課題解決につながる実践知賞
ごみ箱の集中・再配置で皆が便利に
株式会社エイチ・ユー総合管理部門(多摩)
2023年9月から2024年3月にかけて、多摩キャンパスの総合管理を担当する(株)エイチ・ユーの担当者が、開校当時から多摩キャンパス全域に点在していた屋外用ごみ箱(コンクリート製・ステンレス製)をキャンパス内の通行動線付近に集め、「燃えるごみ用」「燃えないごみ用」等の表示を付けてごみステーションとして利用できるようにした。併せて近年設置された分別回収用のごみ箱についても、食堂や店舗、自動販売機(=業者が専用ごみ箱を設置)の位置などを考慮して再配置し、利用者が捨てやすく、清掃担当者が効率よく回収できるようにした。この取り組みにより、キャンパスの隅の、何を捨てたらよいのかわからないごみ箱がなくなり、「分別ネイティヴ」である今日の学生が利用しやすいごみステーションを、廃棄費用・購入費用などをかけずに増設させることができた。
多摩キャンパスには毎日多数の学生・教職員が通っているが、一人一人が行く場所は限定されており(自分の学部または職場と、図書館・食堂・生協くらい)、自分の生活圏以外のことはわからない。今回の発案・実践は、日ごろから学内を隈なく巡回し、どこに何があり、どのように使われているか把握しているエイチ・ユーだからこそできたことと思われる。本学の子会社である同社は、業務中にひらめいたアイデアをそのままにせず、大学関係者に働きかけて実現させ、キャンパスを利用するすべての人々に恩恵をもたらした。この功績に対し実践知大賞を授与し、広く讃えるべきであると考える。
多摩キャンパスは広大だが、その構成員のほとんどが日々目にしているのは、各々の「生活圏」に限定されていて、多摩キャンパスの全体像を把握しているわけではない。その中で、多摩キャンパス全体を日々の活動範囲としている稀な存在が、大学からの委託を受けた「総合管理」の担当者だ。その知見をもとに、多摩キャンパスに配置されていたさまざまなゴミ箱を、キャンパス構成員の動線を踏まえて合理的に再配置し、利用者が捨てやすく、回収担当者が巡回しやすいゴミ箱の配置を実現した。近年喧伝されている「EBPM(根拠にもとづく政策立案)」の実効性にあふれた教科書と評するに足るものだ。
本日はこのような賞をいただきまして誠にありがとうございます。我々株式会社HUというのは、なかなか皆さんに伝わらないというか、アピールができていないという部分がございます。総合管理業務については、今も24時間365日、学内を守っております。今回の取り組みについては、我々の部門でいうと、清掃部分ということになります。ゴミが乱雑にならない環境を維持するために、縁の下の力持ちではございませんが、皆さんの見えないところで常に活躍しているということを、ここで改めてお伝えできればと思っております。この賞は、多摩キャンパスで働いている100名以上のスタッフの方々がもたらした賞だと思っております。本当にありがとうございました。