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【Research Highlight】人の感情に響くデザインを探究し、誰もが心豊かに暮らせる未来を描く(デザイン工学部システムデザイン学科 ソン ヨンア 教授)

  • 2025年07月11日
  • 教員
  • 広報誌「法政」
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感情的で主観的な要素を新たな価値に!人間の心に働きかける体験をデザインする「アフェクティブデザイン」とは?デザイン工学部システムデザイン学科ソン教授にインタビューしました。

人間の心に働きかける体験をデザインする「アフェクティブデザイン」を通じて、新たな価値を探索するソン教授。効率化や便利さが価値とされている現在の社会に対して、感情的かつ主観的な要素を新たな価値につなげようと研究を続けています。

例えば、長く着ていない服がSNSのメッセージを通じて持ち主に別れを告げ、自らハンガーから落ちる「rapoptosis(ラポトーシス)」という仕組み。また、離れた場所にいる人とのコミュニケーションをサポートするため、人間の身体のさまざまな場所から、相手のアバター(分身)となる柔らかいロボットを出現させることができる「Puff me up!」というシステムなど、数多くのユニークな研究を行っています。「誰もが気付くような明らかな課題は、すでに多くが取り上げられています。新たな観点から課題を見つけたり、ユニークな視点から問題解決方法を考えるために、私は学生に対して、自分の主観的な価値観や日常の何げない行動を深く掘り下げてみることをすすめています。私たち個人も社会や文化の一員なので、きっと誰かの共感を呼ぶポイントがあるはずです」と語ります。Columnでは、ソン研究室協力のもと、「アフェクティブデザインをコンセプトとしたさまざまなプロジェクト」を掲載。学生の何気ない行動が研究につながった事例も紹介しています。

「スマートフォンやSNS、AIなど、次々に新しいツールが生み出され日常生活に定着しています。しかし、そのような技術をただ利用するだけでなく、人々に与える影響を調べたり、別の在り方を探究したりすることは、多様化していく社会において大切なことだと思います。私は研究を通して人々に気づきを促し、誰もが能動的に心の豊かさを追求できる社会の実現に貢献したいと考えています」と研究で実現したい未来を語ります。

人の感情に響くデザインを探究し、誰もが心豊かに暮らせる未来を描くソン教授のインタビュー、ぜひご覧ください。
 

(掲載先:広報誌「HOSEI」2025年6・7月号)

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