本学元総長である清成忠男(きよなり・ただお)名誉教授が、去る7月23日に逝去されました(享年91歳)。故人のご冥福を心よりお祈りし、ここに謹んでお知らせ申し上げます。
清成元総長は、1956年3月東京大学経済学部経済学科を卒業、国民金融公庫を経て、1972年4月に本学経営学部助教授として着任。1973年4月からは教授として長く本学で教鞭をとられました。
この間、1986年4月から1989年3月まで経営学部長、その後産業情報センター所長を経て、1996年6月に第16代総長に就任し、2005年3月まで3期にわたり総長を務め、本学における教学・経営の全体を統括、代表しました。総長在任中には、日本私立大学連盟副会長、日本私立大学団体連合会副会長、大学基準協会会長等を歴任し、総長退任後の2005年4月から2014年3月まで本学学事顧問を務めました。また、2014年4月には事業構想大学院大学学長に就任されました。
総長在任中は、グローバル化への対応、社会との幅広い交流、生涯学習の推進をキーコンセプトとした「開かれた法政21」ビジョンを掲げ、1999年に国際文化学部と人間環境学部を、2000年に現代福祉学部と情報科学部を、2003年にキャリアデザイン学部を新設する指揮をとり、本学の教学改革に手腕を発揮し、本学に多大な貢献をされました。
専門は、中小企業論、ベンチャー企業論、地域論(地域振興論)で、日本ベンチャー学会の立ち上げから中心的な役割を果たし、多くの研究業績を有しておられます。主な著書として、『日本中小企業の構造変動』(新評論,1970年)、『現代中小企業の新展開』(日本経済新聞社,1972年)、『ベンチャー・ビジネス』(共著)(日本経済新聞社,1973年)、『地域変革と中小企業』(日本経済新聞社,1975年)、『地域主義の時代』(東洋経済新報社,1978年)、『日本中小企業政策史』(有斐閣,2009年)、『地域創生への挑戦』(有斐閣,2010年)などがあります。
また、政府関係の審議会委員も多く務められ、沖縄振興開発審議会会長、中央酒類審議会会長、中小企業分野等調整審議会会長等を歴任されました。
これらの功績により、2006年フランス教育功労章コマンドゥールを、2010年に瑞宝大綬章を受章されています。
なお、本学では、後日、「お別れの会」を執り行います。日程等が決まり次第、本学ホームページ等で、お知らせいたします。
2024年8月2日
法政大学