古来より我が国において鹿は神の使いとされることが多くありました。しかし彼らは常に良きものを運んできてくれると言えるのでしょうか。 美とグロテスクを同時に成り立たせることを目標に制作しました。綺麗だと感じた後に不安や死を連想していただければ幸いです。
作るときにテーマにしたかったのは「美とグロテスク」。 美しいものとして描かれることが多い神の使いであるという神話から、鹿をモデルにした。 内臓の代わりに花でグロテスクさを表現した。 目の出来具合は美しさに直結すると私は考えているので、眼球周りは特に時間をかけて調節した。まつげを一本一本植え、瞳に星を映したかったのでテクスチャは自作した。 花のテクスチャはただ赤いだけだとつまらないので、植物の繊維感を出しつつ赤黒くした。 鹿の骨格の資料は少なく、なかなか全体像が分かりにくかったので他の様々な動物の骨格の作りと見え方から位置と関係を探り、どの方向から見ても資料通りの見え方になるようにした。 動物は直線や完全な球がないため、球体から何度も微調整を繰り返し、自然な形になるようにしていった。骨は一つずつ別パーツで作り組み合わせていったので、見えない部分まで細かい作りになっている。黒い水面を歩いている様を表現したかったので、波紋を作り、反射率を上げ、照明による反射で波の凹凸が分かるようにした。 鹿は関節のパーツごとに作っているので、違うポーズもとらせることができるようになっている。
Rhinocerosで3Dを制作し、レンダリングした。