2019年度第15回デジタルコンテンツ・コンテスト

動画部門・準優秀賞 Picking Up Cane Tool for Keiko

2019年度第15回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 

牛田 凌
三城 大河
松岡 優季

デザイン工学部 システムデザイン学科 4
  • 使用ソフト
    Adobe Premiere Pro CC 2019, Adobe After Effects CC 2019, Adobe Illustrator 2019, Adobe Photoshop CC 2019, Autodesk Fusion 360
  • 開発・制作・動作環境等
    Mac OS
  • 使用素材
    音楽:Peri Tune

 

作品要旨

最小単位のインクルーシブデザインを実践する教育プログラム“Fixperts”に取り組みました。一人の生活者が抱える困難を解決するプロダクトの製作と、そのプロセスを収めたドキュメンタリーフィルムです。 Fixperts詳細:http://fixing.education/fixperts

作品解説

【インクルーシブデザインとは】
デザインは問題解決の有力な手法の一つです。しかし、大衆向けのデザインは平均的な人々に最適化されており、その範疇から外れると様々な困難を抱えることになります。インクルーシブデザインは高齢者や障がい者、外国人など従来のデザインプロセスから除外されてきた多様な人々を“リードユーザー”としてプロセスの上流から巻き込み、共に新たな可能性を追求していくデザイン手法です。
【プロジェクト概要】
本プロジェクトは、手術により杖をついて生活されている松岡恵子さんをリードユーザーとして招き、取材の中で発見した「落としたものを拾うことが難しい」という問題の解決に取り組むことで、インクルーシブデザインを最小単位で実践しました。プロトタイプを恵子さんに使っていただき、その様子を観察したり、感想をいただくことで得られた発見から更なる改良を施すことで、少しずつ完成に近づけていきました。一連のプロセスをドキュメンタリーとして収めたこの動画を見ることで、人を幸せにするものづくりとは何か、人々の暮らしにおけるデザインの役割とは何かを振り返っていただけたらと思います。

デジタル技術の使用箇所・方法

動画のタイトルのKeikoの文字(0:00〜0:06)は、 Adobe After Effects でアニメーションを作成することで画面に直接書き込まれているように表示しています。
プロトタイプの説明(0:53〜1:01、1:38〜1:44、2:09〜2:15)において、3Dモデルを作成して Autodesk Fusion 360 でアニメーションさせることで、構造や使用方法をわかりやすく表現しています。
動画のカットのタイミングや演出をフレーム単位で調整し、要所要所で音楽と映像をリンクさせています(0:41〜0:47、1:02、1:36、2:01〜2:08など)。

講評

リードユーザーとの対話を通じて問題解決を図るデザインの提案に関する研究ドキュメンテーション作品。 審査の過程では、単なるプロモーション映像ではないかと映像作品としての評価に関する疑問の声もあったが、デザインの進化の過程を段階を追って3Dで図解を示すなど一般の人々にもわかりやすく解説しており、その姿勢がこのデザインコンセプトにも通じるところが作品の高評価につながった。