お知らせ

【2024年度(第8回)「自由を生き抜く実践知大賞】課題解決に貢献する研究賞「アーバンデータチャレンジ2023 金賞」紹介

  • 2025年02月07日
お知らせ

受賞名

課題解決に貢献する研究賞

受賞取組

アーバンデータチャレンジ2023 金賞

実践主体

デザイン工学部・社会空間情報研究室

取り組み内容

2023年10月から2024年3月にかけて、デザイン工学部・社会空間情報研究室 学部4年の安岡拓翔、髙木倖大、三浦柊の3名は、アーバンデータチャレンジ2023に参加しました。アーバンデータチャレンジとは、地方公共団体をはじめとする各機関が保有する社会基盤情報の公開・流通・利用促進に向けた、オープンデータを活用するアイデアコンペティションです。私たちは、研究室の先生および先輩方のご協力のもと「Knight モード」というサービスを考案し、一般部門において金賞を受賞しました(応募数191件中、金賞1件、銀賞3件、銅賞10件)。「Knight モード」は、夜間の軽犯罪や性犯罪の増加に着目し、夜間の1人歩きに不安を抱く人へ向けた防犯特化型の経路検索システムです。システムの考案にあたり、夜道の光源となる構造物の調査や路上犯罪の情報等を調査し、安全な夜道を判断できる要素に関して議論しました。議論の結果、街路灯や路上犯罪、人口のオープンデータを取得し、最短経路を求める手法に基づき安全経路を出力するアルゴリズムを構築しました。これにより、夜間の1人歩きに対する安全性の向上に貢献しました。

実施しての感想

私たちは今回、初めてのコンペティションへの参加でしたが、研究室の先輩方は応募の経験知があるため、献身的なサポートの下で取り組むことができました。先輩方のアドバイスを踏まえ、既存のサービスやオープンデータを徹底的に調査し、データを収集して分析しました。その結果、共感性の高いアイデアを考案できたと考えています。さらに、アイデアの有用性を検証するため、実際に「Knightモード」のプロトタイプを開発しました。開発の過程では何度もプログラムのエラーが発生しましたが、諦めずに取り組み続けた結果、無事に開発できました。このように、徹底的に調査し、得られた理論を実践に移した経験により、今後の研究活動の基盤となる”調査する力”および”やり抜く力”を身に着けることができたと感じています。そして、アイデアの魅力を最大限に伝えるため、研究室のメンバー全員で一丸となり何度も発表練習に取り組みました。その結果、本番の緊張した雰囲気の中でも私たちの実力を発揮することができ、準備の大切さを身に染みて感じました。最終審査会に登壇し、初めて大勢の聴衆の前で発表した経験も、私たちの成長の大きな糧になりました。

総長からの選定理由コメント

今では多くの人が日常的に使っているスマホの地図アプリによる経路検索だが、それは利便性や距離で経路を表示する機能は持っているが、夜の一人歩きでは、警察なども推奨しているように、多少距離が遠くなったとしても、できるだけ人通りが多く明るい道を選びたい。それを実現するアプリを、街路灯の位置データ、犯罪発生データ、準リアルタイムの人流データなど、入手可能なデータを活用することによって、既存の地図アプリにアドオンして開発した取り組み。実際に歩いてみて初めて分かる危険や不安についてのレポート機能なども盛り込み、コンテストで優秀な成績を収めた。既存の資源(データと基盤となるアプリ)をうまく活用して切実なニーズに応えた秀逸な取り組みだ。

受賞の感想

今回初めてコンペティション形式の大会に出場させていただきましたが、そのような活動を今回選んでいただき、とても光栄に思います。今後も、社会課題の解決に向けた研究を日々一歩一歩進めて、課題解決に貢献していきたいと思います。