありましたので、法政大学にとっても身近な存在です。徳川吉宗と対決したことで知られている徳川宗春は、この市ヶ谷の屋敷を庶民に開放したこともあるのです。
懇親会では大村愛知県知事、河村名古屋市長も列席して下さり、名古屋の繁栄を感じ取ることができました。なにしろこのご時世に、名古屋城は木造で復興再建されるのです。楽しみです。

11月6日(金)

県立栃木女子高等学校で講演をしました。法政大学のサスティナビリティの志や、グローバル化とは、すでにグローバリゼーションが完成した現実への対応を独自に考えることだ、という基本をもって、「江戸のリサイクル」について話しました。とても熱心に聞いて下さって、ありがとうございました。