開発中の多摩キャンパス(1983年)
多摩キャンパス竣工祝賀会に協賛出演した大戸ばやし保存会(1984年)
2024年に法政大学多摩キャンパスは開設40周年を迎えました。
多摩キャンパス開設の背景には、1960年代以降の大学進学率上昇とそれに伴う学生数の急増がありました。法政大学でも、当時の市ケ谷キャンパスには「籍があっても席がない」と言われる状況が生じ、大学は1964年から、現在の多摩キャンパスの土地購入を開始します。
その後、学内での長い議論を経て、中村哲総長(当時)の下で「町田校地」(現多摩キャンパス)の開発を決定。引き続き市ケ谷キャンパスの過密状況を改善し、全学で充実した教育・研究活動を実現していくための議論を続けました。そして1984年、経済学部と社会学部が移転して、多摩キャンパスにおける教育・研究活動が始まりました。
開設後、1988年には工学部棟(現スポーツ健康学部棟)が竣工し、当時の工学部1年生が学び始めました。さらに2000年には現代福祉学部が、2009年にはスポーツ健康学部が設置されます。また研究所も比較経済研究所の開設のほか、大原社会問題研究所、日本統計研究所、体育研究センター(現スポーツ研究センター)が多摩キャンパスに移転して研究活動を始めました。
東京都町田市、八王子市、神奈川県相模原市の3市にまたがる広大な多摩キャンパスでは、開設当初から近隣地域とのつながりを重視してきました。今も毎年開催される「キャンパス・コンサート」は開設から40年続く行事です。「法政大学多摩CUPサッカー大会」も開設10周年以来、毎年開催されています。地域と共生するキャンパスづくりは、1996年に多摩地域社会研究センターの開設、2013年に多摩地域交流センターの開設へと展開し、2023年にはソーシャル・イノベーションセンターとして新たな発展を遂げています。
多摩キャンパス開設40周年を記念し、HOSEIミュージアムでは、「多摩キャンパスの記憶とストーリー」を想起し、大学と地域社会の未来を展望する場として、ミュージアム・サテライト多摩を設置しました。多摩キャンパス1号館(総合棟)1階の全体案内ならびにキャンパス内8カ所の案内(サイン)、下記Q R コード先のオンラインプラットフォーム「多摩キャンパスの記憶とストーリー」にぜひお立ち寄りください。
ひだまり広場から望む現在の多摩キャンパス
制作協力:法政大学 HOSEIミュージアム事務室
(初出:広報誌『HOSEI』2025年4・5月号)