2020年度第16回デジタルコンテンツ・コンテスト

静止画部門・入選 想像は日常のスパイス

2020年度第16回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
関 隼利 情報科学部 ディジタルメディア学科 4
  • 使用ソフト
    Blender 2.8、Substance Painter (Steam版)、
    Bitmap2Material 3.1、Affinity Photo、
    CLIP STUDIO PAINT
  • 開発・制作・動作環境等
    Windows10
  • 使用素材
    静止画:cgbookcase.com、textures.com、TEXTUREHAVEN

作品要旨

落ち込んでいても、ふとしたきっかけで素敵な想像をして、買い物をし、人生が少しだけ豊かになる。そういう日常を感じて頂けたら幸いです。

作品解説

 本作品は、喪心から立ち直る日常の一コマを、4枚の画像で表現しています。
 1枚目は、落ち込んだ主人公が街を歩くシーンです。ここでは画像を暗く、彩度を低くすることで、主人公の気持ちが落ち込んでいることを表現しました。また背景をぼかすことで、主人公が物思いにふける様を表現しました。
 2枚目は、主人公がテイラーのスーツに目を奪われるシーンです。スーツ以外の彩度を下げ、主人公がスーツに魅力を感じている様を描きました。また、テイラー店内を明るくし、落ち込んだ主人公に希望が見えたことを表現しています。
 3枚目は、スパイになって人生を謳歌するという、主人公の想像です。1、2枚目と対照に、彩度と明度を高くしました。これによって、心が弾んでいることを表現しています。
 4枚目は主人公がスーツを買って、スキップして帰るシーンです。1、2枚目の空が暗く曇天なのに対し、温かいオレンジ色の空であることが分かります。これは、主人公の心が満たされたことを表現しています。

デジタル技術の使用箇所・方法

本作品は、3DCGのモデルを作成し、レンダリングして作成しました。
(モデリングについて)
画像中のモデルはすべてBlenderを用いて作成しました。特に3枚目の弾道とフラッシュは、炎と煙を物理シミュレーションし作成しました。その結果を画像として出力し、透過画像として用いています。
 (レンダリングについて)
3枚目と4枚目の車は、レンダリングするフレームの前後での車の位置をずらし、モーションブラーを表現しました。これによって、3枚目は躍動感、4枚目は背景としての車を表現しました。また、各シーンの光源や光量を変えることで、シーンの雰囲気を表現しました。1、2枚目は光量を減らし、かつ寒色を用いて、主人公の心情の落ち込みを表現しています。3、4枚目は光量を増やし、暖色を用いて、楽しみや躍動を表現しています。
(画像のレタッチについて)
レンダリングされた画像の彩度と輝度を変えて、シーンの雰囲気を作りました。例えば、1、2枚目は元々の画像より彩度を下げています。これにはAffinity Photoを用いました。また、部分的に色がついた画像レイヤを上から重ねることで、視線を誘導するようにしました。たとえば、4枚目のスーツから革の椅子にかけて色を重ね、明度を下げることで、キャラクターに視線を誘導しています。