氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
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小野 日菜 | キャリアデザイン学部 | キャリアデザイン学科 | 2 |
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身近なSNSトラブルの例として、他人のうつった写真を無断でアップロードするという例を取り出し、アニメーションによる公共広告にしました。
「他人の写真を無断でアップロードすると肖像権やプライバシーの侵害になる」、転じて「誰でも簡単に発信でき、拡散もされやすいSNSでは誰しもが気づかないうちに犯罪者になりうる」という注意喚起をベースに制作しました。
他人をうつした写真を「面白いものが撮れたから」と軽率にSNSにアップロードしてしまい、その行為により気づかぬまま犯罪者になってしまっていた青年と、自分のうつったその写真がたくさん拡散されてしまい、たくさんの人に面白がられていることに傷ついている少女の2人に焦点を当てた作品です。アニメーションならではのポップな表現とポップなBGMに合わせ、青年が犯罪者になっていくドロドロした闇と、結果取り締まられてしまうまでをリズミカルに、かつ重くもなるように表現しました。また、被害者である少女の苦しみにもスポットを当て、「犯罪と決まっているからやってはいけない」というだけではなく、「人を傷つけてしまうことはやってはいけない」というメッセージを込めています。
全編デジタルソフトを使用した手描きのアニメーションになっていますが、光や雨などの細かなエフェクトやカメラ制御はAviUtlで作成しました。特に光は大きく光る箇所以外にもかなりこだわり、ほとんど全シーンに何かしらの発光系の効果を与えています。そのかいあって平面的な絵にも空間や温度を感じさせることができたかなと思います。エフェクトをかなりの数使用しているので、いくつかに区切って書き出しをし、Adobe Premiere Proで全体をつなぎ合わせ色味の調整をしました。
今回作者が制作したような社会的なメッセージを含んだ作品は内容が押し付けがましくなりがちですが、この作品にはそういったところがありません。描画センスやリズム感のある動画構成で心地よいものになっています。今回の受賞をきっかけとしてさらに腕を磨き、より洗練された作品を制作されることを期待しています。