QRコードは、各種決済やチケット、交通、医療現場など、日常生活のいろいろな場所で用いられています。例えば、広報誌『HOSEI』の中にも、記事の関連ウェブサイトにアクセスするためのQRコードがたくさん掲載されています。手軽にさまざまな情報にアクセスすることのできるQRコードは、私たちの生活をより便利に、そして快適にする上で、欠かすことのできないものとなっています。また、日本のみならず世界中で用いられています。
このQRコードを開発したのは、法政大学第二高等学校・法政大学工学部電気工学科(現:理工学部電気電子工学科)卒業、株式会社デンソーウェーブ主席技師の原昌宏氏(❶)です。
QRコードの開発に当たり、原氏が目指したのは、「誰でも使えるものをつくる」ことでした。今日、私たちが、特別な技術の習得の必要なく、簡単にQRコードを用いることができるのは、開発に際しての原氏の思いも大きく影響しています。
❶原昌宏氏(法政大学名誉博士)
「誰でも使える」を実現するために、QRコードには読み取りを支援する機能が含まれています。そのため、データの一部が汚れていたり、面積の30%が損なわれていたとしても、データを読み取ることが可能です(❷)。また、開発後にはQRコードを広く普及させるため、特許権を行使しないパブリックドメインを宣言しています。そして、使用者の求めているものに応えるように、小さい「マイクロQRコード」(❸)や鉄道の乗車券など、使用用途の幅を広げ、進化を続けています。
10月11日からHOSEIミュージアム・サテライト小金井で開催中の企画展示「誰もが使えるインフラを作る―原昌宏氏のQRコード開発―」では、QRコードの開発や普及、今後の展開について紹介しています。また、期間中、原氏へのメッセージも募集しています。ぜひご来場いただきメッセージをお寄せください。
※「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
❷かんばん:生産管理に必要な情報カード(汚れていても読みとれる)
❸自動車用エアフィルターの部品(約2mmの大きさでも読み取れる)
(❷・❸資料提供:原昌宏氏)
HOSEIミュージアム・サテライト小金井 2024年度企画展示
誰もが使えるインフラをつくる ―原昌宏氏のQRコード開発―
【期間】2024年10月11日(金)~2025年3月24日(月)予定
【会場】HOSEIミュージアム・サテライト小金井(小金井キャンパス 西館1階)
制作協力:法政大学 HOSEIミュージアム事務室
(初出:広報誌『HOSEI』2024年12・1月号)